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ガンジー(元爺)サーガ  作者: タマ
62/206

黒組が行く3

船の上から海面を見ています。

この世界でミニラの背中以外で海上に居るのは、大工さん達と乗った筏以来だなあ。などとのんびり気分


海は透き通って綺麗ですから、真下を通り過ぎる人魚の姿に見惚れてます。素晴らしい速度と躍動感溢れる動き、素晴らしいですよ


筏と違い海面からの高さに違った景色を想像しましたが..ミニラの背中で見馴れたもので少し納得..


北から商船が来るとの情報に基づいての出港準備中です


{パパ~海鳥じゃない、普通の鳥が飛んで来たら船に人が乗り始めたよ}

ミニラからの突然の連絡

{ありがとう、どっちに行くか解ったら教えてね}

{は~い}


「全ての船を全速で進められるように、準備して下さい」

ガリウスさんにお願いする


「全艦、全速前進用意!」

ガリウスさんが言うと、あちこちで復唱が響く



{パパ~、北に向かうみたいだよお}


「北に向かって、全速で進んで下さい」

急いで伝える


「北に向けて全速前進」

又、復唱が響いていく


「ヤールー、100人連れて北に向かって。漁師船に見付からないようにね」


「はい」

ヤールー達が離れて行く


「ミニラ、ありがとう。又、動きが有ったら教えてね」


グングン船脚が上がり、30キロくらいのスピードに


「あの漁師船の舷側に兵士を集中して下さい」


「全、戦闘員右舷に!」

後ろの艦にも手旗で知らせている


通過後に漁師の動きを確認するが角度のせいで光が見えない..

2隻目も通過、3艘、4隻、5隻全て通過..



{パパ~、ピカピカ光ってるよ}

{あ、船の人達が動きはじめたあ。ちょっとまってねえ~..船が回り始めたよ~}


{来た方に戻りはじめたよお~パパ}

{解った、ありがとうミニラ}

{は~い}


「ガリウス殿、もう少し進んだら。その場で訓練をして戻って下さい」

見張り達にバレないように疑似訓練を頼む



訓練をしてると、ヤールー達が来たので砂浜に戻るように伝える



半島の確認は済ませて有る。日暮と同時に高度を落としたミニラと半島を観察して。明かりの数を調べたのだが、岬の突端の小さな山の頂上に見晴らしの良い岩場が有り。その少し奥に小さな小屋の明かりが1つ。海岸の水辺から上がった所にも少し大きな小屋が1つと。この2ヶ所だけしか明かりも建物無さそうだった。


半島について調べた情報を整理すると、半島の根元がモンスター領域の中心で。半島の中程迄が勢力圏内。半島の中程から突端迄に本来住民は居ないそうだ。


考えに詰まった俺は、決断する事にした。ヤケクソともいうが..


1度だけしか、目撃してないが。海賊島との連絡手段は鳥だと仮定して。その出張所のようなアジトを占拠後に一味から詳しい情報を聴取して、最善策を考える。


いつかは動かなければならないし。これなら味方の被害もほぼ出ないだろうと言う考えも有るし..



「ガリウス殿、精鋭と呼べる腕利きは何名程、選出出来るかな?」

やっぱり地上戦に人魚を使う気になれなかった..


「は、30名は確実に」

自信有りそうな答え


「では、その精鋭達に今夜夜半から出撃して貰いたい。船で出撃するので、操舵から漕ぎ手迄。騎士達と共に夜半迄休ませるように」

ガリウスさんに、作戦内容と目的地。相手の予想人員などを説明して。了解を貰った


「黒組の中から50名を選抜、今夜夜半に出撃するので。選抜された者は、夜半迄休むように」

ヤールーに選抜を任せる。何故50人かと言うと船に乗せて行くので。船の問題です



夜半船にのる騎士や兵士達が顔を赤くして、人魚を腕に抱いてます。俺もヤールーを腕に抱いていますが。顔色は普通です。船に乗せるには、渡り板を渡るのですが、人魚は跳ねるので反動が..


残念ながら、そこに恋は芽生えませんでした。戦いが恋人な奴等なので..


半島の沖80メートル程の所に船を停泊させて。うっすら辺りが色を黒から藍に変え始めた頃。3艘の小舟を降ろし、それぞれが10人の騎士を乗せ岸辺へと向かい


ゆっくりと上陸して行く


夜明けと友に、山頂の小屋に進入した俺は。テーブルに転がる酒瓶とアルコールの匂いが残る部屋に視線を巡らせる。二つのベットに1人づつ、ソファに1人の3人を確認。


無抵抗で眠る人間を殺す事に躊躇いを覚えながら。それでもと自分を叱りつけ。大きく息を吐き出すと、ソファで眠る男の頭に対人用の魔弾を打ち込んだ。手前のベットで眠る男にも魔弾を打ち込んで。最後の男に剣を突き付けてから起こす。



「おい!起きろ」

男は慌てて起き上がろうとして、胸元に刺さる剣の痛みに気が付き大人しくなる


「頭の上に手を乗せろ」

胸元の傷を押さえる男に無表情で命令した


「て、てめえ!な、なんのつもりだ」

怯えながらも、言葉を発する男


「だまれ、海賊。立ち上がって小屋から出ろ」

静かな声で言う


「わ、わかった」 

胸から血を流し、頭の上に手を乗せたまま。男は小屋を出る


「ひ、ド、ドラゴン」

男は小さな悲鳴ともつかぬ叫びを上げて。へたりこむ


{ミニラ、合図お願い}

{わかった~}


「ゴルルルル!」

ミニラの声が響く



海岸から喧騒が響いてきた。

海上では人魚達が海に飛び込んだだろう


足元に座り込んだままの男に剣を突き付けたまま。俺の足は少し震えている..前にも人は殺したから大丈夫だと舐めていた。向かって来る人間を殺すのは、さほど重荷を感じなかった。


眠る無抵抗な人間を殺すのは怖い..

罪悪感とか心苦しいではなく、ただ怖いのだ..


叫ぶでも無く、転げ回るでも無く、暫く痙攣して静かになるだけ..しかし..言い知れなく怖い..


3対1でも余裕で勝てるなどと、舐めた事は出来ない。それほど思い上がってはいない。だから殺した、間違えてはいない


全て納得しているのに、眠る無抵抗の者を・・・・



下から騎士達が駆け上がって来た

「下の小屋を制圧しました。味方の損害は有りません」


「この男を頼む、小屋を調べて。鳥を処分してくれ。後は任せる」


「了解しました」

騎士が了解の言葉と礼をする



人魚達にはマルトークの砂浜に戻るように伝え、ガリウスさんには情報を取りながら。夜迄交替で休憩して、日が落ちてから帰港するように頼んだ。



ミニラに乗った俺は、頼んだ


{ミニラ、群島に向かってくれるかな}

{わかったあ~}

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