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ガンジー(元爺)サーガ  作者: タマ
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根回し2

クライム辺境伯に昇爵した爺ちゃんの膝元

クライムの町でも大きな変化が起きてます

騎士の数がいきなり増えました..先日迄は30人程だった騎士が、今現在では200人を超えていて。まだまだ増えるそうです。

爵位の格に拠って抱える騎士の数が大体決まっているそうで、爺ちゃんの元部下達の次男や三男と言う人達が押し掛けて来て、面接の結果受け入れたそうですが。最終的には騎士の数が400人には達して、それに不随して従者や兵士も増えるそうです。


その200人以上の騎士達の目下の作業は木材の切り出し。騎士達の宿舎もですが、海岸近くに大きなパン工房を建てて貰ってます。

あ!パン工房で働く為の職人さん達は。現在王都で募集して教育中だそうです。


王都から大勢の大工達が派遣されて来ました

。1日中、トンカントンカン響いてますよ



人魚達を群島に送り出すと同時期に、お願いイベントは終了させました。

獣人達の誰を何処に配置するかが問題ですけど..



「母上、先ずはお湯に浸かって寛いで下さい」

頼み事が有る俺は、母さん達から逃げる訳にはいかないので..

クライム舘に来てお風呂の用意をしてました..ビバノンノ様の御利益で


テレサ母さんが湯から上がり着替えに自室に戻る間に湯を入れ替え

「マーニャ母上も、湯に浸かって寛いで、顔と首回りを洗って頂けますか」


「母上、こちらにお願いします」

テレサ母さんに、ソファに横になって貰う。顔をお湯で絞ったタオルで軽く拭き取り、マッサージをしてる振りして予め用意してあった薄い食塩水にコラーゲンを溶かした溶液(高濃度)を活性化魔法を活用しながら極微量づつ皮下に浸透させて行く。瞼、口元、顎、首回りに重点を置き。かなり深い所迄浸透させて定着させた。

塩分が水分を繋ぐ習性が有る事を知る知識と。コラーゲン溶液は量が多いと逆に腫れぼったくなる事を、映像で見た記憶が有る為だが。落ち着いたら再度微量の追加浸透作業が必要だと推測できた。


次に、冷水に干した昆布を刻んで浸け保存してあった昆布水に、コラーゲン粉末を溶かした溶液で顔と首をマッサージして。温かいタオルを当てて放置する。


続いて、マーニャ母さんにも同じ処置をする。


メスを使わない美容整形みたいだ..


30分程放置したら今度は、冷えたタオルで軽く拭き取り終了した


目元や口元、首回りに張りが戻りテレサ母さんは20代後半くらいに見えた。マーニャ母さんも同じか少し若いくらいにみえる。

緊張が溶け、俺は体から力が抜ける..



テレサ母さんも、マーニャ母さんも鏡を見てニコニコしている


それから1週間後にテレサ母さん、マーニャ母さんとジーンズは王都に旅立った。

旅立つ前日に微量の追加浸透作業を済ませて..


アリーナ姉さんに襟首を掴まれて

「ガンジー、お前何をしたのよ!」

と頭をガクガク振られたのは別の話し




群島の小島全てに日除けの小屋とテーブルや椅子も配置されて準備が整ったのが7月の終わり。砂浜の巨大ミミズの親分、サンドワームと言うらしいが..駆除終了との報告を受けてから1ヶ月半以上、確認されていない。毎日残念囚達が砂浜を歩いて確認している。


大工達と13人に増えた模範囚組を連れてクライム領に戻る。 

大工達はクライム領の建築現場に配置されるらしいが。模範囚達は、モスタウンの冒険者ギルドに戻す事にした。報酬額は1人金貨5枚づつ渡した


全員残りたいようだったが、諦めて貰った。早く解放してやったのだから感謝して欲しいものだ..


元奴隷のネコ系獣人の中の勘違い達、6人も自由にしてあげる事にしたのだ。模範囚達と共にモスタウンに連れて行って、冒険者登録させる。こちらには金貨10枚持たせて有る

ハッキリ言えば....やめておこう



人魚達は今、胸を隠して尻も隠してます

格大隊長の部隊毎に色を決めて、ローウエスト気味に巻いた細いベルト状の紐から巾30センチ程の布が前後共に垂れ下がってます。本当はロングにしたかったのですが..陸上では膝丈より長いと邪魔になるために、膝上丈で我慢しました。


簡単な風属性の魔法も覚えて貰うつもりです。濡れたままは少し残念なので..


最近はモスタウンに良く居る爺ちゃんに会いに行く

「お祖父様、今更ですが。少し攻めますので、もしもの時は諦めて下さい」 

「解っておるわ、好きなだけユークリフと渡り合って来れば良い」

楽しそうに言われた


獣人達は8等級冒険者として頑張っているらしい

元、模範囚達も更正できてるようだ..



さあ!王都に行くか



8月の終わりまだまだ暑い中をミニラと共に王都へ

ミニラの左足には5メートルの赤い布が靡いてる



「お前は母達に、どんな魔法を使ったのじゃ?」

王宮の一室で共に居るのは、王様とユージン王子とサリユース爺ちゃんとライアン爺ちゃん。いつもと変わらない顔ぶれ


部屋に入った途端に掛けられた王様の第一声


「陛下、どんなと言われましても..母上達が元々美しいだけですが」

白々しく答える


「しかしじゃのお..あれはなかろう」

王様の歯切れが悪い


「母上達が美しいと何か問題でも御座いますか?」

あくまでも白々しく


「宮廷中大騒ぎじゃ..公爵など妻が五月蝿くてかなわぬ故何とかしてくれとワシに言う始末じゃ」

ほとほと困った顔の王様


「陛下、国が国を認める時に起きる問題についてお教え頂けませんでしょうか?」

あっさり無視して本題に入る


「そうじゃのお、国足り得ぬ物を認めれば自国の格が下がろうし。品位や仁義に欠ける国もしかりかのう..」

一般論を答える王様


「では、国益と国の体面のどちらが優先されるべきとお考えですか?」


「どうした?ガンジー。お前らしく無い質問ばかりよの、はっきり申せ」

解ってるぞ言いたい事は、見たいな顔の王様


「はい、人魚達に国を興させたいと思っております」

はっきり言い切った


「それで、ワシに何を望むのじゃ?」

解っていながら、相手に言わせるのが国王のやり方なのかなとか考えながら..


「国として人魚達を認めて頂きたく、お願いに上がりました」

無理を承知で口にする


「難しいのお..」

当然の答え


「海沿いの領主方の問題で御座いますか?」

一番の課題をあげた


「それも有るが、規模とクライム領の外れの海岸でわのお..」

王様は群島の事を知らなかったようだ


「規模は既に一万を超えており何れは2万に達するかと、建国の地は。クライム沖10キロの群島に居を構えております」

群島に移り住んでから、数が増えるのが異常に早かった..焼き印の有る逃亡奴隷も多かった為に問題が起きるのも目前に迫っていた。


「ほお、もうそんなに増えたのか..群島とは如何にしたのじゃ」

少し興味を示す王様

他の3人は一切口を挟まず聞いている


「小さな島が7島からなる場所でモンスターが多数棲息していたのを全て根絶やしに致しました。一番大きな島でも縦1キロと横に300メートル程の小島ですが」

隠す必要も無い


「何時から準備しておった?」

「はい、北のドラゴン討伐以前からで御座います」


王様が少し考える



「陛下、もし奴隷となっていた国民が。命からがら逃げ戻った時に。どうなさいますか?」

お前は敵国の奴隷だからと戦争を避ける為に追い返すのか?それとも庇うのか?国王の考えを知りたかった。聞かずにいられなかった


「お前ならどうする?ガンジーよ」

逆に真剣な顔で聞いて来た


「人魚以外の者達に関しては、答える事は出来ませんが。人魚達になら主人の元へ帰れとは言えません、背中で守られるだけでは無く自ら戦うと申しました。共に戦う為に強くなって見せると」

はっきり伝える


「強くのう..もし国として認めた場合、どんな益が有るのかのお」

人魚は弱い..この世界の先入観..諦の一文字の禍..


「海からの他国の侵略を全て防いで見せます。例え100艘を超える艦隊であろうと問題無く」

自信を持って言い切った。これは見方を変えれば王国側からの侵攻も跳ね退けられる。と取られ兼ねない危険な言葉では有るが、強さが必要な今のこの時には、必要な賭けでもあった


「ほお、それ程とはな..」

王様が初めて真剣に目を少し細める


「はい、陛下。手始めに、クライム領北部から王都迄の水棲モンスターを人魚達のみで平らげてお見せします」

王国側も水棲モンスターには手を焼いているのを。キースからの情報で入手していた。水門で防ごうにも破壊されたり、水陸両性モンスターには無意味だったり。建設中にも多数の死者が出ることなど。水中には手出しせず、上陸したのを排除するのが現状だった。


「ガンジーよ、腹の探り合いは疲れた。お前が考えていることを全て申して見よ」

王様が笑いながら言う。本当に喰えない爺ちゃん達だ!

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