表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガンジー(元爺)サーガ  作者: タマ
141/206

変われるかな3

モンブランの町の北の牧場後にミニラに降りて貰いました


「ここが、前に言ってた牧場後だ、あの柵に裸にされた女奴隷達が捕まり。後ろから男の奴隷達が種付けしてたよ。俺が見た時は女が5人同時に並べられてたな」


「こんな屋外のそれも真っ昼間にか?」


「ユージン、お前何か勘違いしてないか?あれは性交なんて呼べる代物じゃあ絶対無いぞ!女奴隷達は何の反応もしない、男奴隷の動きで体が揺らされてるだけだ。心が死んでしまった女は反応なんてしないからな、反応するのは心が生きてるからなんだ」


「本当にそんな状態になるのか、俺には想像も出来ないよ。女性の奴隷も気の毒だが。男性の奴隷も辛かっただろうな」


「ああ、役に立たなきゃもっと酷い場所に送られるか、見せしめの為に殺されるからな。だが、お前が奴等に同情する資格何て無いぞ」


「俺がお前の奴隷だからか?」


「お前は馬鹿か!奴隷にも心は有る、同情するのも自由だ。お前は王族だろ、奴隷が出来る一番の理由は何だ?」


「それは侵略による略奪に決まってる、特に女の奴隷はな。後は人拐いだな」


「俺はお前に侵略の無くなる案を出した。普段なら無理だが今なら確実に数十年は保てる案をな。だがお前は自分のプライドを優先した、民達を守る立場に有るお前がな。だから資格が無いと言ったんだ」


「俺が嫌がる事をお前は俺に強要するのか?」


「お前が嫌がった人魚達をお前にけしかけたぞ、結果はどうなった?」


「そ、それは相手が1人だったし。それに弟妹を害するって言われればな」


「俺は何も言って無いぞ、お前が勝手に思い込んだだけだ。それにな相手が1人だと何なんだ?それはお前の身勝手な言い訳だろ」


ユージンの対応がいつもとは全く違い、何かすっきりしない気分なのでその話はそこで切り上げて、子供達が保護されてる建物の方へ歩きます


「あの建物に牧場から保護された子供達が暮らしてる。3才を頭に25人もの、犯されて殺されるのを待つだけだった子供達がな。女の子として産まれたから生かされて、運良く助かったんだ。男の子として産まれた瞬間に間引かれた子供達も居る。あの子供達には選択も拒否も許されなかった、奴隷だから仕方ないと言うのか?お前は王族だから嫌だと思った事はしないで良いのか?」


「お前に俺の何が解るんだ!」


「ああ、解らないよ。だが自分が守りたい者達の為にしなければいけない事が有るのは分かる。例えそれが自分の生き方に反する事でもな」


何も言わなくなったユージンを連れて子供達の所に行く気になれず、ラバーニュへ戻りました


部屋から出て来ないユージンは放置して、ユーリアを風呂に入らせてから俺もサッパリと汗を流します。食事時にも降りて来ないユージンに、食事を運んで貰い


ラビーさん達と酒盛りです

「ランプ、もし俺が他種族とか人間を嫁に貰えと言えばどうする?」


意見が聞きたくてラビーさんに、ランプとガイと違和感2号を呼んで貰ってます


「将軍がそうしろと言うならそうしますよ、俺は爺さんの血が濃いのか嫁は何人でも欲しいですしね。あ痛、何すんだよ!」

メロデイさんがランプに拳骨を落としてる


「爺さんの血が濃い、どういう事だ?」


「うちの爺さんには4人の兎族の婆ちゃんと、種族の違う3人の婆ちゃんが居たんですよ」

爺さんの過去の武勇伝が暴露された瞬間である


「お前達はどうなんだ?」

ガイと違和感2号に聞きます


「相手を見て決めさせて貰う、俺は狼族だ嫁は1人で良い」


「俺は例え相手が人間でも従いますよ、命の借りが有りますから。ただ相手が人間の場合だと国境近くに移り済まないといけないし、同族の嫁も貰わなくちゃ血が残せなくなりますから。色々な支援は必要になりますけど」

違和感2号が新しい情報をくれました。名前は未だ無いが・・


「どう言う意味だ?」


そう聞くとパンシーさんが語りだした

「獣人と人間が交われば、女側の種族の子供が産まれるのは知ってるよね。獣人の部族が違う者同士が交わっても同じで、女側の部族しか産まれないのさ。獣人同士の部族違いは親が死ねば縁が切れてそれで終わる場合が多いけど、人間相手だとそうわいかなくなるんだよ。保護するものが居なくなればハントロンドの人間は奴隷に、ローレシアの獣人も奴隷にされる。愛する子供達が奴隷にされるのは避けたいってマイケルは言ってるのさ」


祝、違和感2号に名前が。何て言ってる場合では有りません。俺の知らない事が次から次へと出て来ました・・


「じゃあ、パンシーさんが黒豹族の子供を産んだ場合も豹族の子供しか産まれ無いんですか?」


「その場合は逆だね、殆どが黒豹族の子供でたまに豹族の子供が出来る程度だよ。種族が同じで毛色の違う者同士の場合は父親の血が濃く残るからね」

今度はラビーさんが答えてくれます


「でも黒豹族の男共はあたし達に見向きもしないよ、プライドばっかりで好かない奴等さ」

パンシーさんが愚痴ってます


「それは仕方ないと思うよ、女神様に選ばれた一族だという自負を持って生きてる人達ですからね」

ミネアさんの意見が出ますが、女神様に選ばれたと言う言葉が気になり


「女神様に選ばれたって、信託を承った者が居たって事かな?」

ミネアさんに聞き返しました、ミネアさんがこの中では一番博識なので。シルエットが居ない不便を早くも実感させられてます・・


「初代国王の獅子族と4代目に当たる黒豹族には、信託を承ったと言われています。当時バラバラだった、それぞれの部族を纏める為の方便だと言う者達も居ますが事の真相は不明ですね」


ミネアさんの話はパトロンドの建国時代の話しで、俺には知識の全く無い分野です。この世界の歴史を知らなければならない事は十分に理解しているのですが、時間に追われて来た俺にはその暇が与えて貰えず忘れがちになってました・・


「ラビーさん、明日から信用の出来る娘達を5人選んで。ユーリアの護衛に付けて貰えませんか?」


「任せときな、私の妹分達を付けてやるよ」


「ランプ達は、毎日牛の丸焼きと豚の丸焼きをミニラの夕食に作ってやって欲しい」

そう言って大白金貨を1枚渡してから


「お前達の日当は金貨1枚づつをその中から貰ってくれ。それとランプ、もしユーリアに変なちょっかい出したら。お前の大事な息子と泣き別れする事になるぞ」


ランプに優しく釘を刺して置きます


その日は余り深酒はしないで部屋に戻り

「ローレシアの歴史は知ってるよな、開祖様もやっぱり信託を承けたと言われているのか?」


「はい学んでおります。開祖様は信託を承ったのでは有りません。女神様の血を受け継がれたのです。開祖様は女神様の御子息だったと教わりました」


あのイタズラ好きの女神様なら、面白がってやったのかも知れないと言う思いと、前世の王達のように方便に使ったのかが分からず考えるのをやめました


「ユーリア、明日から毎日のように痛い思いをさせるようになるけど。我慢できるかな?」


「はい!」


「俺は暫く留守にするけど、問題無いよな?」


「えっ?」


顔色の曇ったユーリアを見て、仕方ないなあと

「その代わり今日は一緒に寝てやるから、それでも駄目か?」


何を言われたのか解らないような顔で俺を見た後、真っ赤になってモジモジしだしたユーリアに。慌てて添い寝だけだと言い訳してます。護衛が付くのが明日からなので不安も有る為言い出した提案ですし・・


夜着に着替えたユーリアに

「ふつつかですが、宜しくお願い致します」

と違う気がする言葉を言われ


「毎日の痛みと淋しい日々を送らせると思うが、済まないな」

詫びましたが


「お気になさらないで下さいませ!」

と元気な返事を貰えました


当然、前世の男共のような「一緒に寝るだけ」詐欺は発生しません。ロリでは無いので・・多分


翌朝、ニコニコしているユーリアに。戻ったらまた添い寝してやるから頑張れと励まし、ラビーさんに紹介された女の子達を引き合わせて自己紹介後の感じをユーリアと話し合い


「ラビーさん、ユーリアを大部屋に移して護衛の娘達と一緒に過ごさせて貰えますか。それとシルエットの時と同じように介抱もお願いします。娘達には報酬は期待してくれて良いとも伝えて下さい」


「相変わらず心配性だねえ、ガンジーは。任せときな」


ラビーさんに笑われながら、忘れていた事をユーリアに告げ

「朝晩の習練は暫く無しで、魔力移動の訓練だけにするように。絶対剣には触るんじゃ無いぞ、ミニラが毎日正午に迎えに来るから忘れるなよ」 

そう言ってユージンと二人で出掛けます


「ミニラ、王城の練兵場へ向かってくれるかな」

「解った、パパ」


「ミニラ、ユーリアの事を頼むな」

「良いけど牛の丸焼きは?パパ」

「毎日の夕食に頼んで有るから、姉妹亭の裏庭に行けば良いよ」

「はぁい、パパ」


ユージンには着替えも持たせて、紋章も直径5センチ程の金製に替えて有ります。流石にあのままでは可哀想なので・・


練兵場へ降ろして貰い、やって来た騎士に国王への謁見を要請しました


「久し振りだなゴロウ、変わりはないか」


「ああ、お陰様でな。海の方は食材も増えて民達が喜び、族長達の収益が増えたので税収も増えて助かってるぞ。今日は何の用だ?」


「こいつは、ローレシアの国王の孫のユージンだ。数日邪魔するから話し相手になってやってくれ。俺には書庫を解放してくれないか」


普通なら首が飛びそうな事を平気で言い、それがすんなり受け入れられる様を見て驚いた顔をしながらも


「ローレシア王国、元王太子のユージンです。よしなに」


「パトロンド国王、ゴロウ、ベアレン、パトロンドだ。気楽に寛いで過ごしてくれ」

ユージンの元王太子の名乗りを聞いて、片眉を上げたゴロウが名乗りを終えて侍従にユージンを別室に案内させます


「元王太子と言っていたが、政変でも起きたのか?」


「いいや、爺さんと孫がちょっかい出して来たからお灸を据えただけだ。あいつが勝手に思い込んでるのさ」


「愚かな事をしたもんだな、人の身で神に抗う等と・・」


「おい!俺は普通の人間だぞ」


「そう思っているのは、お前だけだ。ハハハハ」


何が可笑しいのか笑うゴロウの頭を張り飛ばして、侍従に書庫へ案内して貰います


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ