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ガンジー(元爺)サーガ  作者: タマ
134/206

何にしょうか?

翌朝一番に海岸に有る一番大きな荷車に謎の酒3樽と1メートル四方の木箱を積んで、海に向かって飛び立ちます。ミニラが両手に荷車持って・・


ミニラも大きくなりましたが、軽々と運ぶ荷車ごとの荷物に

「ミニラ、重く無いの?」

聞かずにはおれません


「大丈夫だよ、パパ」

全く力んだ様子も無く言うミニラ


体型といい重力の法則を蹴り飛ばす存在ですよね・・


「ラバーニュで豚の丸焼き頼んで上げるからね」

牛の丸焼き10頭の約束が終わったばかりなので目先を変え


「豚なら2頭だよ、パパ」

やっぱり進化してます、末恐ろしい・・


荷物のせいか、4時間程掛けてラバーニュのドラゴンの姉妹亭の裏庭に荷物ごと降ろして貰い。いつものように裏口から店内へ


見馴れた背中に抱き付きましたが

「ガンジー、来たのかい」

あれ、つまらない反応・・


「何故驚いてくれないのですか、面白く無いですよ」

ブーたれてると


ローラさんに背中から抱き付かれたので

「キャー」

ラビーさんの変わりに叫んでおきました


「何遊んでんのさ、昼間っから私に抱き付くような物好きはガンジーくらいしか居ないからね」

笑いながら物好き扱いされてます・・


「夕方から遊んで下さい、それと豚の丸焼きを2頭お願い出来ますか、裏庭の荷車の見張りもお願いします」

ローラさんに頭を撫でられながら、頼みましたが


「何で夕方からなのさ」

不満そうにパンシーさんに聞かれます、昼間から呑みたいのかも


「ドワーフと交渉が有りますので、行ってきます」

そう答えて裏口へ向かいます。ローラさんは夕方からの言葉に満足したのか直ぐに離してくれました


荷車に積んでた木箱だけをミニラに持って貰い、ノルンへ向かいます


ノルンの桟橋に木箱と一緒に降ろして貰い、走って来た兵に

「ローレシアのガンジークライムです、至急カザン殿とお話ししたい事が有りますので。こちらに来て貰うように伝えて頂けませんか」

そう言うと


「カザン様がこちらに来る理由をお聞きしたい」

そう返されたので


「町中で見せられない物が有ると伝えて貰えば分かります」

そう言ったが、果たして通じるのかな?


暫くしてカザンが早足でやって来て

「何事ですかガンジーさん、私も忙がしい身なのでね。余り無理を言われても困ります」

そう言うカザンに


「これは余り人目には晒したくないって言ったのはカザン殿なんだがな」

ニヤリと笑って木箱を示します


「な、なんと見事な・・・」

箱を開けて驚くカザン、中には90センチ近い海の宝木が入れて有る


「忙がしいなら、無理は言いません。他の族長の所に行きます」

相変わらず意地が悪いです・・


「ま、待って下さい。先程は失礼しました、これは譲って貰えるのですか?」

こめかみから汗を流しながら聞くカザン・・真冬なのに


「対価によりますね」

獲物が掛かったら我慢です


「幾らなら譲って貰えますか?」

流石商売人、金額は中々提示してくれません


「この楽器全て用意出来ますか、品質も選んだ物を」

あっさり忍耐力が尽きて切り出しました


「時間を少し頂きますが、用意させて貰います!後の差額は現金で宜しいですか?」

現金など不要なので


「時間は明日の昼まで、残りは同じ楽器を相応しい金額分クライム迄届けて貰えますか。納得出来る取引なら次回も同じ品物を持参出来ます」

まだ手持ちが有ると告げれば有利な取引が出来ます、何せ弱味を握っての取引だから・・悪どい笑顔をおまけします


「お引き受けしましょう、明日の昼にお越し下さい。では」

凄い勢いで走り去るカザン、普通の取引なら失格だが弱味を握られてると分かれば誠意を示すと見れなくもないよな・・


走り去るカザンの背中に男の悲哀を見るガンジー

途中でダメな状態になった男に、女性達の自虐的な言葉が突き刺ささるシーンが浮かんで来るのは何故でしょう

もう私に飽きたのね、私に魅力を感じなくなったんだ、私ってそんなに魅力無いのかな、・・・・・・・・

「ちゃうんや、お前のせいや無い、これはワイのせいなんや」

何故か関西弁のオッチャンの声も流れました


木箱を手に持ち、背中に俺を乗せ。何事も無かったようにミニラはラバーニュを目指して羽ばたきますが、羽ばたく必要が有るのか時々気になるのは仕方無いですよね


ミニラの背中で考えてます、何故俺の言葉で国王が退位したのか?確かに影響力も有るとは思いますし、勝てる自信も有ります。でも腑に落ちない部分も一杯有りますよね・・一番可能性が高いのは、ユージンの為に俺の叛意を試した。ですかね、そこにもやはり疑心暗鬼が存在しますが・・そんなに権力とは魅力の有る物なのでしょうか・・


などと瞑想に耽っているうちにドラゴンの姉妹亭の裏庭に着いてました


「少しは上達したのか?」

豚を焼いてる最中のランプに声を掛けます


「将軍もう直ぐ半年ですよ、流石に馴れましたよ。まだ木剣オンリーですけど・・」

笑いながら言うランプを放置して中に入り


「ラビーさん、部屋貸して貰えるかな。安全な部屋が良いけど荷物が荷物だから」

そう言って、品物の名称と金額を言うと。動きがカクカク変わるラビーさんが面白くて笑いました

 

夕方で閉めたお店で久し振りのドンチャン騒ぎ、色々溜まってた物が落ちていくような気分で。ラビーさん達に聞きました

「女性ってどんな人の子供を産みたいと思うのですか?」

今の一番の重要課題です


「どうしたんだい、そんな事聞いて。族長の娘達に迫られて困ってるのかい」

笑いながら言うラビーさんに


「本人達には何も言われてませんが、嫁のシルエットと婚約者のユーリアと言う王族の娘に叱られました。子供を作ってやるのが思い遣りだと。でもおかしく無いですか?好きでも無い男の子供を産まされるんですよ、普通は嫌でしょ!」

俺の理論を述べますが


「あんたは何も分かって無いね、娘達の話しは聞いたのかい?家ん所のランの話を聞いてご覧よ。少しは娘達の気持ちが分かると思うからさ」

そう言えば兎耳が2人居たのを思い出して


「あの人はランさんて言うのですか、まだ話しは聞いてません。昔ラビーさんが言ってた言葉を覚えてますから、獣人は獣人に人間は人間に興味を持つ者達が多いって言ってましたよね?」

モスタウンで聞いた言葉を告げます


「そうは言ったけどさ、あんたは違うらしいよ。爺さん所で娘達と食事した事有ったろ、その場の娘達全員が今回のローレシア行きに志願したんだ、その意味が分かるだろ。あんたは普通の人間とは違って見えるのさ、私にもね。ローラ程じゃないけど私にはガンジーが弟に思えるよ最初の時からね、変だろう」

俺も獣人達に何も違和感を感じた事がない、それも変何だろうか・・違和感1号と2号は兎耳男なので反則と言う事で


「どっちにしても娘達に狙われた時点でガンジーの運命は決まってたと思うわよ、船に乗せた時点で確定次項になったけどね」

メロデイさんに言われて


「船に乗せずに帰せば防げたのですか?」

そう聞くと


「無理ね、モスタウン辺り迄のんびり馬で行って。そこで汚れて少し破れた服に着替え、顔を埃で汚して疲れた顔でガンジーの所に行くでしょうね。そんな姿の娘達が来たらあんたに追い返せるの?」

凄い事を言われた・・


「そこまでやりますか?」

まさかね・・


「フフフ、女を舐めない方が良いわよ。あの娘達は確かに人質かも知れないけど、普通の人質じゃないわ。あんたの子供が産みたくて人質に志願した娘達なのよ、誰の命令も受けずにね」

頭が痛くなるような事を言わないで欲しいです


「全員男嫌いが選ばれる理由だと聞いてますよ」

確か選定の項目に有りました


「あれは殆どの娘達が身を守る手段よ、好色な雄達からね。族長の娘は政治に利用されるのよ、分かってるでしょ!苦労無く暮らせる代わりに義務が発生するの、義務が果たせて相手は素敵な若き英雄、その上優しいし。本物の男嫌いのシルエット迄参らせた男、嫌がると思う理由を言ってご覧なさいよ」

メロデイさんに反対に問われたので


「嫁にはなれないし、他にもたくさんの女性が居ますし。子供もたくさん居ますよ」

俺の中の常識で言うと


「・・・・・・・・・・・・・・」

ローラさん以外が頭を抱えて呻いた


暫く沈黙が続いて

「あんたやっぱりバカだね、パトロンドに何人の若い娘が居て、その内の何人が理想の相手に出会えると思ってるのさ。特に綺麗な娘程悲惨な思いをする事が多いんだよ!分かってるのかい」

パンシーさんに説教されました・・


「それにガンジーの事だから、後の面倒も見てやるんだろうしね」

ラビーさんに言われます


「ガンジーが幸せになれば良い」

ローラさん・・意味不明です


「あんたねえ、自分の姿を鏡で見て。自分がしてきた事を振り返って思い出して、自分がどれだけ他人に甘いか考えてご覧なさい。それでも分からなければ、そんな頭捨ててしまえば良いのよ!」

メロデイさ~ん、少し切れ気味になってますよぉ


「あなたは少し考え過ぎだと思うわよ、ガンジーが考えてる程女の子達は弱くは無いわ。気を遣うのが失礼な時も有るのよ」

ミネアさんにも諭されました


俺が今世だけの存在なら良かったのですが、前世で60年余りも生きて来て感じた女性達と関わると面倒が起きると言う思いが逃げ腰になるんですよね・・人生肩が軽いのが生きやすい、楽しみ安いのです


まあ人魚達に情を移した時点で大きく運命が変わってしまった気がしますが、同じ場面に出合ったら同じ事しか出来ない自分が居るのも分かるので仕方無いですね・・


その後もボロカスに言われ、肴にされと散々ラビーさん達に弄られ捲って酔い潰れ・・


パトロンドの朝は何時もの如く遅いのです


男達の幻想を打ち壊すような姿のお姉さん達の治療をして、ノルンへ向かいます。荷車の謎の酒はラビーさん達に2樽渡したので、荷車には樽が1つと木箱が1つ。荷車ごとミニラの両手に納まって運ばれてノルンの桟橋に降ろして貰いました


時間通りに現れて荷物の用意が出来たが船は何処だと尋ねるカザンに、木箱と酒樽を渡して

「この荷車に積めるだけ積んで貰えますか、積めない分はクライムに届けて貰う荷物と一緒にお願いします」

そう言うと、顔をひきつらせながらも荷造りしてくれました。わざわざ幌まで被せて落ちないように


荷物が山盛りになった為かミニラが荷車を縦持ちでわなく、横持ちで持ってます。縦持ちだと微妙に胸に荷物が当たるから邪魔何でしょう


「ミニラ、大丈夫なのか?」

「ちょっぴり面倒かな、でも大丈夫だよ、パパ」

何とかなりそうなので、一路クライムへ

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