8.神殿調査
更新が遅くてホントすいません。
村を出て早一時間経過した。
神殿までは馬車で2時間程度で行けるからあと半分ってところまで来ている。
ここまではかなり順調だった。
たびたび魔物が襲ってきても神の子がいるから一瞬で魔物が骸と化している。
「全然手ごたえがないな…。魔物ってこんなものなのか?」
「それはロイたちが強くなったってことだろう。もっと誇っていいんだぞ」
アーノルドさんがロイの頭をなでながらそう言いう。
「ロイとマリアが片っ端から魔物を見つけて狩ってしまうから僕とナナの出番がないんだけどね…」
「私は…大丈夫」
「魔物は早い者勝ちよ。アレックス」
マリアが真っ赤な髪をなびかせながら笑顔で答える。
「アーノルドさん、みんな見えてきたよ。あれが魔物が巣食う神殿だよ」
そこには真っ白な西洋風の神殿がそびえたっていた。
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「意外と大きいのね」
「そうだな…。町の近くにこんなものがあるなんて知らなかった」
「ちょっとおかしいな…」
「エストの言うとおりだ。ここからは何があるかわからないから最新の注意を払え」
アーノルドさんがみんなに喝を入れる。
「エスト、なにがおかしいんだ?」
「あぁ、普段は神殿の周りに魔物がいるんだが、今は神殿の周りには魔物の気配が全然ない」
「本当だ。魔物の気配がしないわね」
「とにかくここにいても始まらない。先に進むぞ」
「「「「はいっ」」」」
アーノルドと俺をを中心に前衛にロイとマリア、後衛にアレックスとナナの配置で神殿の入り口まで進む。
ここまで魔物との戦闘は一回もない。
だが、神殿に近づくほどただらなぬ気配が漂ってくる。
「怖い…」
「ナナ。大丈夫だ。みんなついているよ」
「アレックスの言うとおりだ。だが、この気配は危険だな…」
アーノルドさんは冷や汗をかいている。やっと扉までついた。
「空いているな。。」
「空いてるわね。。」
「なんか書いてあるけど。。」
扉は半開き状態だ。
この扉があいたことによって周辺の魔物が威圧感に耐えられなくなったのだろうとアーノルドは推測した。
俺もそうだろうと思いながら扉に書いてあるものを見てみた。
どうやら魔法陣っぽい。
とても高度な魔法陣であり、封印式っぽいけどそれ以上はわからない。
「アーノルドさん。先に進むんですか?」
俺はこの先は危険すぎると感じ指示を仰いだ。
「あぁ。進みたくはないが、調査しないわけにはいかないだろう。全員よく聞け。俺が合図したら全速力で逃げるんだぞ」
「「「「わかりました」」」」
そして扉を開けた。
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暗がりの神殿の中には人影がある。
「おい、誰かいるのか?」
ロイの問いに返答はない。
さらに近づいて俺たちは確認する。
そこには黒髪の少女が床に座っていた。
少女の手元にはボールのようなものがあり、少女はそれを抱えこんでいる。
「どこから来たの?ここは危ないからおねーちゃんたちと帰ろう」
マリアの問いに少女はニヤリとわらった。
「おねーちゃんたち…おいしそうな匂いするね」
そういって顔をあげた少女の目は真っ赤だった。。。
「えっ?」
突然の出来事だった。
少女はマリアに向かってすごい勢いで突っ込んできた。
俺はとっさににマリアの前に出て少女と向き合った。
「う~ん。おいし~。お兄さんとってもおいしいね。えへへ」
黒い髪で真っ赤な瞳、黒いワンピースを来ている少女が持っているのは俺の【腕】だ。
「うわぁぁっぁぁあぁぁあぁぁあぁ」
俺は左腕を押さえながらその場にうなだれる。
「エスト!!!ナナ、早くエストに治癒魔法をかけて!!」
マリアが叫ぶと同時にアーノルドが叫ぶ。
「全員今すぐに逃げろ!!俺が時間を稼ぐ!!エストも俺が連れて行くから今は全員逃げることだけ考えろ」
「おい!!行くぞ!!今はアーノルドさんを信じるしかない」
ロイがそういいながらマリアとナナの腕をつかんで入口までは走り出した。
「逃がさないよ~。せっかく魔物じゃなくて人間のごはんがわざわざ来てくれたんだからさ~」
「待てよ!!お前の相手は俺がしてやるよこの悪魔め」
俺は苦痛に耐えながら少女の前に立つ。
「こんなかわいい子に向かって悪魔とか失礼なお兄さんですね~。でもはずれではないかもねー」
「エスト!!やめろ!!お前も逃げろ」
「アーノルドさんこそみんなを連れて逃げてくだ・・。うわぁぁぁぁ」
「う~ん。やっぱり目玉が一番おいしいよねー。みずみずしくてとってもジューシー。
今度は左目をくり抜かれた。
「エスト…」
「エスト君…」
「ロイ。今のうちに逃げよう相手はエストとアーノルドさんに気がいってる。今しかない」
「あぁ。だが…」
「いまのままだと全滅だ。今ここで僕たちができることはない。逃げるんだ。」
「わかった。みんな行くぞ」
「エストが、エストを置いていくなんてありえな・・・ぃ」
「すまん。マリア今は逃げるのが最優先なんだ」
ロイがマリアの腹部を殴りつけて気絶させる。
「貴様!!よくもエストを!!」
アーノルドは怒りで今にもブチ切れそうだった。
「おじさんは趣味じゃないんだけどね~。食べてほしいならたべてあげるよ」
少女はそういいながらクスクス笑っている。
「アーノルドさん。。ここは俺が何とかします。早く逃げてください」
「そんな状態でなにができるんだ!!」
「これでも神の子と言われていた時期もあったんですよ。任せてくださいよ。それにアーノルドさんはみんなを立派に教育する役目があるはずです」
「だが、、、」
「早く!!ここから出て扉を閉めてください。扉の魔法陣はまだ少しなら効力あるかもしれません」
「すまん。頼んだぞ」
アーノルドさんは出口に向かって走り出す。
「あぁ~。おいしそうな子たちはいつの間にか逃げてるし、おじさんまでこんな小さい子を置いて逃げるとかちょっと萎えちゃうな~。でも逃がさないよ(笑)」
「お前の相手は俺だって言ってんだろうが!!」
俺は叫びながら右手で【暗黒の剣】を作りだし、切りかかった。
「お兄さんもちょっとしつこいよ~。じゃあ今度は脚もらっちゃうよ」
「ぐあっ」
俺の攻撃はきれいに避けられ、代わりに右足の膝からを持って行かれた。
「このふくらはぎの筋肉がたまらなくおいしいよね~。さっきまで食べてた魔物の頭とは大違い」
さっきのボールみたいなものは魔物の頭だったのか…。
「バタン」
そんなとき扉が閉まる音が聞こえた。
「逃げられちゃったジャン。まだ封印の力が完全に消えたわけじゃないから全力出せないのにお兄さんどうしてくれるのかな~」
みんなはちゃんと逃げれただろうか。
外にもこんな化け物がいたりしないだろうか…。
意識が遠くなる。。。血を流し過ぎた。
「お~い。お兄さん聞いてる?…あらら~もう駄目だなこりゃ。お兄さんのこと食べたからここから出るくらいは力戻ったかな(笑)。新鮮なうちに全部食べちゃいますか~。いただきま~す」
俺の人生はここで終わりなのか。。。
エレン…約束守れなくてごめん。。。
読んでいただけると幸いです。