5.神官再び
エレンが産まれてあっという間に3年がたってしまいました。
俺は10歳で妹のエレンは3歳になります。
「おにぃーちゃんあそぼーよー」
黒髪に青い瞳がとってもきれいな、天使のようなスマイルでエレンがおねだりしてくる。
「しょうがないな。ちょっとだけだぞー」
俺はそんな妹に激あまなんだが…一つ問題がある。
「じゃあ行くよー。ライトニングスタ~!!」
エレンが右手を挙げて叫ぶと同時にし光の玉が無数に飛んできた。しかも玉はしっかりと星形で…。
「ちょっ。…エレン。まだ…準備が…。ぐはッ」
何とかよけてたが、見事に顔面にヒットしました。そして3メートルぐらい吹っ飛びました。
「きゃはは。おにーちゃん面白いー。もう一回やろー」
「はいはい。エレンちゃんもう終わりだよー」
助かった。神よありがとう。
「あっ!!マリアおねーちゃんおはよー」
そういいながらエレンはマリアに抱き着き、マリアはエレンの頭をなでなでしている。
「エレンちゃんおはよー。エストはこれから学び舎に行かなくちゃいけないから遊びはもう終わりね」
「はーい…。帰ってきたら遊んでくれる?」
「エレンちゃん…。もうー本当にかわいいんだからー。帰ってきたらたくさん遊んであげるからね」
「約束だよー。お兄ちゃんもだからね」
さりげなく爆弾発言だ。俺ではエレンの攻撃をあんなに受けたら死ぬということがわからないのだろうか。
だがしかし…我が妹ながら本当にかわいいな。
気付いていただけただろうか?我が妹のエレンはわずか3歳にして【神の子】と言われている俺たち5人の誰よりも【光魔法】を自在に操れるのだ。
村ではエレンのことを【聖女】と呼んでいる。
そして3年前と今の俺は大して変わらない。
体力や剣術などは向上しているがあくまでも一般人よりも努力した結果であって、【神の子】と呼ばれるほどの実力はいまだにない。
「エスト?何してんの?ほら、早くいくよ」
「あぁ。わかってる。じゃあエレンいってくるよ」
「おにぃちゃん、マリアおねーちゃんいってらっしゃーい」
エレンが腕を大きく振りながら見送ってくれた。
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「よし。みんな集まっているな」
そういうとオッチャンはいつも通り点呼をとり、また話始めた。
「今日は神官様が来られている。10歳になったお前たちが本当にブレーブスの特待生として力があるかどうかを見てくださる。それと3歳になった我らがエレンちゃんに神託を授けてくださる」
何が我らがエレンちゃんだ。俺の妹だっつうの。
エレンは村人全員のアイドル的存在で毎日うちには誰かしらいるのだ。
『エレンちゃんを一人にするなんて…お前は人か?』と数人の村人にマジ切れされたことがあるぐらいだ。
「あっ!!おにぃーちゃんだ」
「エレン。それに母さんまで…どうして…」
「エレンが早く早くってあまりにもだだこねるから連れてきちゃった。神官様もその方が手間にならなくていいでしょ」
ニコッと笑いながらか母さんは言ったが、ただ単にエレンがかわいくて言うことを聞いてしまっただけだと思う。
本当にみんなエレンには甘いな。まぁ俺もだけど。。
「エレンちゃん!!よく来たね」
「おいちゃーん。牡はよーございます」
オッチャンはエレンが大好きだがエレンはオッチャンをクマと勘違いしているから大好きだということは今は黙っていよう。
「うぉぉぉ。なんてかわいいんだ」
みんなが引いた目でオッチャンを見ている。
「こほん。それでは神官様をおよびしてくるから少し待っていろ」
逃げたな。。なんてわかりやす大人なんだか。。
数分後に神官が銀の甲冑を来た黒髪長髪の男と白いローブを羽織った真丸メガネの女と一緒にやってきた。
「みなさんお久しぶりです。ずいぶんと立派になられましたね」
ふむ。全く覚えていないぞ。3歳の時にあったことだから当然かもしれないけどな。
それよりもあの2人はだれだ?
「こちらの二人は今日、君たちの実力をはかるためにつれてきたものたちです。2人ともセントラルでは有名な実力者ですよ」
神官がそういうと白いローブの女が一歩前に出た。
「初めまして。セントラルのマーリンといいます。現在ブレーブスで魔法を教えています。どうぞよろしく」
マーリンがそういって軽く会釈をしてしゃべり終ると今度は銀の甲冑の男が一歩前に出た。
「初めまして。マーリン同様ブレーブスで格闘術全般を教えているアーノルドだ。よろしく」
アーノルド…テンションたけー。めっちぇ歯が白いんですけど。
「では君たちの力をみしてもらえますか?」
神官がそういうと試験が行われた。