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1.神官のお告げ

新しく書き始めました。よろしくお願いします。

できる限り更新していくので応援していただけると幸いです。

なんでこんなことになったのか。


すでに俺の身体は五体満足ではなくなっている。


みんなは無事に逃げられただろうか…。


真っ赤な目をした少女がとてもうれしそうに俺を見て微笑んでいる。

片手にちぎられた俺の足を持ちながら…。


それをおいしそうに食べながら俺の方に近寄ってくる。。。


俺はここまでなんだろうか。。。




■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

~7年前~


「お~い。神官様が来られたぞー」


村の宿屋の親父が村中に響くような大きな声で叫んだ。


「何々?神官様何しにきたのー」


っと自宅の中で宿屋の声を聴いた男の子が

母親のスカートを引っ張りながら質問した。


「神官様はエストに神託を授けに来てくださったのよ」


にっこりと笑いながら答えてくれた美人の黒髪ロングの母親は僕に説明してくれた。



この国では3歳になると同時に【神託】とやらを神官が伝えにくる風習があり、

その神託の内容によって今後の人生が大きく変わってくるようだ。


神託により「農家」と定められたものは9割が農家として一生を終えるといったようにこの国では神託に頼りすぎているところがある。


広場の中心には子供と神官。それを取り囲むようにして町中の人間が円を描くように見ている。


神官は白いローブに白い長帽子(中心には十字架のマーク)をかぶっている30代後半程の男であった。


「こちらの村で今年3歳になられるのはこちらの5名の子供たちで宜しいでしょうか」


「はい。間違いございません。どうかよろしくお願いいたします」


神官の問いに村長が答えた。



そこには女の2名と男の子3名(エストを含む)の5人の子供がいた。


「ふむふむ。これはこれは。」


顎を手でさすりながら5人の前をいったり来たりする神官。

下から上までしっかり観察しながら目をとして瞑想し始めた。






「あの…神官様。子供たちはどうなんでしょうか」


目を開けた神官に尋ねたのは子供たちの親御さんたちである。



「大変珍しいことなんですが、こちらの5人の子供たちは神に選ばれし子かもしれません」


神官は神妙な顔付きで答える。


「・・・・・え!?」

「どういうことだ?」

「さぁ。俺に聞かれても…」


町の人間が困惑している中で、長老が訪ねた。


「神官様。それはいったいどういうことでございましょうか」


「はい。こちらの5名からはとても力強い聖なる力を感じます。これは賢者や大魔法使い、聖騎士になられる方が発するものにとても近いです。もしかしたら【勇者】の力を宿している可能性も否定できません。」


少し心が高ぶっているのか神官の口調は早口になっていた。


「なんと。わが村からそのようなものが同時に5名も現れるなんて…」


「とても珍しいことですし、これは神からのお告げの可能性も大いにあるものと考えられます」


喜んでいる長老に神官は釘をさす。



それは勇者や賢者などの上位職種が必要なほど世界が危険になる可能性があり、

大厄災や大災害といったことが近い未来に起きることを意味している場合も考えられる。


大厄災とは今まで予想もできなかったことが起こり、被害が世界に及ぶこと。

大災害とは魔王や上位のモンスターなどが人間に与える被害のことを指している。



「村の皆様にお願いがございます。この子たちが13歳になったらセントラルの上位職種育成教育機関(6年制)であるブレーブスへ入学をさせてください。私はそこの教員もしております。この子たちはこの世界に必要な者たちですので、成人前にちゃんとした教育を受けさせてあげたいのです。もちろん特待生枠で迎えさせて頂きますのでご安心ください。」



神官の熱い思いは子供とその親にも届いたようで、

「神官様任せてください。僕が世界を守るよ」


「うちの子がブレーブスに…。必ず入学させます」


セントラルにある上位職種育成教育機関。

通称ブレーブスは一般入試では倍率1000倍の超難関教育機関である。

人気の理由は卒業後の進路にあり、多くが高収入な職につけるとともに3代あとまでは食べていけるといわれているからである。


「有難うございます。ご協力に感謝いたします。ただ、この子たちが10歳になるころにもう一度この村を訪問させて頂きます。力が活発になるのは10歳ごろからになりますので。その時に同じように聖なる力を確認することができたら特待生枠を確定させて頂きます。今は(仮)ということでよろしくお願いいたします。」


神官はその言葉と共に馬車に乗り、次の町へと去って行った。



その後の村というのはお祭り騒ぎであった。

子の親は狂ったように英才教育を施し始め、

子供たちももちろんだが村の全員が協力を惜しまなかった。


「エスト…勇者になりたい?」


母親は目をキラキラさせながら聞いてきたが3歳の僕には愚問だった。


「勇者っておいしいの?」


母はがっくりしながら僕の手を引いて家へ戻っていった。


ご意見・感想もらえるととっても喜びます。


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