【月のお小遣いが560円だった頃の話】
小学校に入りましてから
経済感覚を養うように
との親の方針から
2週に一度。
お小遣いが渡されるようになりまして
その金額が幾らであったのか?
と申しますと
月に560円……。
(……昭和の終わりから
平成の初めの頃でありますよ)
まだ10円菓子とかはありましたけれども
まぁバスや鉄道を必要とするところに
足を運ぶことは出来ませんでしたね……。
(今と違いまして
公園で
子供だけで遊んでいましても
大丈夫な時代であった点は良かったのでありましたが)
恐ろしいことに当初は
読みたい雑誌も
小遣いの中で。
でありましたので
コロコロコミックと
小学○年生を
同じ月に購入しようとした場合。
お小遣いを前借りしなければならないことがわかりまして
(……それは勘弁)
とお願いしましたところ
雑誌関係は免除。
になったこともありまして
小学生の低学年時代に
定期購読していた雑誌を羅列していきますと……
学研の学習と科学に
小学館のコロコロコミックに小学○年生。
公文のコペル21。
+親が読むために購入していました
週刊ポストに週刊朝日。
(親が読む雑誌は
様々な変遷を経まして
現在は
週刊文春と週刊新潮に落ち着いています。)
当時の週刊ポストは
今とは違いまして
18歳以上のかたを対象としました
映像作品に登場されます女優さんが
普通にグラビアを飾られるような雑誌でありましたので
性に対する目覚めが早かった
を通り越しまして
捻じ曲がることにもなったのでありましたが
結構、広い範囲の雑誌と出会う機会がありましたし、
ヨソの家のおさがりの児童書や学習関連の漫画本などもありまして
本関係には恵まれた環境の中
過ごすことが出来たのかな?
と思っております。
で。与えられました
月の560円をどのように扱ったのか?
と申しますと
『貯金』
でありました。
貯金と言いましても
月に560円でありますので
1年貯めても6720円……。
ここでもし私の手元に
投資に関する書籍がありましたら
その6720円を元手に
株券を購入していたのかもしれませんが
幸か不幸かそのような指南本が無かったことに加えまして
当時、バブルであったこともありまして
6千円で買うことが出来る銘柄が無かった……。
捜せばあったのかもしれませんが
仮にその6千円を失いますと
その損失を補てんするのに
更に1年の月日を擁することを思いますと
(辞めておこう……)
せっかくなら
少しでも額を大きくしまして
あとに残るようなモノを……。
とばかりに
貯金に励むのでありまして
1年で貯めることの出来ます
6720円に
お年玉の1万円を加えました
計1万6720円を用い
年に一度
正月の時期に
某かのおもちゃを
毎年のように購入していたのでありました。
購入し、
遊ぶことの出来る日を夢見ながら
コロコロコミックで
その年。
その雑誌が仕掛けているおもちゃを見つめながら
(紳士が僕の肩を叩いて
モノ欲しげに眺めているモノを
買ってくれないかな……)
と思いながら
お金が貯まるのを待つ日々を過ごしていたのでありましたが
1万6720円
と言う金額は
ミニ四駆などを買う分には
有り余る金額なのではありますが
これが
ラジコンを買おうと思った場合、
本体のみを購入して
家に飾っておくだけの
プラモデルになるか。
プロポだけを手に入れまして
遠くを歩いているお年寄りに向け
電波を発信する以外の
楽しみかたは出来ない金額でありましたので
そこでもう1年待つ
と言う選択肢が
今なら出来るのでありますが
その時の私は……
正月は
おもちゃ屋に
ポトラッチする時である。
と言う
(ポトラッチは富が集積する
金持ちが行うことでありますので
使いかたとしては間違っているのでありますので)
正しくは
『無一文になる』期間でありますので
どうしてもお金は使わなければならない……。
しかも本当の使いかたが出来るもので。
と考えていくうち。
結果。
希望は田宮模型だったけれども
購入したのはニッコーのタイフーン。
と言いました
妥協の産物を手にし、
田宮のラジコンでありますと
時速30キロ以上出たりするのに対しまして
ニッコーのラジコンは
安全性重視の観点からなのでありましょう。
スピードは控えめ。
ならパワーはどうか?
となりますと
これまた家の坂を登るのも覚束ない……
と当初。思い描いていたモノとは
(待ちに待ち過ぎて、巨大化し過ぎていることもありますが)
程遠いパフォーマンスを目の当たりにし、
最終的には
(……押し入れの中へ……)
と言うことを
繰り返して来た反省なのでありましょう。
現金一括購入主義に関しましては
今も不変なのではありますが
買うモノに関しましては妥協は致しません。
基本。値切ることもしません。
なぜか?
値切ることはしませんが
その分、
仕事に対し、手抜きは一切許しません。
と言うスタンスで臨むことを
育てるのには
月の小遣い560円は
結果的には役に立ちましたね……。