出木杉さんと恋人(☆)
「夏時間、君と」内の「出木杉さんの恋」の二人の話です。
「如月・弥生」内の「チョコレートはいらない」に関連していますが、未読でもお楽しみいただけると思います。
この人には足りないって言葉がないんだろうか。
恋人がいる。色んな事が欠けまくってたり、逆に過剰だったりする私とは違う、わりかしパーフェクトな。
この人の何がすごいって、容姿仕事性格すべてにおいて出木杉さんであるにもかかわらず、お付き合いをしている私にさほど劣等感を抱かせないとこだ。
雑誌かテレビの中でしかお目にかかれないような贅沢な大人デートにエスコートされて、その後はシャレオツな雑誌に載ってそうなくせ居心地のいい彼のお部屋に招いてくれる。その翌週は、我が家でおうちデートと言った具合に、互いの得意分野で相手をおもてなしする私たち。どっちかに偏らず、交互にそれを楽しんでいる。
いつだって英国紳士みたいにパリッとスーツを着こなすこの人が、私の部屋に来た時にはスウェット上下でゲームに興じてる(しかも大抵私に負けてる)だなんて、誰が想像出来るだろうか。
私をじっと見つめて、目が合うと俯いて、笑って。
――こんなかわいい人だなんて、誰にも知られたくない。むくむくと湧き上がって抑えきれない思い。
そんな風になっちゃう自分も初めてだ。
「吹越さんの恋人さんて、どんな人なんですか~?」
お昼休み、混みあった食堂で座席難民になりかけてた隣の部署の後輩女子を呼んで同席したら席に着くなりそう話しかけられて、すすっていたラーメンにむせそうになる。
「いますよね? コ・イ・ビ・ト! 去年の秋くらいからかなぁ、ふわーってやわらかーいオーラ出まくりですよ」
す、するどい……!
別に隠すつもりもなかったけど、大して親しくもない人に大事な話はしたくない。かと云ってウソもつきたくないから、「――かわいい人だよ」と、本当の気持ちのかけらを一つだけ渡した。それを聞いて彼女はがぜん喰らいついて来たけど、「年は?」「顔は?」なんて質問は全部笑ってノーコメントで通した。そしたら、何だか勝手に年下の恋人持ち認定されてしまっていた。なんでだ。否定するのもしゃくだから、そのまま放置してたんだけど。
「君の恋人はどうやら年下の大学生らしいな」
夜、恋人であり職場では上司の上杉さんがいつものようにちいさな花束とケーキを手にやって来て私に手渡すと、冬の装備一式――コートにジャケットにマフラー、手袋はもう外してた――をハンガーに掛けつつ面白そうにその話を口にした。
「やだなー、もうそんなとこまで話行っちゃったの?」
思わず顰め面してしまう。
ゴシップ好きを公言していた彼女だけど、まさかその日のうちに上杉さんの耳にまで届くだなんて、もちろんいい気がしない。する訳ない。
着替えを終えてこちらへ近づいてきた上杉さんは、定位置である私の斜め横ではなく真横にしゃがんで、ぎゅっと寄せたままでいた眉間のシワと、むうっととんがらせた唇を、人差し指でやさしく撫でてくれた。それだけで、かけられてたのろいが無効になったみたいにイライラが払しょくされる。単純でしょ。きっかけはなんでも、上杉さんに触れてもらうの、すごく嬉しいし好き。
うちに置いてあるニットカーディガンをYシャツの上に着込んだ上杉さん。ブラウンとグレーとグリーンとごった煮にしたような落ち着いた色のそれはとっても触りごこちがよくって、だからきっとこんなにくっつきたいと思っちゃうんだと言い訳しつつ頬を寄せた。髪を撫でられる。猫みたいに。
「かわいい人なんだって?」
「そうらしいですよ」
私を抱き締めてくれてるのは、どう見てもかわいいじゃなくダンディーな殿方だけどね。
「噂ではいちずな男らしい」
「ええ、私のこと大好きすぎて困っちゃいますよ」
二人して澄ました口調でやりとりしてたけど、大真面目に「それは事実だから否定しない」と云われちゃったら、なんか急に顔から上だけがやたらと熱くなるじゃんか。そっぽ向いてごまかしたくても抱き込まれてたらそれは難しい。上杉さんの胸板に頭のてっぺんを擦りつけるようにして俯いてもすぐに顎を掬われて、「年下の大学生じゃないって事だけは、否定しておいて」とキスされた。
「別にいいじゃないですか」
「よくない」
「ほっとけば噂なんてすぐ消えるんだし」
「待てない」
「――私のかわいい恋人さんは、こんなに聞き分けのない人だったっけなあ」
付き合う前は、面白いくらいに誤解してくれた意地悪な云い方にもこの人はもうすっかり慣れてしまって、動じてもらえなくなっちゃったのはちょっと悔しい。
「しかたないだろ、恋してしまったら大人の男でも我慢出来ない事だってあるさ」
抗議するように、軽く噛まれた耳たぶ。すぐになめて、唇を付けて、吸って。消毒するように。深夜に交わす行為の、その代わりのように。
「こんな俺は嫌いかい?」
囁かれると、薄く煙草が香る。控えめに纏った香水とともに、上杉さんを構成するものの一つ。
まったく、答えなんか分かってるくせにこうやって聞いてくるんだから。恥ずかしがったら余計に喜ばせるだけだから、平気なふりして言い切る。
「そんな訳ないでしょ。どの上杉さんも好きですよ」
出木杉さんも、ゲーム出来なさ杉さんも。と付け加えたら「どうせ俺はゲームの才能がないよ……」と私の肩におでこをつけて落ち込んでしまった。あなたのマリオ、よく何もないとこでぴょこぴょこジャンプしてるもんね。
思い出して小さく笑ってたら抱き込まれてるから当然気付かれて、かわいい恋人さんは面白くなさそう。なんかフォローでもいれようかと思っていたけど「情けないから、もうそれ以上は云わないで」と深いキスを与えられて、無駄口は長く塞がれた。
職場恋愛のいいところ。いつでも好きな人の姿が見られること。
職場恋愛の悪いところ。いつでも好きな人に姿を見られてしまうこと。
私は今日、この二つをブレンドしたお茶の複雑な風味を、味わっている。
たまにある、ミスが重なってしまう日。悪意があった訳じゃなく、『たまたま』と『うっかり』と『運の悪さ』が重なってしまった――なんて、言い訳にしかすぎないね。
手間のかかる書類の作成に取り掛かっているからって、それだけに集中出来る訳じゃない。
月初の月曜のせいもあって、いつも以上にかかってくる電話を取り次いだり、緊急のものに対応したり。頭の中で優先順位を絶えず更新しながら、嵐のような時間を何とか皆で切り抜けて、やっと本来の仕事に取り掛かれる、と思ったら今度は後輩から「書類のチェックをお願いします」と頼まれた。焦りつつも「はーい」とわざとのんきに声を出す。きりきりしている時の気持ちのままで声を出すと余計にあせる性質なのだ。
最優先で目を通して「オッケーです」と書類を渡すと、後輩は課長席にそれを持っていった。本来なら係長からスタートする承認印ラリーだけど、係長は今週いっぱい出張だったから。
そんな訳で後輩は課長へ直接書類を渡して、――すぐに戻ってきた。
「吹越さん、課長がお呼びなんですけど……」
その一言で、自分がなんかしでかしたって、分かった。
ものすごく単純で、それでいて絶大なミス。――発注数のゼロの数が、多かった。
しっかり者の後輩がそんなへまを今更する筈ない、っていう思い込みがチェックする自分の目を曇らせてた。忙しさから若干焦ってもいたし、おまけに体調も今一つ。だからって見落としていい理由になんかならない。ミスはミスだ。
そんな諸々を飲み込んで「すみませんでした」と上杉課長へ頭を下げると「気にしないように、とは言い難いなこれは」と予想通りの厳しめの言葉を後輩と二人で頂戴した。
「――はい」
チャンネルは切り替えてあるから、『好きな人にこんな情けないとこを見られてしまって泣きたい』気持ちは、心の分厚い防火扉の向こう側だ。
でも、体調の悪さはメンタルの波を大きく揺さぶる。
上杉課長はヒステリックに怒ったりしない。淡々と優しい口調で諭されるのは、怒鳴られるよりかえって辛い。
「今回はたまたま僕が気付いたから良かったけど、二人して見逃してたらダブルチェックの意味がないよ。間違っている事を前提にチェックして。僕からはそれだけ。席に戻りなさい」
「はい」
後輩と二人して「先輩、すみませんでした」「いや、ちゃんとチェック出来なくてごめんね」って謝り合いながらとぼとぼと席に戻ると、ちょうど三時休憩の時間だった。
気落ちすると、足まで重たくなるのはなんでなんだろう。
そう思いながら、同じ部署の人に会いたくなくて、すこし遠い自販機まで行く。
何か飲もう。そう思うけど、何を飲みたいのかが自分でも分からない。そのまま、自販機スペースの片隅に置かれた古びたソファのはじっこに座った。
ミスをすることはある。それはもう、しょっちゅう。でも自分のやらかしがちなことややらかしがちなタイミングは分かってるつもりだったから、上司まで回る手前で気付けてた。
――ゼロの数間違って気付かないだなんて、何年ぶりだろ。
見抜けなくて、何のためのダブルチェックだろ。
自分が情けなくて、心の防護扉がうっかり緩みそうになる。でも、泣くのは家に帰ってから。
そう繰り返してなんとか堪えていると。
「お疲れ様」
――見覚えのある大きい手が、私の目の前にあたたかいカフェラテの入った紙コップを差し出した。
「――なんでこんなところにいるんですか」
受け取りながら八つ当たりみたいな言葉を繰り出すと、その人は苦笑して「恋人を慰めに来たんだよ」と返す。
「今は仕事中ですよ上杉課長」
「休憩中だからいいんだ」
そう答えると、私の横に腰かける。少し離れて上司部下の距離を取ろうとしてもすぐに間合いを詰められてしまう。
「鬼上司にコテンパンにされたね」
「自分が悪かったから仕方ないです。鬼じゃないし」
「でも、体調も今一つだろ?」
「――よく、見てますね」
「職権乱用かな」
そう云いつつ触れようとしてくる手を避ける。
「せっかく頑張ってこらえてるんだから、優しくするのやめてください」
既に滲み始めている声で抗議すると、力を込めすぎて関節のとこが白くなっちゃってる握り拳に上杉さんの大きな手が一瞬ふわりと覆いかぶさって、ぎゅってして、そして離れて行った。潤んだ目のまま左を見ると、しれっとしたままの上杉さんが「思い切り泣かせてやりたいし、皆に俺たちの事を見せつけたい気持ちもあるけどね」と立ち上がる。そうやって思いきりプライベートモードだったくせに、こちらを見る顔は、もう上司のものだった。
「君の泣き顔を他の連中に見せたくないから、ここは僕も聞き分けよく我慢しておくよ」
「何、それ」
そのらしくない物云いに、ようやく少しだけ笑えた。
我慢、だって。
私と同じに、恋人への独占欲、あるんだ。そんな風に思ってもらえてるんだ、私。
甘い飲み物と言葉を手渡してさっさと離れて行った上杉課長の後ろ姿を見つめる。
泣きたい気持ちの成分が、『情けない』から『嬉しい』に変わったけど、でもまだ仕事中なので、やっぱりそれはこらえた。
その後は、案外静かな心持ちで仕事を出来た。ようやく電話も落ち着いたのでやりたかった仕事もクリアしてから、体調と相談していつもより少し早目に仕事を上がる。
浮上したとはいえまだどこか上がり切らない気持ちは、帰宅の足を鈍らせた。食べるものも決まらないままアパートに帰って、着替えをしてからもただ缶ビールだけを飲んでだらだらしていると。
こんこん、とノック。それから、合い鍵を使って入ってきたのは、もちろん私の恋人だ。
「こんばんは」
「――こんばんは。今日、来るって約束してましたっけ」
「いや。連絡もしてない。突然来てしまってごめん」
「いえそれは構いませんけど」
むしろ嬉しいけど。だるだるなかっこ――モコモコした素材のルームウェア上下にくたくたのパーカーを羽織ってるしお部屋も若干整ってないけど、それは今更って感じだし。
上杉さんは手に持っていた包みを全部ローテーブルの上に置いて、端から開けていく。そして。
「君の好きなデリでオマールエビのビスクとクラムチャウダーと塩パン買ってきたよ」
「それからアップルパイ」
「こっちはプリン」
と次々に好物を繰り出してくる。食べ物の他にも、ちいさな花束や、ストールや、色々。
「なんですか、このプレゼント祭りは」
この間のバレンタインにも上等なショコラティエのチョコの詰め合わせ三段ボックスと赤ワインをいただいたばっかりだって云うのに。その上、ホワイトデーにはご飯に連れて行ってもらう約束もしてあるのに。
「鬼上司な俺からのお詫び」
「――だって、叱られて当然でしょ、あんなの」
体育座りの膝に俯いた顔を埋めると、頭を優しく撫でられた。
「見過ごしたのはいけないことだけれど、そもそものミスをしたのは他の子だったし、注意するにしても君にはあそこまで云う必要はなかった。分かってたけど俺の立場上二人に差をつけて注意は出来なかったから、ごめん」
「――上杉さん甘すぎ」
「君はもっと甘えて。俺がいないと駄目になればいい」
そんなこと云って。後で困っても知らないんだからね。
って思いながら、自分から抱きついた。上杉さんの匂いに包まれる。落ち着く匂い。昂ぶる匂い。
「とっくに駄目です」
「もっと。骨抜きにしたい」
「欲張り」
「そうだよ、知らなかった?」
いつだってこの人は私を欲してくれる。
情熱的に求めてくれる。少年みたいに見つめてくれる。
こんな人、誰にも渡したくないの。
優しいキスをたくさんたくさん交わした。軽くて甘い。上杉さんからもらったチョコレートみたいにするりと溶けて、もっと欲しくなっちゃう。
いつまでもきりがない欲張りな唇をこちらから離せば、おや? って顔された。まだ満足してないのはお見通しなんでしょうけど、そうやって挑発しないでいただきたい。のせられてまんまと挑んでしまいたくなる。
それを理性で抑え込んで、「今日こんなに贅沢させてもらったから、ホワイトデーにご馳走してもらうのナシにしません?」と提案した。上杉さんが年上だとしてもこんなペースで出費させるのなんて気が引ける。そもそも上杉さんからもバレンタインにチョコをもらっているんだし。
でもきっとこの人は私の申し出をすんなり了承せずエレガントにごねるだろうなと思っていたら、案の定「じゃあ食事はまた今度にするとして、何かリクエストはないの?」と食事の約束は順延にされた上、新たに何かねだれと要求された。
「あのですね、それじゃ私がご飯を辞退した意味なくないですか」
「どうだろうね」
しれっと云われてしまって、却下は許されないと示される。上杉さん、こうなると引かないんだよねぇ絶対。
狭い室内のどこかにヒントはないかと目で探す。なんかないかな。――あ。
とびっきりのリクエスト、あった。でも、食事よりもうんと高望みで、『いいよ』って云ってもらえるかどうかは分からないもの。
いつもなら云わない。云えない。でも今日はほろ酔いで、その上甘やかされてたから。
おずおずと見上げると、すぐに「なに? 決まった?」と聞かれた。
「……手、貸してください」
利き手を出されたので「そっちじゃない方」と云って、左手を催促する。素直に差し出されたおっきい手を下からそっと支えた。
そして、プレゼント祭りの中の一つ、何か個包装のお菓子を包むのに使われていた赤くて細いリボンを、彼の薬指に巻きつけて、ちょうちょ結びにする。出来上がった不格好なそれを、ぽんと手でタッチして、そのまま包んだ。ほどけないように。飛んで行ってしまわないように。
「……私が欲しいの、上杉さんです」
「俺?」
心底意外そうに云われた。
「はい。上杉さんを、私にください」
声が震える。二人が思いを初めて伝えあった日のように、無理して平気なふりを、今はもうこの人相手にうまくは出来ない。だから、ぶざまに揺れる声。
優しい顔で拒否されるかもしれない。俺はうんと年上だから、とか、ここまで一人で気楽に生きてきたから、今更誰かと暮らすなんて無理だ、とか。
「知ってると思うけど」
「……なんでしょう」
「俺はうんと年上だし、ここまで一人で生きてきたから」
ああ、駄目か。心が、しゅんとしぼむ。
「もしプロポーズしても『年上過ぎです』って断られるかもしれないって、ずっと尻込みしてた。君と付き合い始めてから、ずっと」
「――――え?」
なんか、予想と違うこと云われてるぞ私。
「もう一回云うけど、若い頃ならいざ知らず、ここまで一人身が続いてたから俺はもう自分が結婚出来るなんて思ってもいなかったんだ」
「はあ」
「でも、こんなものを用意してしまう程度には、君相手にそれを夢見てしまってた」
そう云って、奇術のように取り出された、小箱。開けた中からはバネ仕掛けのおもちゃではなく、本来それに入っているにふさわしい、うつくしい環があらわれた。
――え。なんで。
だって、結婚願望なんて一度だって口にしたことなかったじゃない。だからてっきり、興味ないんだと。
ぽかんと口を開けてた私に、「そんなに驚かなくても」と彼は恥ずかしそうな顔をした。
「だって、……全然そんなそぶり……」
いつだって余裕で。
甘えてくれるしかわいいところを見せてくれるけど、私にとってはひたすら大人な人で。付き合う前の、私の前に好きだった人に振られて弱っていた姿を知ってるだけに、余裕顔しか見せてもらえないのはけっこう寂しかった。
「……駄目だった時の事を思うとダメージがでかすぎて、なかなか言い出せなくて」
「……ばか」
自分より年上で上司でなおかつ出木杉な人に向かって何たる暴言。でも上杉さんは「うん」と笑う。
「君が会社でにこにこしてると俺以外に愛想振りまかないで欲しいって喉まで出掛るし、君の周りの若い男連中にいつかっ攫われちゃうんだろうと思うと夜も眠れないし、行きつけのあのバーで津田君に愚痴ってたら『そんなのさっさと繋いじゃうに限りますよ』って左手の指環見せられてのろけられるし、まいったよ」
「――何をやってるんですか」
「ほんと、何やってるんだろうね」
苦笑する上杉さんの頬に手を添えて、私からキスした。
「私だって、負けないくらい上杉さんを思ってますからね」
「じゃあ俺はこれからの人生も、君に負けないくらい君の事を愛し抜くよ」
「――お手柔らかにお願いします」
「こちらこそ。テレビのチャンネルを君に聞かないで勝手に変えても、あんまり強く怒らないでくれよ」
「それは断固抗議しますけど」
「打たれ弱いので、どうかお手柔らかに」
人生の伴侶として互いを選んだ夜だっていうのに、なんでしょうこの会話。笑っちゃうね。
でもまあこれで私は一生ゲームの対戦相手に困らないことが決定した訳だ(しかも一方的に勝ち続ける)。だから、あなたに普段は封印させてる出木杉なキラースマイルも、今この時ばかりは甘んじて受け止めてあげますよ。――やっぱり破壊力は相変わらず絶大で、平気なふりして心臓がすごいことになってるけどね。
上杉課長ほんのちょこっと登場→ https://ncode.syosetu.com/n0063cq/35/




