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魔法-夜と剣-  作者: ぴーちぷりん(せす)
夜明け編
36/38

2話:心の夜明け

「モミジぃい!」

俺は、廃墟と化した街中で、愛しき人の名を叫んだ。

「ヒノキくん!」

すぐに返事があった。

「来て、くれたんだね」

俺の愛しい彼女は、飛び込んできた。

「会いたかったぜ、モミジ」

「私も」


 ようやく合流した俺とモミジ。やっと会えた感動で抱き合っていたが、すぐに悪寒がした。背後、俺の背後に何かが来た。俺は、モミジごと、その何かを避ける。

「ほう、よく避けたな。この世界に、アレを感知できるほどの者が残っていたとは」

男の声。コイツが、《終焉》。

「我は《焉》。この世界を《終焉》に導くもの」

そういって、再び、何かを放ってくる。咄嗟に、《聖劔―明剱》を(利き手は、モミジを抱いているため、逆側の空いた手で握るから)抜いた。

「明けろ」

何かを弾く。

「ほう、それは、神具……ではないな」


 俺は、起き上がり、モミジを立たせる。

「大丈夫か」

「うん」

極度の緊張空間の中、俺は、さほど緊張していなかった。張り詰めた空気が、ちりちりと痛む。

「テメェ、《焉》って言ったか。俺の彼女を散々痛めつけてくれやがって、覚悟しろよ」

「ヒノキくん、ダメだよ。こいつは、強いの。《輪廻》で私を連れて……」

「大丈夫だ」

そう、モミジは、俺の力をまだ知らない。正確には、俺も知らない。感じる。《聖劔―明剱》と《魔劔―夜剱》。二刀の力が呼応する。そう、俺の魔法は、夜じゃない。


――心に朝日(モミジ)が差し込む。そう、心の夜は、《明けた》。


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