表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法-夜と剣-  作者: ぴーちぷりん(せす)
モミジ編
30/38

4話:朱野宮椛

 翌朝、俺は、昨日の言葉の意味を知った。


 教室がざわついている。

「ヒノキ、おはよ。編入生が来るんだって」

編入生……?この時期に?

「どんな子だと思う?四之宮くん」

「ボクは、一般の男子だと予想したんだけど、ヒノキの意見は?」

御影も時雨さんも俺に意見を聞いてくる。

「わからん」

俺は、その一言で話を終わらせた。しかし、俺は、知っていたのだ。いや、知っていたけど知らなかったのだ。その編入生を。


 編入生が、教室に入ってきたそのときに、ざわつきは消え、静寂に変わる。


 あまりの綺麗さに、誰もが、息をするのも忘れる。太陽の光に反射して、煌びやかに、赤っぽい髪がなびく。桃色や朱色、緋色、茜色、赤色など、様々な色がグラデーションのように見える。


 その黄金に輝く、太陽のような目に、誰もが吸い込まれるのではないかと思う。そして、見入る。見とれる。


 大きな目を彩るような二重の瞼に、すっと通った鼻。ほんのり赤く染まった頬は、可愛さを引き立てる。小さい口の周りを飾る唇は、健康的なピンク。


 体型は、子供っぽく、胸はそこまでないものの、それが、幼さと可愛さを引き立てる役割を担っている。身長も同じで、俺よりも頭一つ分小さいが、それが幼さと可愛さを引き立てる。


 纏っている白を基調とした、うちの学校の制服が髪の赤を、より一層目立たたせている。


 そして、彼女が黒板に名前を記す。


――朱野宮 椛(あけのみや もみじ)


 そう、彼女の名前。編入生は、モミジだったのだ。


 明日を楽しみに、と言うのは、このことだったのだろう。モミジが入ってきてから数秒が経過したにも関わらず、誰も何もしない。いや、出来ない。


 モミジが、口を開く。

「朱野宮モミジと言います。よろしくお願いします」


 まだ、時は動かない。鈴の音のように高く、綺麗で透き通った声。彼女の声は、耳から入り、心の奥底まで浸透するような、そんな感じがする。そして、彼女の声が、凍りついた時を溶かしたように、一気に歓声が沸きあがる。


 そして、そんな中で、モミジは俺の方を向く。そして、にっこりと、天使の微笑みを向ける。俺も笑い返す。

「二時間ぶりだね♪ヒノキくん」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ