表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法-夜と剣-  作者: ぴーちぷりん(せす)
モミジ編
27/38

1話:理由

 この日、体育の授業があった。内容は、短距離走。数回記録をとれば、後は自由行動だった。俺は、生涯、この体育の授業を忘れることがないだろう。


 タイムを録り終えた俺は、ちょっと無理をし過ぎたせいか、木陰で休むことにした。


そこで見てしまったのだ。偶然にも。汗をかいていたせいで、肌にピトリと張り付いた体操服。それのせいで顕わになった真の姿。

「えっ……?」

思わず声が出た。女ではないかと散々疑っておいてなんだが、実際に女だとは思わなかった。


 そう、木陰にいた先客は、風見御影。女の子っぽい男の子と思いきや、やはり女の子だった。


 御影と目が合う。御影は、まだ、体操服のことに気づいていないようだ。しかし、いつまでもそのままにしていたら、他のやつにもばれる。それだけは避けたほうがいいだろう。

「み、御影。お前、それ……」

少々わざとらしい演技をして、自分の今のようすを気づかせる。

「……っ!」

御影は驚愕の表情をする。そこに、クラスメイトが寄ってくる。

「おう、ヒノキ。それと御影。一緒にサッカーやらないか。蹴球」

何故わざわざ、蹴球と言いなおしたのかはわからないが、御影の体には、スルー。間違いない。気づいていない。

「い、いや、俺はパス」

「わた、……僕もパス」

クラスメイトはとっととどこかに行ってしまった。

「やっぱり、魔法は働いているわ、よね?」

珍しく女口調で、疑問を口にする。

「い、いや、俺も一応魔法使いの端くれだし」

直視しないように、視線をそらしながら、答える。

「ま、魔法使い、だったの?」

信じられないと言うように、手を口に当てる。

「艶魔さんが魔法使いである予想は、していたのだけど。まさか、ヒノキまで」

「時雨さんも、古流の魔法使いだぞ」

一応、追加情報を与える。

「えっ、じゃあ、うちのクラスには、魔法使いが四人もいるの?」

「そういうことになるな」

珍しい女口調の御影にどぎまぎしながら、会話を続ける。

「そんな驚くことか?」

「驚くわよ。ただでさえ減少してる魔法使いがクラスに四人もいるなんて」

まあ、それはそうだろう。しかし、俺は、それよりも気になることがあった。

「それで、お前は、何で男装してたんだ?」


 閑話休題、男装とは、女が男に化ける際に使う。逆に男が女に化けるのなら女装。男の娘なんていう言い方もする。と言うのは瑠璃さんが言っていたこと。


 さて、何故、御影が男装なんてしていたかだが、それに関して、本人の口から語られたことを、そのまま記すと、限りなく、「ええと」や「ち、違うの」や「べ、別にしたくてしてたわけじゃ」などという言葉が限りなく繰り返される。そのため、簡潔に書かせてもらう。


 母親の趣味!


 以上が、御影の男装していた理由だ。ちなみに、そのほかにも、母のちょっとした言い訳として、常に魔法をコントロールするのは修行になるというのもある。しかし、話を聞く限り、母親の趣味としかいえない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ