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魔法-夜と剣-  作者: ぴーちぷりん(せす)
モミジ編
26/38

0話:プロローグ

 眩しい。朝だろうか。俺は、目を細める。目の前に人影が現れた。瑠璃さん?

「あら?貴方は、誰?」

聞いたことのない声。鈴の音のように高く、綺麗で透き通った声。眩しさに目が慣れ、目を開く。そこにいたのは、人とは思えないほどに美しい少女。長い髪は、桃色から茜色、様々な赤色がグラデーションのようになっている。光の当たり方で、反射して、色が変わって見えるのだろう。

「お、俺は、四之宮ヒノキ」

「篠宮?ううん、四之宮かな」

いろいろと漢字を浮かべて考えていたのだろう。結局、どの漢字に落ち着いたかは俺にはわからない。

「私は、モミジ」

モミジと名乗る少女は、俺に言った。

「今日は、もう、終わりみたい。でも、また会えるかもね」


 朝の日差しとけたたましい目覚まし時計の音によって、俺は叩き起こされた。

「夢……?」

リアルな夢だった。モミジという少女。今でも顔をはっきり思い出せる。金色に輝く、太陽のような目と、炎のような髪色。綺麗な少女だった。……あれ?こんな綺麗な子が夢に出てくるなんて、もしかして、俺って欲求不満?それにしても、本当に綺麗な子だった。本当に。何度も繰り返すようで悪いが、本当に綺麗な子だったのだ。俺の周りには自慢じゃないが、綺麗な子が多いと思う。でも、それに勝っているのだ。勝るとも劣らないではなく、勝っている。瑠璃さんよりも、美希よりも、時雨さんよりも、御影よりも。……待て、御影は男じゃないか。なんで、御影の名前が出てきたんだ、俺!おかしいだろ。よく考えろ、幾ら女々しくても、男だ。いや、女じゃないかと疑っているが男だ。ん、待てよ、女だと言う可能性もあると言うことか。いや、男だって。……このことを考えるのは止めよう。同じところをぐるぐる回りそうな気がする。


 しかし、あのモミジという子は本当に可愛かった。しつこいようだが、可愛かったのだ。それはもう可愛かったのだ。


 天月での鬼封印解除事件から一週間が過ぎた。俺の手元には、《聖劔―明剱》と《魔劔―夜剱》の二刀がそろっている。瑠璃さんにもまだ、明剱のことは言っていないのだが、言ったほうがいいのだろうか。とりあえず、置いておこう。必要になったら話せばいいや。


 学校に着く。学校では、いつも通りの光景が繰り広げられている。時雨さんと美希のお喋りがいつしか争論に発展、そして、言い争いを御影が止める。なんというか、カオス!

「ああ、やっと来たんだ、ヒノキ」

御影が俺を見て声をかけてくる。

「まあな」

俺は、今朝の夢のせいでいつもよりも遅めの登校となった。

「君もこの論争をどうにかしてくれないか」

あきれたような御影は、俺に、この二人を止めてくれと言う。だが、俺の答えは決まっている。

「無理」


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