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魔法-夜と剣-  作者: ぴーちぷりん(せす)
天月家《聖剱》
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4話:明ける力

 山が崩れそうな勢いで、鳴る地響き。気づけば地面が揺れている。地震。違う。これは、鬼の歩く足音とその振動だ。歩くごとに、地面が揺れる。それほどに重い。

「な、何だ」

神主の慌てふためく声。時雨さんは、驚愕のあまり声が出ないようだ。口をパクパクと動かしている。俺は、即座に呪文を唱える。

「夕闇に抱かれた、幻想よ…。我が手に夜の剣を。


暗闇に沈み込んだ、孤高よ…。我が手に魔の剣を。


漆黒に彩られた、剣光よ…。我が手に真の剣を。


《魔劔―夜剱》」

本来は、魔力不足で、真の力を表せない夜剱だが、今は、型があることで、魔力消費が大幅に抑えられ、発動が出来るようになっている。そして顕現した黒く禍々しい、それでいて神秘的な剱を構える。


 山を掻き分けるように現れたのは、巨大な人影。鬼、と言われれば、まさしくその通りとしかいえない。

「ぐぉおお」

もう人語とは思えない唸りを上げる。上空には、分厚い雲が集まり、日光すら通さない。もう、夜のような暗さ。先ほどまで、電気の付いていなかった家屋に電気が灯り始める。山の途中にあるここから見ると、あちこちで電気がついていて、まさしく夜景。

「ちっ、一応、俺もコイツの血を引いてんだよな」

そんなことをぼやきながら、落としそうになった、聖剱《明剱》を持ち直す。そして、明剱を解放してやることにした。

「夜明けに抱かれた、幻想よ…。我が手に明けの剣を。


光幻に浮かび上がりし、絆よ…。我が手に聖の剣を。


白群に彩られた、剣光よ…。我が手に真の剱を。


《聖劔―明剱》」

コイツを解放するのに魔力は要らなかった。今まで祀られていた間に溜まった膨大な魔力を使ったのだ。


 輝かしい光に包まれた明剱が勝手に雲を晴らす。これが、明ける力。


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