間話:記憶と《常盤》
《漆黒》の瞳が、《常盤》に移り変わった。
俺の中に、あの人の姿が、再び、浮かび上がる。黒いフードを被り、《漆黒》の瞳と《朱色》の髪が、フードの隙間から見えていた。《朱色》の長めの髪はフードの端から垂れ落ちるように出ていた。そして、再生される声。男とも、女とも言えない透き通る透明な声。
声が再生されるたび、胸の奥、記憶の奥の奥。そう言った、自分の奥のどこかに、懐かしいと言う感覚がある。それは、きっと、何かがあった。その確信にいたるものがない。ありえないことに、俺の記憶には全く無いのだ。何かがあったのに、何も無い。それが分からない。
問題は、《白群》色の魔法陣だ。何の魔法かも分からない。それが分かれば、少しは、正体が分かるかも、と思ったんだが、今一分からない。色を属性に当てはめれば、《光》や《水》に近いのだが、色は、当てはまらない例外が存在する。《究極特異》である《創世》は《純白》だし、《終焉》は《漆黒》であるらしい。このようなことを考えると、《白群》は、《究極特異》の魔法の魔法陣なのかもしれない。しかし、《究極特異》となると、正体は俄然分からなくなる。
《究極特異》は、現在判明している数が少ない。大体が、家で、門外不出の魔法になるからだ。なので、分かっているのが、《終焉》、《創世》、《輪廻》、《白炎》、《混沌》、《銀十字》だけなのだ。《終焉》、《創世》、《輪廻》は、前に説明したため省くが、他について説明しよう。
まずは、《白炎》だが、その名の通り、白い炎の魔法だ。能力は、自己の再生、大規模な火炎などの、自らを守る魔法と攻撃の魔法を持つものだ。魔法陣は《桃色》らしい。
次に、《混沌》。能力は、全てを落す、暗黒の魔法、と言われているが、詳細は不明。
最後が、《銀十字》。能力は、銀十字の剣を創る魔法だ。俺の《夜剱》の元になった魔と言っても、過言ではない。魔法陣は《銀》。
合計、六個しか、明らかになっていないのが、《究極特異》なのだ。《白群》は、やはり《究極特異》なのだろうか。
そして、意識が戻る。
《常盤》は再び《漆黒》の瞳に戻る。




