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勇者はマモリたい  作者: 覧都
第1部

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第九十二話 燃える街

「弓たーーい! かまえーー!!」


 アッガーノ王国日本国攻略軍第一旅団の映像が八州テレビの画面に映し出されています。

 規制線を越えて、動きを止めた旅団が部隊を展開し、弓隊の隊長が声をあげました。

 目の前の道路に普通の日常を送る自動車が沢山走っています。


 王国軍は報道には寛大で、テレビクルーの同行だけではなく動画配信者の同行も許しているようです。

 おかげで僕達は、王国軍の様子が幸魂女学園の軽音部の部室で何の苦労もしないで見る事ができます。


「既に我々は、日本国に宣戦を布告し、行軍先にいる者はすべて日本国軍と判断すると伝えている。弓隊、行動している者を全て日本軍と判断し排除せよ」


 旅団長が、八州テレビのカメラを意識しながら弓隊の隊長に向って言いました。


「目標、動くものすべてだーーーー!! うてぇーーーー!!!!」


 矢が一斉に放たれました。

 矢は道路を走る自動車と歩行者、自転車やバイク、それだけではなくコンビニの中の客や店員、ビルで働く人、目に付く人々に手当たり次第飛んで行きました。


「うわあああああああぁぁぁーーーーーーーー!!!!!!」

「きゃあああああああぁぁぁーーーーーーーー!!!!!!」


 あちこちの建物から悲鳴が聞こえます。

 自動車は火を噴き建物に突っ込んだり、正面衝突したりしています。

 炎上した自動車が突っ込んだ建物が燃えて火事になり、建物からさらなる悲鳴が上がりました。

 一瞬で街が戦場に変りました。


 八州テレビの映像は矢が飛ぶ瞬間からフィルターが入り、もやがかかったような映像になっています。


「助けてーーっ!!」

「助けてーーっ!!」


 自動車が何台も突っ込んだ建物が、一瞬で大炎上し建物の窓から身を乗り出した人達の悲壮な叫び声が聞こえます。

 その悲鳴を上げる人々までもが、次々矢の餌食になりました。


「よし、おおよそ沈黙したな。このまま展開したまま進むぞ。日本軍は発見次第攻撃せよ、いいな」


「はっ!!」


 団長は旅団を進めるようです。

 被害がどんどん広がるようですね。


 燃える街や車を見て、驚いた車がユーターンをしますが、その多くが矢の餌食になり犠牲者が増えていきます。

 道路脇の建物が次々延焼します。

 黒い煙が空に何本も伸びていきます。


「ご、ご覧ください。東京の街が戦場になっています。今からでも遅くありません。煙が窓から見える方は、逃げてください。国会議事堂から離れる方向に逃げてください!! これは、現実です!! 逃げてくださーーい!!」


 八州テレビのレポーターがたまらずカメラに向って言いました。

 その目には涙が一杯たまっています。


「おいっ!!」


 旅団長がレポーターに言いました。


「ひっ!!」


 レポーターは、悲鳴を上げました。

 全身がガタガタ大きく震え、歯がカチカチ鳴っています。

 シャーという音と、ビチャビチャと液体が道路に落ちる音が聞こえます。


「おまえ達もだ!!」


「はっ、はいーーっ!!」


 動画配信者達も恐れおののき返事をしました。


「しっかり撮ってアッガーノ王国軍の恐ろしさを伝えよ!!」


「はっ、はいーーっ!!」


 この光景が世界中の大都市で起っているのです。






「…………」


 幸魂女学園の軽音部の部室は静まり返っています。


「マモリちゃんや、ついに始まったのう。しかも、第二旅団は北に向っておるようじゃ」


 静寂を破って、信作じいさんが地図を机に置いて僕を手招きします。


「はい」


「ここが、国会議事堂じゃ。そして、ここが幸魂女学園じゃ。どの位でここまで来るかのう?」


 僕は地図に視線を落とします。

 予想以上に近い。


「この調子なら、今日中には来ないでしょう」


「ふふふっ。と、いうことは明日には来ると」


「はい」


「ふーーむ」


 信作じいさん、いいえ、地球防衛義勇軍長官が、腕を組んでうなって黙り込みました。


「あのー、長官! 幸魂市を東京から逃げてくる人の、オアシスにして守ってあげましょう」


「なんじゃと!?」


「幸魂市は幸いなことに川に囲まれています。橋を三本だけ残して落としてしまえば、進入路は三箇所にしぼれます。ここに三部隊を置き守れば、王国軍の旅団程度なら跳ね返せます」


「なっ、なんじゃと!! マモリちゃん、あんたはいったい何者なのじゃ?」


「た、たいしたことはありませんよ。昔、アッガーノ王国軍の一軍の指揮をしていたことがある程度の者です」


「ふむ」


「あの、ここで話すより、ガンネスファミリーで話す方が良いですね。ついでに、ダニーとズラーも呼んで来ます。少しお付き合い頂けますか」


「もちろんじゃとも」


「皆はどうしますか?」


 僕は部室の皆の顔を見た。


「もちろん行きます」


 ユウキを筆頭に全員が真剣な顔をしてうなずいています。






「お待たせしました」


 僕が、安土山からダニーとズラーを連れてくると、クートがホットミルクを持って来てくれました。僕の大好物です。


「お疲れ様です。どうぞ」


 ミルクのいい香りがする。

 思わずそれを一口、口に含んだ。うまい。

 とても甘くて、少しぬるくしてある。

 きっと、僕がやけどしないようにクートが冷ましてくれていたようです。


「ガンネス、ここはすごいね」


 ガンネスファミリーの巨大倉庫の事務所は作戦司令室のようになっている。

 沢山のパソコンと、巨大パネルのテレビが各局の映像を映している。

 幸魂女学園の部室の規模を大きくしたようになっている。

 その中央に、会議用の机が用意されている。


「ははっ」


 ガンネスは僕に深々と頭を下げてくれました。


「マモリ様の言うとおりになってしまった」


 ファルコンが暗い顔をして言いました。


「大損をしましたか?」


「ふふふ、いいえ。マモリ様から教えてもらっていましたから。金銭的には大もうけです。ただ、世界中の軍隊がまるで歯が立たない。このままでは、世界中が占領されてしまう。しまいには核兵器が使用されてしまうぞ」


「がはは、ファルコンは顔に似合わず小心者で困る。ここにはマモリ様がいるではないか。心配などはいらぬわ」


 ガンネスが、不安そうにするファルコンを笑い飛ばした。


「じゃあ、そろそろ、始めましょうか」


 僕は、そう言って長官の横のイスに座ります。

 カチャカチャと、机の端の女性がパソコンのキーボードを叩きました。

 会議室の正面の大きなパネルに、国会議事堂から幸魂市までの地図が映し出されました。

最後までお読み頂きありがとうございます。


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