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勇者はマモリたい  作者: 覧都
第1部

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第八十五話 不気味な笑い

 僕達が戻ると幸魂女学園の軽音部の部室では、テレビのセッティングをノブコのお爺さん、信作じいさんがやっている最中だった。

 分配器というのをつけて、アンテナからの信号を分けてテレビを視聴出来る様に配線をしている。

 既に二つのテレビが地上波映像を映し出しているけど、侵略を受けているというような特番はやっていなかった。


「やだわ。また、得意の偏向放送をしている」


 ノブコのお婆さんの、学園理事長が困った表情をして言った。

 テレビの番組は何の異変も感じさせないように、ごく普通の人畜無害の放送をいつも通りやっている。

 少しだけ流れた生中継もなかったことにされているようだ。

 学園の中は生徒が全員帰されたのか、とても静かになっている。

 部室には、ナナちゃんとチーちゃんの姿もなかった。

 二人は、きっと家に帰ったのでしょう。


「現地に、テレビクルーがおったのじゃから、どこかの放送局が特番をやっていてもよいのじゃが、どこもやっておらん。おおかた事務方が差し止めておるのじゃろうのう」


「見てください!!」


 エイリが興奮気味に言った。

 エイリの見ていたパソコンのモニターには、世界各国の大都市の現在の様子が映し出されている。


「も、もえている!」


 全員が驚きの声を出した。

 時差の関係で、いま夜の国がその空をオレンジ色に染めて、都市のビルが炎上している姿が映し出されていた。

 侵略者、アッガーノ王国軍は世界の大国に同時に宣戦を布告し、大都市に攻撃をしかけたようです。


「これは、ニューヨークか。盛大に燃えておるのう。これでアメリカ軍をあてにはできなくなったのう」


 信作じいさんが一つの映像を見て言った。


「あら!? この、コメントはなんでしょうか?」


 ノブコが、ネットの動画のコメント欄に次々現れるコメントが同じであることに気がついた。

 コメントは「マーシーの幻覚チャンネルを見ろ!!」というものだった。


「おおーーとっ!! デェスちゃんのスカートの中身が丸出しになったーー!!」


 エイリが、マーシーの幻覚チャンネルを映すと、デェスのパンチラ動画が出て来た。


「なっ!!」


 信作じいさんと、理事長が声を出した。

 そして、デェスの顔を見た。


「それじゃないわ、こっちよ」


 ノブコが、別の動画を選択した。


「おおーーとっ!! デェスちゃんと侵略軍の団長の一騎打ちが始まりそうです」


 そこに、デェスと侵略軍の団長が一騎打ちをする映像が映し出された。

 マーシーの絶好調の実況が聞こえてくる。


「すごいですわ! 世界中で見られているのか、閲覧回数が一億回を超えていますわ。デェスさんの活躍が世界中で再生されているみたいですわ」


 エイリが画面に顔を近づけ、目を輝かせて言いました。


「これは,国会議事堂のライブ映像です」


 吉田恭代先生が、国会議事堂の配信映像を見つけたようです。

 国会議事堂の前の道路には規制線がしかれ、数百メートルの立ち入り禁止区域が作られ、その外に自衛隊が集結しているようです。

 国会議事堂の門の前には侵略軍が整列し、司令官が騎馬の上で腕を組んでいます。




「司令官、報告します」


「うむ。なんだ?」


「はっ、日本のテレビはこの模様を放送していないみたいです」


「な、なにぃ? すると日本国民は、戦争状態になっていることをまだ知らないのか?」


「はっ!」


「なるほど、それで避難する都民がいないのか。せっかく避難する時間をやったのに愚かなことだ。おい!」


 司令官は近くにいる、報道クルーに声をかけました。


「は、はい!?」


 数人の放送局のクルーと、この動画の配信者が返事をしたようだ。

 この動画の投稿者も、この場にいて驚いたのか画面がビクンと動いた。


「首相に、自衛隊を集結させる時間をやったが、その時間はイコール都民が避難する時間でもある。今からでも、避難を呼びかけよ。残っている者は、容赦無く敵兵士として慈悲をかけない。自衛隊の戦力を我々は研究し尽くしている。万が一にも我らが負けることはない。自衛隊を倒したら進軍を開始する。意味はわかるな。我らにとってはどうでもいいことだが、せっかくだから避難を呼びかけてやれ。ふふふ」


 司令官が、報道陣を見て悪魔の様な表情でわらった。

 いくつか、ライブ動画を配信している配信者が潜り込んでいるようですが、避難をする人の姿を映している動画はなかった。


「動画をご覧の皆さん、これはフェイクニュースではありません。国会議事堂の付近の皆さんは、すぐに避難してください。直ちに命を守る行動を取ってください!!」


 動画を撮している配信者が鬼気迫る本気のメッセージを叫んだ。

 コメント欄のメッセージが次々大量に投稿されだした


「ひゃあぁーはっはっはーっ!! テロリスト共!! 我が国の自衛隊の防衛準備が整った。いまさら、泣き言は聞かんが、なにか言うことはあるのか。聞いてやるぞ」


 首相が、スピーカーから司令官に話しかけた。


「ふふふ、どれだけの攻撃が出来るのか、日本国の自衛隊の実力とやらを見せてみろ」


 侵略軍の司令官が返事をした。


「ぐぬぬぬ! 防衛大臣! 攻撃命令をせよ!」


 首相の乗る指揮車が下がり、戦車隊が前に進み出た。


「すごいですわ。いつか見た怪獣映画みたいですわ」


 エイリが画面を見つめてゴクリと唾をのんだ。

 美しいエイリの顔に一筋汗がながれた。


「うわあああああああーーーーーーーー!!!!!!」


 司令官の横のテレビクルー達があわてている。


「うろたえるな。戦車の主砲程度では、我らの防御壁はびくともせんよ。他にいるより、ここの方が安全だ。はあぁーはっはっはっ!!」


 司令官は高らかに笑った。

 戦車の主砲が爆音と共に煙を噴き出した。

 司令官の横の配信者の映像は、砲撃が国会議事堂の手前で爆発する様子を映し出している。

 透明の防御壁の外は白い煙で覆われているのですが、国会議事堂の前の侵略軍の隊列のまわりに煙はない。


「弓隊!! 目標敵自衛隊の戦車だ!! 我軍の弓隊の力を見せてやれ!!」


「はっ!!」


 弓隊の隊長が手を上げると、数名の射手が前に出て弓をつがえた。

 矢をつがえる手から青白い光が出る。


「てぇーーっ!!!!」


 矢が放たれると、凄まじい風が起きた。

 テレビレポーターの女性のスカートがバサバサ巻き上がった。

 だが、レポーターの女性達はスカートを押さえることすら忘れて矢の行方を必死でみつめている。


「あっ、ありえん!! 矢ごときが戦車の装甲をぶち破るなど!! ありえん!!」


 首相が叫んでいる。

 自衛隊の戦車が、全て沈黙した。


「くそう!! 戦闘機だ!! 防衛大臣!! 戦闘機で攻撃するんだーー!!」


「はっ!!」


 上空にジェット機が飛んでくる。

 既にこの攻撃を想定していたのかも知れない。

 素早い対応です。


「ふふふっ」


 司令官が不気味に笑っている。

 その顔を配信者は画面一杯にアップで映した。

 ここで地上波放送のテレビ画面に、国会議事堂がテロリストに乗っ取られたとテロップがはいった。

最後までお読み頂きありがとうございます。


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