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勇者はマモリたい  作者: 覧都
第1部

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第七十一話 絶体絶命

 巨大スクリーンにマモリ様がお辞儀をするシーンが映されます。

 顔を上げると、上目遣いでコングを見つめます。

 その表情には緊張、いえ、少しおびえのような表情があります。

 役者ですね。滅茶苦茶可愛いです。


「コングーー!!!! お嬢ちゃんに少し手加減してやれーー!!!!」


 観客席の上のファルコンファミリー専用VIP席の中央で、ふんぞり返っている、かっぷくの良い寒気がするほど恐い顔の派手なスーツの男が、部屋に備え付けのマイクで声をかけました。


「むう! ボスからの言葉か。聞かねばなるまい。おい、嬢ちゃん、一発だけ受けてやる。好きな攻撃をして来い!」


「ふふっ」


 マモリ様は、顔を下に向けてから誰にも見えないようにして少し微笑みました。

 その目がギラギラ青く光っています。

 これは「あなたほどの人でも、人を見た目で判断するのですね。残念です」そう言っているように見えます。


「マモリ様ーー!! 勝ってくださーーい!! 勝ってもらえないとガンネスファミリーは破産でーーす!!!! お願いしますーー! 神様! マモリ様ーー!!」


 コロシアムのスピーカーから声がします。

 観客席の上のガンネスファミリー専用VIP席の中央で、ふんぞり返っている、かっぷくの良い寒気がするほど恐い顔の派手なスーツの男、こうしてみると恐ろしいマフィアの大ボスのような、ガンネスがマイクを手に拝んでいます。

 口調は情けない言い方ですが、目だけはギラギラ輝いて迫力があります。マモリ様が負けるなどとは、少しも考えていないようです。


 審判がいつもの注意事項を言い終わりました。


「はじめーー!!」


 開始のコールです。


「さあ来い!!」


 コングが、仁王立ちで裸の胸をパチンと平手打ちをしました。


「うふふ、まったく。僕のこの姿は、相手を油断させるのに最適という事が良くわかりました。あなたほどの人がコロリと騙されるのですね。この世界は勉強する事ばかりです。では、遠慮無く行かせてもらいますね」


「なにっ?」


 コングが異変に気がつきました。

 でも、時すでに遅しですね。

 油断は禁物です。特に戦いの場において相手の実力がわからないうちは。


「うおおおぉぉぉーーとっ!!!! こ、こっ、これはすごいことがおこりましたーーーーーー!!!!!! コング選手の体にマモリ選手が足を上げてピタリとそえると、押し出すのと同時に回転の力を加えました。コング選手の体が九十六式艦上戦闘機のプロペラのように恐ろしい勢いで回転します。そして後方へ飛んで行きます。こんなことが人の体に起こりえるのでしょうか? ボクシング、プロレス、格闘技には精通しているつもりでしたが初めてみました。信じられない光景です!! 驚きの光景です!!!!」


 放送席のマーシーが、立ち上がり大量の唾を飛ばしてがなりたてます。


「うおおおおおおおおおぉぉーーーーーーーーっ!!!!!」

「すげーー!!」

「すげぇぇぇーーーっ!!!!」


 観客席も盛り上がります。

 でもファルコンチームを応援する人達は目が点になり沈黙しています。

 ドン! という重低音が響きました。

 ファルコンチームのベンチの前の分厚いコンクリートの壁にコング選手の体がめり込みました。

 丸くヒビが入り、中央部は壊れてしまいました。


「おおーーとっ!! これ程の攻撃を受けても、なお、コング選手は立ち上がろうとします。体のまわりのコンクリートをバラバラと破壊して立ち上がりましたーーーー!!!!」


「…………」


「……」


 あたりが静かになります。

 立ち上がったコングの目は硬く閉じられたままです。

 ゆっくり、ゆっくり。

 コングの体が前に少しずつ傾きます。

 そして、倒れました。


「おおーーとっ!! 審判がマモリ選手の手を上げたーー!! あっけない伝説の幕引きだーー。これまで、ただの一度も敗北しなかったコング選手が、女子高生のようなマモリ選手の蹴りの一撃で轟沈です。勝者はマモリ選手、そして、この瞬間ガンネスファミリーの優勝が決まりましたーー!!!!」


「……」


 再びコロシアムが静かになります。

 ですよね。

 ガンネスファミリーに賭けた人などいないのでしょうから。


「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!!!!!」

「すげーー!!!!」

「すごかったぞーー!!!!」

「マリモちゃーーん、俺達はあんたを一生忘れねーー!!」

「しびれたぜーー!! マリモちゃーーん!!!!」


 ――違いました。

 余りの光景に、声援を忘れてしまっただけのようです。

 そして、もう一つ違います。

 マリモではありませんマモリ様です。

 大勢の人が高揚した表情で満足して帰路につきます。

 そして、賭けに負けて、全財産を失った人達がつまらなそうにコロシアムをあとにします。


「おい、ガンネス! 金はここに運べば良いのか?」


 ファルコンファミリーのボスが、マイクを手にガンネスに呼びかけました。


「いや、俺の倉庫に運んでくれ」


 ガンネスもマイクを手にそれに答えます。

 コロシアムのスピーカーから大きな声の会話が続きます。


「安土様」


 その大きな声にかき消されるような小さな声で、マモリ様が私を呼びました。


「なんニャ?」


「あいつら、日本チームにいた異世界人はまだここにいますか?」


「あいつらニャら、デェスちゃんに負けたらそのまま帰ったニャ」


「そうですか」


「それがどうしたニャ」


「ふふっ」


 マモリ様はわらって、目を倒れたコングに向けました。


「すごいっ!!」


 し、しまったー!

 あんまり驚いてニャを付け忘れたー!!


 マモリ様の視線の先ではコングがあぐらで座っています。

 あれだけの攻撃をくらって、生きているだけでも奇跡なのに既に回復しているようです。

 見ていた限りでは、マモリ様は治癒魔法を使っていません。

 コングというのは何者なのでしょうか?


「ヤローー共、もういいだろーー!! 出て来てガンネスファミリーを包囲しろ!! 全員生きて帰すなーー!!!!」


 ファルコンファミリーのボスが、コロシアムに観客がいなくなるのを確認したのか叫びました。

 コロシアムのスピーカーから大きな声が響き、しばらくエコーが続きました。

 その声と共に各国のマフィアの連合でしょうか? 大勢の人達が武器を手にコロシアムに雪崩れ込んできます。


 次にガンネスファミリーにつぶされるのは俺の所などと考えたのか、マフィア達は連合を組んでガンネスファミリーをつぶそうという考えのようですね。

 ジャパニーズマフィアと、他にもいくつか参加していないところもあるようですが、かなりの多人数です。


「馬鹿が、金に目がくらんでノコノコ出てくるとはな!! 今日がガンネスファミリーの最期だーー!!」


 ガンネスファミリーの絶体絶命の大ピンチでは無いでしょうか?

最後までお読み頂きありがとうございます。


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