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勇者はマモリたい  作者: 覧都
第1部

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第六十五話 静かな怒り

 悲鳴を上げたのは、パンチを撃ったマイケルの方でした。


「ふふっ……」

「ぐあっーー!! ぐおおぉぉぉ!! 糞ザルがーー!! ゆるさねえーー!!」


 高橋一郎がそれを見て、さもゆかいそうに笑います。

 マイケルが苦しそうに叫ぶと、そのグローブから一筋二筋と血液が流れて、腕をつたってしずくが床に落ちます。


「許さねーってよぉー、俺は殴られてやっただけなんだがなー。くっくっくっ! 逆恨みも良いところだぜ!」


「おおーーとっ!! これは、どうしたことか? 殴ったマイケル選手がグローブを胸に抱かえこみ、苦悶の表情だ。そのグローブから血が流れ落ちます。ボクシングのグローブは、ボクサーの拳を守るための物ですが、それを守りきれないほどの強烈なパンチだったとでもいうのでしょうかぁー! おおぉーーとっ!! それほどの攻撃を受けながら、高橋一郎選手は笑っています。ノーダメージだとでもいうのでしょうかぁー!?」


「死ねーーっ!!!!」


 マイケルが残った方の手でパンチを出しました。

 アメリカ人はどうしても日本人が下に見えるのでしょうね。

 私みたいな戦いの素人でも、あなたに勝ち目があるとは思えません。


「やれー、日本人をころせーー!!」

「黄色い猿など生かしておくなーー!!」


 超満員のコロシアムの客席のほとんどから声がします。

 声がしないのは、ジャパニーズマフィアのいるところと、ガンネスファミリーのいる所だけです。

 日本人によく似た感じの人達は、何人なのでしょうか。

 一際大きな声で「殺せー!! 生かしておくなー! 皆殺しにしろー!!」と叫んでいます。

 日本人は、ここにいる外国人全員に嫌われまくっていますね。

 悲しいことです。


「ばかか? てめーは?」


 高橋一郎が言いながらパンチを腹に出します。


「がっ!!」


 後から出した高橋一郎のパンチの方が、先にマイケルの腹に当たります。


「ぐええぇぇぇーーえげぇぇぇぇぇーーっ!!!!」


 舞台から三メートル程飛ばされて、マイケルは口から大量の血を吐き出しました。

 いけません、またもや致命傷です。

 別に一郎は異世界人だから、言われたことに怒っているわけでも無いでしょうに、殺人パンチを腹に入れました。生かしておく気がまるで無いように感じます。


 マモリ様は小指をマイケル選手の方に微かに動かしました。


「おぉーーとっ! マイケル選手戦闘不能、審判が高橋一郎選手の手を上げます。これはとんでも無い事が起きています。七番人気の日本チームが二番人気のアメリカチームの元世界チャンピオンの二人を、無名の高橋一郎選手一人で倒してしまいましたーー!」


 大量に吐き出された血液の掃除をしている間に、次の対戦者ジキャットが舞台に上がってきました。


「猿がいい気になるなよ!!」


 金髪で青い目、高身長のジキャットが、高橋一郎を見下ろしながら言いました。


「さあ、ここで、いよいよジキャット選手の登場です。ジキャット選手の対戦成績は二十戦、二十勝、その全てが2R以内のKO勝ちです。ボクシング世界チャンピオンの中でも最強と言われたチャンピオンです。キーリー選手のフットワークとマイケル選手のパンチ力の両方を兼ね備えた選手です」


「ふふふっ、今のを聞いたか? 俺はなあ、強すぎて対戦相手が怖じ気づいて試合が出来なくて引退したんだ。てめーが戦った、オンボロとはわけがちがう。死にたくなければ、降参するんだな!!」


 ジキャットが怒りの表情で言いますが、高橋一郎はそれに怖じ気づくどころか笑い出しました。


「くっくっくっ、お前達に目玉は付いているのか? 既に俺は気がついている。世界チャンピオンというから心配していたが、来てよかったぜ。まるで弱い、相手にならねえ。お前達程度が最強なら、新兵でも何とかなりそうだ。兵器も調べたが、糞だ! 俺達には通じねえぞ。核兵器は厄介だが。大魔導師が来ればそれも防ぎ切れるはずだ。お前こそ死にたくなければ降参したらどうだ」


「ひゃははは、おもしれー!! おもしれーー!!!! 後半は何を言っているのか分からなかったが、俺にそれだけの上等を言った奴はお前が初めてだ。俺の強さを目の当たりにして、身の程を知れー!!」


 二人が話している間に審判の説明が終わりました。

 審判はぜんぜん注意事項を聞かずに会話する、二人に全く注意が出来ませんでした。

 可哀想に。


「はじめーー!!」


 主審が大きな声で言いました。


「ジキャットーー!! ころせーー!!」

「そうだころせーー!! 俺はアメリカチームに人生の全てを賭けたーー!! 勝ってくれーー!!」

「日本人は謝罪しろーー、そして賠償しろーー、そして死に絶えろーー!! 世界の恥にだーー!!」


 観客席から喚声が上がります。

 私は日本食が外国でブームとか聞いていましたが、でも本当の所、日本人はこれ程嫌われていたのですね。


「おぉーーっとー!! 高橋一郎選手、これはどうしたことだ、華麗なステップだーー!! まさかこれは、ケーリー選手のフットワークなのかーー!!」


「ぎゃははは、日本人には恥がないのか! また、さるまねだー!!」


 ジキャットが、高橋一郎のフットワークを見て笑います。

 笑いながらジキャットもフットワークを見せます。

 まるで、俺の方が速いと言わんばかりに華麗に……華麗に……


「おおぉーーとっ!! これはどうしたことだ。ジキャット選手、高橋一郎選手のフットワークについていけません!!!!」


「ふふふ、確か日本人はアメリカの真似をして製品を作って、その高い技術力で本家の製品を追い抜くんじゃなかったか?」


 高橋一郎が言いながらジキャットの前で、棒立ちになりました。

 まあ、最近の日本には高い技術力も無くなり落ちぶれましたけどね。

 技術開発のお金を、社長の給料と株式配当と政治家の献金に使っていると聞きました。


「くっ! この糞ザルーー!!!!」


 ジキャットが、大振りの攻撃を仕掛けました。


「だからよー!! てめーごときの攻撃はあたらねえと言っているんだ!! 当たった所でいたくもかゆくもねえ!! てめーらは弱いんだよ。いいかげんわかれや!!」


 高橋一郎が腹にパンチを入れます。


「がっ、がふっ」


 ジキャットが舞台から吹飛ばされて、口から大量の血を吐きます。

 やはり、殺す気の攻撃です。

 マモリ様の小指が微かに動きます。

 でも、そろそろ私は、マモリ様の顔を見ることが出来ません。

 なんだか、怒りのオーラを感じます。さっきからマモリ様は一言もしゃべっていません。


 仏の顔も三度までと言う言葉が有りますよ。

 高橋一郎、お前は既に死にかかっている。ですよ。


「す、すげーー!! 異世界人すげーー!!」


 アスランとカブラン、クートが言います。

 この三人はマモリ様の怒りに気がついていませんね。

 無神経でよかった、よかった。

最後までお読み頂きありがとうございます。


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