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勇者はマモリたい  作者: 覧都
第1部

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第六十四話 轟く悲鳴

「出ましたーー!! キーリー選手の華麗なるフットワーク。まるでダンスを踊っているようです。蝶のように舞い、蜂のように刺すとは、まるでこのキーリー選手を指す言葉のようです」


 マーシーが言うようにキーリーが華麗なフットワークを見せますが、日本チームの選手は何の構えも見せず棒立ちで、目だけでキーリー選手の動きを追っています。

 まるでやる気が見えません。


「おーーと!! いけません! 日本の選手、恐怖の為か動けません。えーーと、名前は……、おーーと、いけません。日本チームの選手の名は、高橋一郎、高橋二郎、高橋三郎、高橋四郎です。偽名にしても、もっと有るでしょう。完全になめています。なめきっています! やる気がみえません!! ド素人なのでしょうかー! まるで一回戦で負ける気満々です」


 キーリーは、一郎の顔の前に凄まじいパンチを出しました。

 それを紙一枚ほどの隙間を空けて止めました。

 次は、あごの下に、ボディーに、左右の頬の前に出して全てを、紙一枚の隙間で止めました。

 すごい、パンチの技術だと思います。


「くっくっくっ。汚くて臭え猿は、殴る気にもならねえ。さわったらこっちのグローブが汚れちまう、どうだ恐くて動けねえなら降参したら。ひっひっひっ」


「じじい、そろそろ、攻撃してもいいのか? それとも、もう少しこのまま待っていたほうがいいのか?」


 キーリーが馬鹿にして笑うと、一郎は全く表情も変えずに言いました。


「なっ、なにぃーーっ!! 糞がっ!!」


 キーリーは言いながらパッと後ろにステップしました。

 キーリーと一郎の間には、二メートルほどの間が空きました。


「おぉーーとっ!! キーリー選手ステップバックで間を取ります。いよいよ本気の攻撃か?」


「やってみろ、汚え、ジャップのきいれえ猿が!!」


 キーリーが構えを正して、左右に小さくステップします。

 きっと、防御にも自信があるのでしょうね。

 いつでも素早く動けるようにして、一郎の攻撃を待つ構えのようです。

 紙一重で一郎の攻撃をかわすつもりなのでしょう。


「ふっ……」


 一郎が一瞬笑いました。

 その瞬間、一郎の姿が消えました。

 再び見えたときには、ボディーにパンチを出した姿のまま、キーリーのいた場所に立っています。


「おおーーっと? キーリー選手が吹飛びました。いったい、何があったというのでしょうか?」


 マーシーも一郎の姿を見失った様です。


「ごぶぅう!!」


 舞台から三メートル程場外に吹飛ばされたキーリーが、横倒しのままバチャバチャッと口から大量の血を吐血しました。

 内臓に大きなダメージを負ったようです。


「おおーーとっ!! 審判が頭の上で両手をクロスしました。キーリー選手の戦闘不能を判断したようです。勝負有りです! 何と高橋一郎選手の勝利です!!」


 ――いけません!! 内臓破裂です! 死んでしまいます!


 ……さすがです。


 マモリ様は全く体に動きを見せず、左手の小指の先だけをほんの少し、キーリー選手の方に向けました。

 死なない程度まで治癒魔法をかけたようです。

 本当に悪党でも無ければ、誰にでも平等にお優しいです。


「すっ、すげーー」

「元世界チャンピオンを一撃かよ」

「姿が見えなかった」


 アスランとカブラン、クートがそれそれ、驚きの表情で言いました。

 キーリー選手が担架で運び出されて、床に流れた血の清掃が終わると二番手の選手が舞台に近づきます。


「うおおおおおおおおおーーーーーーーー!!!!! 日本人をぶちころせーー!!!!」


 アメリカ人の観客の中から声援が起りました。


「おおーーとっ!! 続いて二番手マイケル選手の登場です。この選手は史上最強のパンチの持ち主です。一撃もらえば、完全終了でしょう。この選手は試合中に相手の鼻をかみちぎってしまった為に、ボクシング界を永久追放になった選手です。体を見ると現役当時のままに見えます。どんな試合が展開されるのでしょうか?」


 舞台の中央で審判から注意事項の説明です。

 審判の説明が終わると。


「はじめ!!」


 審判が開始を宣言しました。


「おおーーとっ!! これは、いけません。一郎選手、顔を前に出してあご先を指さします。もし、まともに当たれば、頭が揺らされてしまいます。世界一のパンチを受けて揺らされれば、脳が頭蓋骨にあたって砕けてしまうのではないでしょうか。よくてパンチドランカー、悪ければ即死です。何を考えているのでしょうかー?」


「おい!! てめーー本気か?」


「いいから、やってこいよ!! てめーのパンチなんざー、蚊に刺されたほどにも感じねえさ」


 舞台の上で一郎が半笑いで挑発します。


「てめーー、死んでもいいのか?」


 暴れん坊のマイケル選手の方がおじけづいているようです。

 誰でも人殺しはいやですもんね。


「ひゃあぁーはっはっはっ!! てめーは玉無しかーあーっ?? ほれ、ここだ!! やってみろよ!! そのへなちょこパンチをよ!」


 一郎の顔はあざ笑うかのような嫌な表情です。

 そして、指でツンツンあごを指さします。


「ふふっ!! おもしれーー!!」


 マイケルの顔に笑みが浮かびました。

 いえ、本当の笑顔ではありません。

 口だけが笑っていて、目は怒りに燃えています。

 マイケルは両足のかかとを軽く浮かすと、上半身を大きく後ろにねじり上げます。

 両腕の筋肉がグッと隆起しました。


 一郎はその姿を冷静な表情のままじっと見つめます。

 今頃心の中で後悔しているのではないでしょうか。

 まさか、ここで顔を動かしてよけてしまうなんて、おちじゃないでしょうね。


「うおおおおおおおおおーーーーーーーー!!!!!」


 マイケルが雄叫びを上げます。

 マイケルのパンチが風を切る音がここまで聞こえてきます。


「すっ、すげーーっ!!」

「な、なんてパンチだ」

「あんなのが当たったら首が千切れるぜ」


 言いながらアスランとカブラン、クートがマイケルのパンチを、まばたきを忘れて見つめています。

 マイケルの渾身のパンチが、一郎のつきだしたアゴ先を目指して飛んで行きます。


 会場にパアァァーーーンと、大きな音が響き渡りビリビリと会場中を震動させます。


「…………」


 会場に音が無くなり静まりかえります。

 一郎は顔を一ミリも動かさずマイケルのパンチを受けたようです。


「うぎゃあああぁぁぁーーーー!!!!」


 コロシアムに大きな悲鳴が轟きました。

最後までお読み頂きありがとうございます。


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