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勇者はマモリたい  作者: 覧都
第1部

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第四十五話 バッドタイミング

「エイリちゃん! ノブコちゃん! 本気でやっちゃあ駄目だよーー! やさしく子猫ちゃんをなでるようにーー!」


「わかっているわ!」

「二度目ですからー!」


 エイリとノブコが、男子高校生との距離を詰めながら返事をします。


「こっ、子猫だとーーっ!! ふっ、ふざけるなーーっ!!」


 総長が大声を出しました。

 その声にかぶさるように、大きな風船が割れるようなパアァーーン、パアァーーン、という音があたりに響きます。


 エイリとノブコは総長と副総長の間に立ちふさがる、男子生徒のあごに平手打ちを入れていきます。

 強烈なビンタをあわされた男子生徒は、顔が九十度以上真横に回転し、目玉が左右に何度も大きく移動して、ひざからカクンと崩れ落ちます。

 意識は有るようですが、もう立ち上がることが出来ないようです。


 男子生徒は、エイリとノブコに殴りかかったり、平手打ちをかわそうとしますが、エイリとノブコの平手打ちは面白いようにあごにピンポイントで当たっていきます。

 二人はお金持ちなので武術の心得があるのかも知れません。

 短いスカートの中身をちらちらさせながら、日本舞踊を踊るように華麗に男子生徒を倒していきます。


「ちょっとーー!! ユウキさんは見ているだけなのですかーー!!」


 エイリが、後ろでにこにこして、つっ立ったままのユウキに言いました。


「だってー、私はスカートが長いし、胸がぺったんこで色気がありません。二人だけの方が、見た目が華やかです」


 ユウキは気を利かせて、身を引いているようですね。


「くそーーっ!! てめーら、何をしている。おめーらも、参加しねーか。その、色気のねえペチャパイを人質にしろーー!!」


 総長が大声で、駅前にたむろしているガラの悪い男子生徒に声を掛けました。

 追加で十人以上が三人の女子高生を痛めつけるのに参加するようです。

 その、男子生徒達の目標は、戦いに参加しないユウキのようです。

 戦いの様子を見ていて、ユウキを弱いと判断したのでしょうか。


「なんですってー!! 誰がペチャパイですかーー!!」


「くひっ!!」


 ユウキが真っ赤な顔で怒ると、エイリとノブコが笑いを我慢出来ずに吹き出しました。

 でも、いけませんね。どちらかと言えば、身体能力はユウキが一番高いですよ。

 ど田舎育ちのユウキは、学校へ行くだけでも片道二時間以上歩いていましたからね。

 ユウキは襲いかかる男子生徒の腕を取ると、大地に投げつけます。

 あっという間に男子生徒は全身を強打して、動けなくなりました。


「本当だ。ユウキちゃんはパンチラがありません。胸も少しもゆれません。そこで休んでいてください」


 ノブコが真面目な顔でいいました。


「ぐぬぬぅぅーー、くそぉーーっ!! 俺達にこんなことをしてただで済むと思うのかーー!! 俺達は幸魂連合の傘下だ。そして幸魂連合は先日、恐い組織の一員になった。おい、カブランさんを呼んでこい!!」


 総長がそう言うと一人の男子生徒が駅の横の狭い路地に走って行きました。

 エイリとノブコは、走って行く生徒を見送ると、やれやれという表情になりました。

 そして、残った男子生徒を倒し、総長と副総長にきつーい一発を食らわしました。


「どうしますか? このまま、待ちますか?」


 ノブコがユウキのそばに戻って、ヒソヒソ声で言いました。


「わたくし、今、戦闘モードが終わってしまいましたわ」


 エイリが言うと、ノブコとユウキがうなずきます。

 そうですよね。同時に使ったのですから、同時に終わります。


「ここで逃げたら、なにも変わりません。最悪は神様を呼びましょう」


 ユウキが悲しげに言いました。

 本当に迷惑な話ですよね。

 必ず、こういう場合は恐い人達が後ろに付いています。

 だから普通の人は、迷惑をしていても何も言えず、我慢をするしかないのですから。


「マモリ様! そうですね。それしかありません」


 エイリとノブコがうれしそうに言いました。

 でも、この三人の後ろにも恐い人がついています。

 ここからは、どっちのバックが強いのかという勝負ですね。

 すこし、マモリ様が何をしているのか見てきましょう。

 私は、マモリ様のもとにいる分体に意識を集中します。






 マモリ様は薄暗くて広い、お酒を飲むお店の中にいます。

 そのカウンターにこの店のウェートレスの衣装なのでしょうか、可愛い白と黒の衣装を着て座っています。

 バッチリメイクをして、とてもかわいいですね。


 そして、大きなお皿に山盛りのどんぐりのような物を食べています。

 丸い実の殻をむきながら、次から次へとうれしそうに口に運んでいます。


「これは、どんぐりより美味しいね」


「ピスタチオといいます」


 体の大きな長い赤髪の男が言いました。


「酒は飲まれますか?」


 同じく体の大きな短髪で金髪の男が言います。


「僕はお酒を飲みません」


「ああ、未成年でしたか」


 赤髪と金髪と比べると、ややきゃしゃな体の銀色で短髪の男が言いました。


「ふふ、ガンネスファミリーでは、そんな法律を守るのですか?」


「ははは、日本の法律など守る気は毛頭ありませんや。ただボスの命令を絶対守るだけです。そして」


 銀髪が笑います。笑いながら言いますが、最後の「そして」で、目をつり上げました。

 瞳がギラリと鋭く妖しげに光ります。

 その表情は、見ている者に恐怖を与えるすごみがあります。


「そして?」


 マモリ様はまるで意に介さぬ様子で聞き返します。


「そして、神様の言うことなら、全てをかなぐり捨てて成し遂げますぜ」


 銀髪が言うと、赤髪と金髪もしきりにうなずきます。


「あのあと、ボスから聞きやした。俺達はすげー死に方を二度したと。二度目は特にひどくて、体が壁に頭からぶつかり、体が半分ピザのようにつぶれていたと言われました。神様に二度も命を救われたのだと。知らぬ事とはいえ俺達はとんでもねえ失礼をしてしまいました」


 この三人は左手の小指の所が手首の所までそぎ落とされています。あの時の三人のようですね。

 マモリ様は、何か仕事を終えてのんびりしているところのようです。

 良かったですね。今なら、呼ばれてもすぐに飛んで来てくれそうです。


「たたたたた、たいへんでーーーーーーす!!!!」


 バーのドアが乱暴に開けられました。

 そして、一人の男が飛び込んできます。


「なななな、なんだってーー!! そ、それは、たっ、たいへんじゃないかーー!!!!」


 いけません。マモリ様がいつもの様にあせっています。

 タイミングが滅茶苦茶悪いです。大丈夫でしょうか?

最後までお読み頂きありがとうございます。


「面白かった!」

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と思ったら


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