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勇者はマモリたい  作者: 覧都
第1部

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第四十一話 小悪魔のいたずら

 オカルトケンキュウ姫デェスの演奏が終わると再び体育館内に拍手喝采がおこりました。

 舞台の前までオカルトケンキュウ姫デェスのメンバー全員が出て来て頭を下げました。


「なるほど、なぜ研直美さんがちーちゃんなのかわかりませんでしたが、そういうことでしたか」


 吉田先生が一人で納得しています。

 舞台を見ると、ちーちゃんが一番小さいです。

 ちいさいのちーちゃんだと思っているという事でしょうね。

 違いますよ、血吸いコウモリのちーちゃんです。


「あんた達!! はやく練習に戻りなさい」


 運動部のキャプテンが言いました。

 その声で運動部の練習が再開されます。


「ねえ、あなた達、楽譜もなしでよく演奏できたわね」


 吉田先生が舞台の上のノブコに視線を向けて聞きました。


「この曲は、小学生の頃に友達のみんながよく歌っていた曲なので知っている曲でした。歌える曲なら演奏できます。楽器は口の代わりに歌をかなでる道具なのですから」


 ノブコが、吉田先生に答えました。


「えっ!?」


 吉田先生が驚いています。


「ねえ、みなさん」ノブコは、三味線で音を出しました。

 ちゃんと、そう聞こえました。

 エイリはピアノに戻ると鍵盤をたたきます。


「そうですわ」ピアノから出た音は、そう聞こえました。


 奈々とちーちゃんは笑っています。

 この二人も同じと思っているということなのでしょうか。


「私は、音楽は余り詳しくありませんが、そういうものなのですね」


 先生は納得したようです。


「どうでしょうか? わたくし達の演奏は気にいっていただけましたでしょうか? 奈々先輩」


 エイリは奈々の顔を見て、少し不安そうに聞きました。


「うふふ、はい」


 奈々は素敵な笑顔でうなずきます。

 ちーちゃんも、うれしそうにうなずいています。

 どうやら、合格のようですね。


「ああっ、みんな! 僕は行かなくちゃ」


 マモリ様が突然あわてた様子で言います。


「えっ??」


 暇人のマモリ様に何の用があるというのでしょうか。

 ユウキ達が驚いています。


「ガンネスが僕を呼んでいます。デェス、同行して下さい」


「はいデェス!!」


 ガンネスが、マモリ様の紋章の入ったパチンコ玉を三回こすったようです。

 何があったのでしょうか。

 マモリ様とデェスは、体育館の舞台から姿を消しました。


「き、消えましたーー!!」


 まだ、慣れていない奈々とちーちゃんが驚きの声を上げました。






「かかか、神様!! たたた、たいへんです」


「ええっ!!?? ――なんですか?」


 マモリ様は、ガンネスのたいへんと言う言葉に一瞬反応しましたが、少しだけ間を取って落ち着きを取り戻して、ガンネスに質問しました。


「敵ファミリーが攻めてきましたーーーーっ!!!!」


 ガンネスが顔面蒼白で言いました。

 手には紋章の入ったパチンコ玉がしっかり握られていて、紋章が消えそうなほどの勢いで、今もこすられています。

 それを聞いたマモリ様は、益々落ち着きを取り戻しました。

 マモリ様にとって、敵が攻めて来るのはたいしたことが無いことなのでしょう。


「てめーーっ!!!! ガンネーース!!!! あけろーー!!!! あけやあがれーー」


 ドンドンという音が硬く閉じられた大扉から聞こえます。

 どうやら、ガンネスはこの前奪った大きな倉庫を本拠地にしている様です。

 そこに大陸系アジアンマフィアが大勢で報復のため攻めてきたようです。


「敵の数は?」


「へ、へい! 四百弱かと」


「こちらの数は?」


「へ、へい! 百程です」


「外に味方はいますか?」


「いえ、いません」


「そうですか」


 マモリ様はガンネスが安心出来るように笑顔を向けました。

 女子高生姿のマモリ様の笑顔は、ユウキと同じ位の破壊力がある美しさです。

 ガンネスの頬が赤くなっています。


「そう言えば、メイクまでバッチリ出来ていますが誰にやってもらった……ニャ」


 つい、口から出てしまいました。

 でも、ちゃんとニャは忘れませんでした。


「ふふふ、安土様。ノブコにもらったメイクセットで、神社でデェスにやってもらいました」


「そ、そうですかー。デェスは上手ニャー」


 マモリ様はうれしそうに笑顔でうなずきました。


「うぎゃあああぁぁぁーーーー!!!!」


 扉の外から悲鳴が聞こえてきます。


「ガンネス、もう扉を開けても大丈夫ですよ」


「ええっ!!?? ヤッ、ヤローども!! 扉をあけろーー!!!!」


 ガンネスはとても驚くと、すぐに落ち着きを取り戻し手下に指示を出しました。

 手下は、少しでも敵の侵入を遅らそうと、必死で荷物を扉の後ろに積んでいるところでしたが、すぐに手を止め再び片付け始めます。


「マモリ様、何をやったデェースか?」


「うふふ、小悪魔のいたずらという魔法です。相手が悪党で、魔法防御力が低い者になら発動できる魔法です。殺す事は出来ませんが手足を切り刻む事が出来る魔法です。切った手足は出血で死なないように大きな血管だけがふさがれますので安心です。小悪魔達が悪党の苦しむ姿を見て喜ぶという魔法です」


「いてーーっ!! くそーーっ!! な、何をしやあがったーっ!!」


 ガラガラと扉が開くと、両手の人差し指と親指、左足のひざから下が切り取られた男達が倒れて騒いでいます。

 良く見ると小さな黒い虫のようなものが、たくさん楽しそうに飛んでいます。あれが小悪魔ですか。

 小悪魔のいたずらとは恐ろしい魔法です。


「さて、武器を持って殺そうと攻めて来るような人は、地獄に落ちてしまうのでしょうか。善行を重ねていて、地獄に落ちない人がいることを僕は望みます」


 そう言うとマモリ様は右手を天に向けました。

 黒い雨雲のような者が手の上に集ります。


「ひらけーーっ!! ごくもーーん!!」


 マモリ様が言うと雲の中央に暗黒の空間が広がります。


「うぎゃあああぁぁぁーーーーっっ!!!!」

「だ、だずげでぐでぇーーーーっっ!!!!」

「や、やめでぇぇぇぇーーーー!!!!」

「いやだああぁぁぁぁ!! ぎゃああああぁぁぁぁぁ!!」


 暗黒の空間から耳をふさぎたくなるような叫び声が漏れて来ます。


「ひっ!!」


 倒れる敵マフィアの屈強な男達から、短い悲鳴が漏れました。


「どうですか。よろしければ、今ならガンネスファミリーの手下になるということなら、お助けしますけど」


「ふざけるなーー。だれがガンネスファミリーなんかに降参するかーー。仲間がてめーらを必ず皆殺しにする。覚悟しろーー!! ひゃあはははははーー!!!!」


 敵のリーダーが恐ろしい顔で言いました。

 まだ、負けを認めていない迫力のある言葉です。


「さすがですね、良い覚悟です。いでよ獄炎。指と足を切り目印とした、この中から地獄にふさわしい者を連れていけーー!!!!」


 マモリ様の言葉で、暗闇から暗黒の炎が手の形になり、にゅるりと飛び出してきて、倒れる男達をつかむと闇の中にひきずり込みます。


「結局、全員いなくなりましたね。おっ! これでこの魔法が少し強くなりました。初級にレベルアップしたという所でしょうか。少し魔法耐性のある者でも使えそうですね。汎用性があがります」


 マモリ様は全員がいなくなりさみしそうな顔になりました。

 一人でも残れば違ったのでしょうけどね。

 でも、魔法が強くなって少し明るい顔になりました。


「ガンネス!」


「へい」


「こいつらの仲間はまた来ると思いますか?」


「人数が多いので、失敗とわかればすぐに今回より大勢で攻めて来ると思いやす」


「そうですか。困ったものですね。仲間は増やせそうですか?」


「ふふふ、それは、順調です。こいつらから奪った金で本国から次々仲間を呼んでいやす。じきに千人は越えやす」


「仲間が増えたら、次々こいつらの拠点と仕事を奪って下さい。攻めてきたら僕を遠慮無く呼んで下さい。次々僕が地獄へ送ります」


「へ、へい」


「じゃあ」


 マモリ様はすぐに帰ろうとしました。


「ちょっと、まってくだせい」


 ガンネスはそれをあわてて止めました。

最後までお読み頂きありがとうございます。


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