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勇者はマモリたい  作者: 覧都
第1部

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第二十五話 咆哮

「僕は、こういう乗り物に乗るのは初めてです」


 神様は険しい表情を柔らかくして紳士にむかって言いました。

 さすがは神様です。怒りを抑え込みました。

 この時に体を紳士の顔の前に入れて、ユウキ達に紳士の顔が見えないようにしました。

 この神様のユウキに対する心配りには深い愛情を感じます。

 それほどまでに大切なユウキを怖がらせたのだから、神様の怒りは頂点まで来ていると思います。


「それがどうした!」


 紳士が、少し怒りまじりでいいました。


「うふふ、わからないかなあ。僕は窓際に座りたいのです。ちょっと、どいてもらえませんか?」


「なっ、なにっ!? くっ、くっ、ぐわぁーはっはっはっはっ」


 紳士は最初驚き、怒りをあらわにしましたが何故か笑い出しました。

 でも、車に乗っている他の男達の目の色が変わり、車内の空気に緊張が走ります。

 もう分かりました。この紳士が、このファミリーのボスですね。

 ボスに失礼な言動を続ける神様にいかっているようです。


「はやく、どいてくれないかなあ。じゃまですよー」


 神様は、ボスの顔に自分の顔を近づけると、なめた口調でいいました。


「ぐわあぁぁーはっはっ! 嬢ちゃん、おめーさんはすげーなーー!! こんな車に乗せられたら、屈強な兵士だって泣き出すってもんだ。みてみろよ。こいつらを」


 神様はボスを怒らせて、ここで暴れるつもりだったのでしょうか。

 笑い出したボスの顔をみて、残念そうに笑っています。

 ボスは車内の男達の顔を一人ずつ指さします。

 そこには、ツルツル頭の体の大きい入れ墨の男、顔にまで入れ墨が入っています。

 そのつるつる頭と同じぐらい体の大きな男が三人、やせて神経質そうですが、人を何人も殺していそうな迫力のある男達が乗っています。


「うふふ、かわいい顔をしていますわ」


 神様はあおりをやめる気は無いようです。

 エイリの真似をして言いました。


「ひゃははは!! 可愛いと来たかーー!! よし、この席がいいのか、変わってやろう!!」


 何故かボスは上機嫌になって席を空けました。


「うふふ、これで景色がよく見えます。ほら、座ったわ。はやく車を出しなさい!!」


 運転席の背もたれを神様がドンドンと蹴りました。

 もう、神様がやりたい放題です。


「おい、嬢ちゃんがご所望だ。はやく出さねえか!!」


 ボスが言うと車が発車しました。

 車は駅前から遠ざかり、住宅地に入りました。

 おかしいですね、この住宅地に異変を感じます。


「この住宅には、人の生活感がありませんね。何があったのか知りませんか?」


 神様も私と同じ事を感じたようです。

 ボスに友達に話しかけるように、普通に聞きました。


「すげーなあ。気がついたのか? 嬢ちゃん。あんたは一体何者だ?」


「女子高生以外の何に見えますか?」


「ふむ、まあ良いだろう。ここの住民は俺達の嫌がらせで、みんな出ていったのさ。ふふっ、ローンで住宅を買ったばかりの奴が、最後まで粘っていた。だが、先日とうとう泣きながら出ていったよ。だから、いまは無人の住宅地なのさ。近いうち俺達の仲間が大勢引っ越してきて、かってに住みつく予定なのさ。ひゃあぁはっはっはっ!!!!」


 住宅地の近くの工場の駐車スペースに車は入りました。

 二階建ての工場で、一階は資材置き場のようになっています。二階が事務所ですね。

 外に足場を積んだトラックが一台、廃材を積むのでしょうか今は荷物の載っていないトラックが二台駐車してあります。解体業でもやっているのでしょうか。

 車はトラックの横につけられました。


「おい!! ついたぞ!! 降りろ!!!!」


 男達が先に降りて、逃げられないように待ち構えます。


「ケガをしたくなければ、大人しくついてこい!!」


 ツルツル頭が四人に言いました。

 でも、神様はうれしそうな顔をして、勝手にボスの後ろを追いかけました。


「てっ、てめー!! 勝手に動くんじゃねえ!! 大人しくついてこいと、言ったばかりじゃねえか」


 ツルツル頭がとうとう怒って言いました。

 頭から湯気が出ています。

 そうとう怒っていますね。


「ふふふっ!!」


 ボスはそれを笑って、許すようです。

 ツルツル頭を手で制しました。

 他の三人は、刃物で脅されながら大人しく階段まで歩きます。

 三人の体は震え、顔は今にも泣きそうです。

 チラリと横目で神様はその様子を見ました。


 三人は足がうまく上がらないのか、階段で何度も転びそうになります。

 その都度、男達が「ちっ」と舌打ちをしてイライラします。

 おかげで全員が二階の事務所に入るまでに、結構な時間がかかりました。


 全員が部屋に入ると、出入り口に若い男が二人並び逃げられないように仁王立ちです。

 中には三十人ほどの悪そうな男達がニヤニヤしています。

 ボスは一番立派な机に行き、一番立派なイスに座り葉巻に火を付けました。

 その葉巻を大きくすって、「ほーーっ」と長く煙を吐き出しました。


「なあ、嬢ちゃん。俺は嬢ちゃんが気に入った。一度だけチャンスをやる。よぉーっく考えて返事をしろ! いいな」


「はい。なんですか?」


「いいか、二度は言わんぞいいな!!」


 ボスが少し照れているのか、頬が赤くなっています。


「だから、なんですか?」


「お、お、おっ、おお、俺の女になれ!!」


「えっ!? えっ!?」


 神様が滅茶苦茶驚いています。


「だ、ふぁあから、お、おれっ、俺の女になれ!!」


 突っ込みどころが多すぎてどこから突っ込んで良いのかわかりませんが……

 まず、噛んでしまって、だからが言えていません。

 いいえ違いますね。そっちじゃないですね。

 二度は言わねえって言いながら。おもいっきり二度言っています。


「……、もし、あなたの女になったら、他の三人は助けてくださいますか?」


 神様は、体をクネクネして可愛さをアピールして言いました。

 か、かわいいです。

 可愛いですけども気持ち悪いです。やり過ぎです。

 ま、まさか、神様は女装が気に入ったのではないでしょうか。


「ふぁーはっはっはっ!! そいつは出来ねえ。それじゃあ、ここにいる奴らの気がすまねえ。最低でも性的暴行を加えて海外へ売り飛ばさせてもらう」


 ボスは急に真顔になって言います。

 その顔には影が落ちて、まるで悪党のボスのような表情です。


「ふぁーはっはっはっ!! それならお断りします。いいえ。たとえ、三人を許してくれると言ってもお断りします。それじゃあ、僕のきがすみません」


 神様がボスの真似をして言いました。眉をつり上げていかりの表情です。息を飲むような美しさです。


「ヤローどもそっちの三人は、おめー達の自由にしろ!!!! このガキは俺が直々にぶっ殺してやる!!」


 ボスの怒りの咆哮が部屋中に響きました。

最後までお読み頂きありがとうございます。


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