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第百九話 開戦

 翌朝、僕はお腹が空かないので朝食を食べずに、河川敷から橋の上にのぼった。

 対岸の河川敷からは朝食の煙は上がっていない。

 直接非常食でも食べているのでしょうか。

 僕はキュートルピンクの姿で橋の中央に立って、しばらく河の流れを見ていました。


「団長、もう誰か来ています」

「あれは、キュートルピンクです」


 自衛隊の集団が河川敷から上がって来ました。


「なに!? お前達が滅茶苦茶可愛いと言っていたお嬢さんか。どけ!! 俺も一目見て見たい」


「き、危険です。相手はテロリストです!」


「ばか、おめえ。本当のテロリストは、可愛いわけがねえんだよ。見て見ろ! あっちがお嬢さん一人で来ているんだ。俺が恐れてどうするんだよ。どけーー!! 道をあけろーー!!」


「道をあけろーー!!」

「道をあけるんだーー!!」


 配下の自衛官が左右に分かれると、道が出来きました。

 そこを団長がゆっくり歩いて来ます。

 やさぐれた感じのする団長さんです。

 なんだか、上の人の言うことを全然聞かなさそうな感じがします。


「だいたい、おめえ、俺はこれでも結構いろんな女優さんを間近で見ているんだ。あの子は名前何だったかなあ。可愛かったなあ。その人達に比べたら、おめえ、素人さんなんか比べもんにならんだろうがよう!」


 ぶつくさ言いながら、近づいてきます。

 そして、集団の先頭まで来るとさらに進んできます。

 近眼なのでしょうか。

 でも、顔は驚きの表情になっています。

 もう見えているみたいですけど。


「ぐわああぁぁぁぁーーーー!!!! くるしいぃぃーー!!!! 息をするのを忘れたーー!!!! な、なな、なななな、なんじゃこりゃあぁぁああーーーーーー!!!!」


「息をするのを忘れると死んでしまいますよ」


 僕は、とびきりの笑顔になりました。

 最近はこの位のことを平気で出来るようになりました。

 なれとは恐ろしいものですね。


「ぐわああぁぁぁぁーーーー!!!! 息をしていても死ねるーー!!!! なんちゅうかわいさだーー、日本一、いや世界一の美少女じゃねえかーー!!!! 次元が違う。あの女優、名前なんだっけかなあ、美人で有名な、あの女優より何倍、いやいや、何十倍も可愛くてキュートだあぁーーーー!!!!」


「ありがとうございます。でも僕より、キュートルブルーの方が可愛いですよ」


「なななな、なんと奥ゆかしい。しかも、ぼくっ子。情報量が多すぎる。お嬢さん、名前は??」


「は、はい。姫神マモリともうします」


 あっ!

 思わず答えてしまいました。


「そうですか。名前まで可愛いですな。ところでマモリちゃん。ここは危険だ。そろそろ引き返した方がいい。こわーい顔をしたテロリストが一杯やってくる」


 僕は言われて、頬をふくらませて恐い顔を作りました。


「うふふ、僕がそのこわーーい顔をした義勇軍の戦士です。うちのメガネの軍師に一人で戦うように言われました。お手柔らかに御願いいたします」


「ふふふ、そんな可愛い恐い顔は見たことがねえ。だが、戦うとなれば話は別だ。最高責任者、総理大臣に皆殺しにしろと命令された。手加減はできねえ。大丈夫なのか?」


 団長ははじめ笑っていましたが、後半は真剣な顔になって言いました。


「やってみないとわかりませんが、たぶん大丈夫です」


 僕が言うと、間髪を入れずに集団から声がしました。


「やめておけーー!! キュートルピンクーー!! あんただけは国会議事堂の前で何もしていなかったーー!! パンツを見せていただけだーー!!!!」

「そうだ、そうだーー。スケスケのパンツを見せていただけだーー!!」

「誰か強い奴とかわってもらうんだーー!!」

「あんたがケガをするのを見たくねえーー」


 ふぐうっ!!

 たっ確かに! 僕は国会議事堂の前で侵略軍と戦ったときは、パンツを見せていただけでしたーー!!

 でも、自衛隊もやっぱりマーシーの幻覚チャンネルをしっかりチェックしているみたいです。


「見て見ろ、あれを!! 機関砲まで用意してある。普通の人間なら秒でミンチになるぞ」


 河川敷に土嚢が積まれ、中に巨大な銃が用意されています。


「僕の名前はマモリです。守る事なら義勇軍で1番です。遠慮しないで撃ちまくってください」


「ふーむ、ここでマモリちゃんが死んでしまっては、世界の損失なのだが仕方がねえ。こんなことなら新品の弾をちょびっとにしておけば良かったなあ。賞味期限切れ間近の廃棄処分寸前の弾を全部持って来てしまった。おい、お前達、目標はマモリちゃんだ。準備しろ!!」


 言いながら団長が集団の中に入っていきます。


「目標、橋の上のキュートルピンクだーー!! 射撃準備!!」


「おーーい、マモリちゃぁーーん、いくぜーー!!」


「はーーい!! いつでも、どぉーーぞおぉぉーーー!!!!」


「ちいぃ! どうにもしまらねえなあ。おーい、お前ら、はじめチョロチョロ、様子を見ながら射撃開始だーー!!」


 団長が言うと、一斉に射撃が始まった。

 地響きをともなうほどの恐ろしい音を立てながら、射撃が始まりました。

 全然チョロチョロじゃないですよ。

 なんだかでかいのが飛んできました。

 それが防御魔法で作った壁にぶつかり、大きな音と共に大量の煙を上げて爆発します。

 僕は煙で何も見えなくなりました。


「おいおい、いきなり全開かよ!! おいおい誰だーー!! 120ミリ迫撃砲なんか打ち込んだのはーー!!!! こりゃあーー駄目だな。惜しい命を無くした。なーむー」


 団長が言うと、銃声が一瞬止まりました。


「ふふふ、僕は無事です。全然効きません、本気で攻撃してくださーーい!!」


「な、なんだと!! 嘘だろ!! よしっ!! 構わねえから全弾撃ち尽くせーー!!!!」


 再び攻撃がはじまりました。

 すごく長い時間に感じました。

 永遠に続くと思われた攻撃が段々と、まばらになります。

 やがて、止まりました。

 ノブコの策略通りになりました。

 これで、自衛隊は弾切れです。

 補給に戻るでしょう。


「す、すげーーーー!!!!」

「ななな、なんだあれはーー!!」


 自衛隊から声がします。

 煙が消えると、僕のまわりには弾丸が止まっています。

 砲弾は爆発しましたが、弾丸はまるで壁のように空中に浮かんだまま止まっています。


「なるほどなあ、すごい光景を見せてもらった。かくなる上は剣での戦いだ。全員銃剣を装備しろーー!!」


「銃剣装備しろーー!! 急げーー!!」

「無いものはナイフでも何でもいい装備しろーー!!」


「装備が終わったら突撃だ。目標はキュートルピンクだーー!! 全軍突撃ーーーーーー!!!!!!」


「うおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!!!!!」


 河川敷から自衛隊が銃剣や刃物をもって、土手をのぼってこっちに走ってきます。

 全軍が突撃してきました。


「ええええええぇぇーーーーーっ!!!!」


 僕は想定外すぎて大きな声が出ました。

 ノブコーー!!

 どどどどど、どうするのぉーー。

最後までお読み頂きありがとうございます。


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