表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/73

ミルキィの自傷行為(過去形)





宿にガーランドの友と一緒に帰った二人は疲れからか食事を早々に切り上げるとすぐに取れた部屋へと戻っていた。


「じゃあ次からは5分に一度は魔力探知をするわね」


「うん!大変だろうけど頼むね!僕も気を抜かないように周りの観察はするよ」


レビンはミルキィの魔力探知がどれだけの労力なのかわからない。

ミルキィはいくらでも出来るとレビンに伝えたが、役に立てると思って、無理をしていったことかもしれないとレビンは思っていた。


(ホントに何でもないのに…過保護なんだから)


(ミルキィにばかり負担を強いる訳にはいかないよね…僕にも何かできる事が……現状維持?くらいしか思いつかないや…)


レビンはカレンから魔力探知にかかる労力を聞いていた。

あくまでカレンが感じるものしか聞けなかったのだ。


しかしヴァンパイアとエルフのハーフであるミルキィは類い稀な魔法適正がある。

魔力探知にかかる労力は流石に呼吸をするようにとは言えないが、息を止めるくらいには簡単な事であった。


(慣れれば常に魔力探知し続けられそうだけれど……レビンに言えば心配するだけだから出来る様になってからも暫くは黙ってましょう)


「じゃあ明日は必要な物を揃えたらダンジョンだね!」


「ええ。お金の管理は任せているけど…大丈夫?」


「うん。僕達の支出は生活費くらいだから全然余裕だよ。むしろ魔石の売上でどんどん増えていってるよ」


ミルキィはサリー達が遣り繰りで苦労していたのを間近で見ていた。その為、いくらレビンに任せきりといえど少し心配だったようだ。


「そう。何だかカレンさん達他の冒険者に悪いわね」


「そう?」


お金の管理をしているレビンは頓着なかった。

ミルキィはこいつに任せてホントに大丈夫か?と思うものの、今まで上手くいっていたのでこれからも任せる事にして眠りについた。




翌朝ミルキィが起きるとレビンの姿がなかった。

朝の支度を終えて朝食を摂るために食堂に向かうと、そこにはレビンとサリーの姿があった。


「おはよう。サリーさんと…何かあったのかしら?」


自分に何も言わずに他の女性との逢瀬を楽しんでいたレビンに少し棘のある言い方をしたミルキィ。

もちろんレビンは気づいていない。


「おはよう。ぐっすり寝てたから声かけそびれちゃった。サリーさんには他の冒険者のお金関係の事を聞いてたんだ」


「おはようミルキィちゃん。ふふっ。何もやましい事はないからそんなに怖い顔しなくても大丈夫だよ」


サリーに指摘されてミルキィは慌てて自分の顔を両手で触って確かめた。

そして顔を赤くすると


「レビンッ!それならそうと言いなさいよねっ!」


「えっ…だから…ごにょごにょ…」


先程の言い訳が聞こえていなかったとも思えず、さらにレビンは何で怒っているのかわからなくて口籠もってしまった。


「…まぁ理由はわかったわ。それで?良い話は聞けたの?」


「…う、うん。やっぱりミルキィが言っていたみたいに僕達は恵まれてたみたいだね」


レビンが聞いた話によると、ダンジョン以外の冒険者は一度の冒険で支出に対して5倍から10倍の収入を得るようだ。


その中には装備の摩耗も含まれている。なので暮らしていけるからといって、収入の殆どを使ってしまうと消耗品でいつか詰んでしまう。


さらには怪我などの治療費やその間の生活費などは勘定に入っていない為、何らかの理由でソロで活動している冒険者の早期退職率はかなり高い。


命や文字通り身体を賭けて働いている割には収入は高いとは言えないだろう。

それでも冒険者になるものが跡を絶たないのは、この世界の教育レベル、又は発展具合が低いからである。


レビンの愛読書である『冒険録』にでてくる登場人物達もほとんどは寒村出身者であり、貧しい暮らしからの一発逆転劇が話の大半でもある。


そういった英雄録・冒険録はその辺に溢れていて、その話を聞いた子供達がお金に夢を見てなるのが冒険者であり、少し裕福な家庭に育った子供達が立身出世に夢を見てなるのが兵士(騎士)である。


レベルや魔法が存在するこの世界にいい意味でも悪い意味でも男女差別(区別)はない。


「じゃあ素材や依頼料が貰えないダンジョンだとかなりキツいわね…」


ミルキィの感想の通り、ダンジョンでの戦闘での見返りはかなり低い。

同じ戦闘に限って言えば2割程の収入に落ち込んでしまう。


しかし支出は同じだけ掛かるわけで…つまり、かなり効率的に効果的に魔物を狩れなければ生計はたてられないのである。


魔物との遭遇率はダンジョン以外の場所とはかけ離れて高い。

それをうまく利用して、尚且つ支出の少ない戦い方をしていかなければ早期退場待った無しである。


「僕の使っている剣だとかなり先に進まない限り壊れる事はないみたいだね。

あの時勢いに任せて買っていてよかったよ」


「…正直あの時は止めようか少し迷っていたわ」


レビンの持つ黒曜鉄と少量のヒヒイロカネの合金の剣は、あの当時の全財産だった。

無頓着なレビンであっても普通であれば保身に走り買う決断を下す事など出来ないのだが……色々とタイミングが良かったと言わざるを得ない。


「それでいてミルキィちゃんは魔法適正が高くて魔力もカレンより豊富でしょ?

パーティの財布係としては二人をアランとカレンとトレードしたいわ…」


(サリーさん。それだと全く違うパーティなんじゃ…)


声に出してつっこもうかと思ったレビンだったが、サリーの表情と声色から本気度が伺えなかった為、心の中に留めるのであった。




サリーと良い?話が出来た二人は早目に朝食を摂り、次のダンジョン探索の買い出しへと向かった。


「それにしても他の冒険者は大変ね…」


買い出し中にもミルキィは気づいた。


「傷薬に魔法薬…それの予備…みんな買ってるね」


雑貨屋の中で割と高価な部類に入る商品棚の商品が飛ぶように売れているのを再確認した二人。


元々目には入っていたが、自分達には不必要な為、深く考えていなかったのだ。


(ミルキィが偶に怪我してもレベルドレインすれば治るし、僕が怪我した事はない……強いて言えばアランさんに小突かれた頭のたんこぶくらい)


二人は一応傷薬なども持っているが使った事はない。

最初の頃にミルキィが怪我をした時とレビンの自傷行為の時にミルキィが使ったきりだ。


最近ではミルキィがかすり傷や捻挫をすればレベルドレインで治している。


(初めてレベルドレインで怪我が治った時は驚いたな…)


レビンの回想にミルキィの回想が被る。


(あの時はレビンが調べたがってたのに私が傷つくから我慢してて…

結局それに気付いた私が自傷行為してレビンに怒られながら血を吸ったのだったわね)


回想まで被るとは……双子疑惑が微レ存……


レベル

レビン:11(79)

ミルキィ:68

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ