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TSの銀髪美少女は、最強の吸血鬼(ヴァンパイア)!  作者: 黒猫キッド
第1章・吸血鬼の美少女・ヴァンパイア・ガール
9/52

10・バトル&リザルト

 今回で第一章は終了ですわ。(厳密に言えば、次の登場人物にて)。

 森の中を歩いている桜…ふと桜は、ある事を考えて、ルーチェに尋ねた。

「ねえルーチェ…僕はヴァンパイア・ロードだけど、僕以外にもヴァンパイアは居るの?」

『嘗ては大勢居ましたが、今はヴァンパイアハンターやスレイヤーズに退治されて、殆ど残っていません』

「そうなんだ…やっぱりハンターとかは居るのか…もう一つ質問、ヴァンパイアって血を吸うけど、それって僕も血を吸うんだよね?」

『そうです』

「…吸わないと、死んじゃう?」

 正直、元・人間である為に、桜は吸血行為に抵抗を感じていた。

『大丈夫です。この世界のヴァンパイア・ロードであっても、人間と同じ食事で空腹は満たされます』

「えっ? そうなの? じゃあ何の為に吸血を?」

『人間でいう、飲酒の様な物です。ですからマスターが望まなければ、特に問題はありません』

「あ、そうなんだ…僕は未成年だから、酒の気持ちは分からないけど、必ず吸う必要性は無いんだ…でももし吸ったりしたら、その人もヴァンパイアになるんでしょ?」

 桜は前世で見た映画で、ヴァンパイアに血を吸われた人や、ヴァンパイアに殺された人がヴァンパイアになるというシーンを沢山見てきた為に、そう考えてしまった。

『それも大丈夫です。マスターによる吸血・殺害により、相手がヴァンパイアになる事はありません』

「そ、そうなんだ…吸血は兎も角、人は殺したくないよ…」

 そう言った桜であったが、此処は異世界である為に、前世で見てきたラノベでも、転生者や転移者が、人を殺すシーンはあった為、何時かはその様な事が起きてしまう不安があった。

『でも…出来れば、殺したくない…』

 そう思う桜だったが、それは無理な願いではないかという考えも思いながら、

森の中を歩いて行った。


※         ※


 それから暫く、森の中を歩いている時であった。

「!」

 前方の茂みから、複数の気配を感じた。

「ルーチェ…」

『マスター、敵です!』

 ルーチェの肯定する言葉を聞くと、腰のヴァンパイア・ハートを取り出して、振りながら広げる。

『マスター、ライブル・ゴーグルを目に装着して下さい。其れには敵の残数や位置を確認する機能があります』

 ルーチェの指示を受け、桜は素早くライブル・ゴーグルを装着する。その時…

「キキィィィィ!!!」

 おぞましい雄叫びと共に、茂みの中から木の棍棒の様な物を持った、小鬼の様な生物が、三体飛び出て来た。

 桜はライブル・ゴーグルで、小鬼を見てみる。其れには『ゴブリン』と表示されていた。

「やっぱりゴブリン…」

 桜はゲームで出て来たゴブリンと、目の前のゴブリンが酷似していた為、直ぐに気付いていた。

「キィイ! キィイ!」

 ゴブリンは興奮する様に、桜を見ていた。桜は無自覚であったが、ニーハイブーツを履いた純白の足は、ゴブリンの欲求を刺激するのに充分だった。

 そんな事を知らない桜は、ライブル・ゴーグルに表示されている、敵の数を確認していた。

「数字は…三…って事は、これ以上は居ないって事か…」

「キキィイ!!!」

 伏兵等を居ない事を安心した時、一体のゴブリンが襲いかかってきた。

「ッッ!!!」

 咄嗟に桜は、ヴァンパイア・ハートをゴブリンに向かって振るった。


 バシィィン!!!


「ギィイ!?」

 弾かれる様な音と共に、ゴブリンはヴァンパイア・ハートに当たって弾かれ、そのまま近くの木に当たって動かなくなった。

 桜は覚悟を決めて、残りのゴブリンに強い視線を向ける。

「キィイ! キィイ!」

 仲間が殺された事に腹を立てたのか、残りの二体が同時に襲いかかってきた。

 桜は素早くヴァンパイア・ハートを振るった。ヴァンパイア・ハートの鞭先は、激しい音を立てながら、その内一体のゴブリンを滅多打ちにした。

 やがてゴブリンは絶命し、動かなくなった。

「ギャギィ!!!」

「!」

 すると時間差で、最後のゴブリンが襲いかかってきた。桜が持っているヴァンパイア・ハートは、二体目のゴブリンを滅多打ちをした反動で、反応が出来なかった。

 咄嗟に桜はヴァンパイア・ハートを手放して、拳で殴り掛かった。

「ダメ元だけど…やってやる!」

 勢いに任せて桜は、ゴブリンの横っ面を殴った…殴られたゴブリンは、回転しながら十m程吹き飛んで、倒れて動かなかった。

「えっ…? 何で…あんなに飛んだの…? 桃華姉から色々教わってたけど…幾ら何でも、あそこまで飛ぶ程、僕の力は強くないのに…」

 予想を遥かに上回る威力に、桜は戸惑う。するとルーチェが…

『マスターはヴァンパイア・ロードです。その為にマスターの身体能力は、人間だった時より、大幅に強化されています』

「そういえば…映画とかの吸血鬼って、確かに凄い力だったな…それは兎も角…初戦闘は、自己評価では四十点くらいかな…」

 桜は落としたヴァンパイア・ハートを拾って丸める。

「鞭を使うゲームのイメージで攻撃したけど、まだまだ練習が必要だね」

『マスターなら、すぐに戦闘慣れをします』

 ルーチェから背中を押される。

「ありがとう…うん?」

 その時桜は、死んでいるゴブリンの体内に、光る物が見えた。近づいて取ってみると、それは石であった。

「ルーチェ、これは?」

『それは魔物の体内に存在する、魔石と呼ばれる物です。此れ等は売って金銭となります。但しゴブリンのは低価格です』

 ルーチェの説明を受けて、桜は納得する。

「ラノベでもあったな…やっぱりゴブリンのは安いか…この先二つの鍵を見つけるには、お金が必要だし…となるともっと強い魔物を倒さないと…自身ないけどね」

『マスターは…』

「最強の吸血鬼、ヴァンパイア・ロードでしょ?」

 ルーチェの言葉を遮る様に、桜が言った。

「じゃあ、仰せの通りに頑張るとするよ…必ず地球に帰る…その為にもね…」

 そう決意し桜は、森の中を進んでいった。


 鞭の攻撃のイメージは、『キャッスルヴァニア』というゲームから来ていますわ。ヴァンパイア・ハートも、そのゲームから来ています。

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