05・三つのアイテム
予告通り、今回は武器の登場ですわ。
『蒼の瞳の騎士 紅の瞳の姫君』より話数は少ないのに、驚異的な速さで上回りましたわ。
今の『なろう』で天下を取るのは、TS吸血鬼なんかな…。
「何だろう、この箱…もしかして、この中に服が入っているの?」
そう言った桜であったが、大きさは中型の大きさであり、とても服が入っている様には見えなかった。
「装飾から見て、とてもこの廃墟に置いてあったとは思えない…あの光球が用意したのかな?」
とりあえず桜は、箱を開けてみる事にした。すると…
「…何だ此れ…?」
中には三つの物が入っていた。
黒いロープの様な物
黒塗のゴーグル
黒色で青い宝石が施された輪
「何か、脈絡のない組み合わせだな。このロープは何だ?」
桜はロープを手に取ってみる。
「??? ロープにしては感触が変だな…皮みたいなので出来てる…?」
桜はふとロープを伸ばして、ロープを振り上げて、地面に叩きつけてみた。
バシィン!!!
ロープは叩きつける音を立てながら跳ね上がる。
「…ねえ、『世界の知識』。このロープって…鞭?」
『そうです。その箱の物は、マスターを転生させた方が、マスターに送った物です』
『世界の知識』はそう返した。
「何で鞭が入っているの? そういえば、此処は異世界らしいから、此れで戦えって事? ってか寧ろ、僕の方が鞭で倒される方じゃない? 桃華姉のゲームであったよ!」
桜は鞭を回収しながら言う。
「この鞭って名前あるの? 大体こういう場合、武器に名前があるけど」
『そのゴーグルを付ければ、名前を確認出来ます』
『世界の知識』に言われて、桜は今度はゴーグルを取った。
「このゴーグルで? どう見ても只のゴーグルだけど?」
そう言いながらも、桜はゴーグルを頭に着けて、目の部分に装着する。
『その状態で、先程の鞭を見て、鞭の名前を知りたいという風に思って下さい』
『世界の知識』に言われて、桜は装着したまま、鞭を見て思う。
ヴァンパイア・ハート
そう鞭に表示されていた。
「何これ? 鞭に文字が表示されている。しかも日本語に!」
ゴーグルの機能に、桜は声を上げる。此処は異世界であるのだから、日本語で表示される事にも驚いた。
『マスターの最も適した言語に、変換される様になっています』
『世界の知識』が説明した。
「それにしても…ヴァンパイア・ハートか…何か似た名前の鞭があったな…まあ、吸血鬼(僕)が使うから、吸血鬼の心臓か…」
そう呟くと桜は今度は鏡を見て、銀髪美少女の吸血鬼になった、自分の姿について考える。
天倉 桜
自分の前世の名前が表示される。
「名前は変わってないみたいだね」
自分の名前を確認すると、今度はゴーグルの名称を調べた。
ライブル・ゴーグル
それがこのゴーグルの名前だった。
「最後の輪っかは何だろう…」
桜は箱の所まで行って、箱の中の輪を見てみる。
ルナ・リング
「ルナ・リング…直訳で月の輪か…これってなんなの? アクセサリー?」
桜は『世界の知識』に尋ねる。
『それはマスター専用の、チョーカー型アイテムボックスです』
「アイテムボックスって…ラノベに出てくる、アイテムを入れられるアイテムだよね…その殆どが、入れたら中に入っている限り、時間は停まるとか…」
『マスターの認識で合っています』
どうやらこのルナ・リングも、桜が姉から教えられた物と同じ様だ。
「チョーカーって事は、首に付けるのか?」
桜はルナ・リングを手に取って、鏡の所に行き、写っている自分を見ながら、何とか装着していく。
そして装着し終えて、改めて鏡で見ると、銀髪美少女の白い肌に、黒いチョーカーを付けている姿が映し出されていた。
桜はまだ知らなかった。此れ等三つのアイテムが、この世界でかなりの希少なマジックアイテムである事を…。
桜の武器は、ヴァンパイア・ハートという鞭でした。某吸血鬼を倒すゲームから来ました(名前も…)。
初期構成は武器は剣でしたが、鞭の方が面白そうと考え、鞭にしました。
次回は服作りですわ…いい加減、裸は可哀そう…(笑)。
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