46・サクラの事
夜中に急いで書いた為、前話より短いですわぁ。
「チュパ…」
漸く疼きが落ち着いた時、サクラは指を自分の口から離した。サクラの指は唾液塗れになってしまった。
「…シャワー浴びよう…」
気持ちを変えて、シャワーを浴びる事にしたサクラ。
手袋を外してマントを外し、ベストやシャツを脱ぎ捨てて全裸になり、シャワーの方へと向かう。その途中に姿見があったので、その前で立ち止まった。
「……」
映し出されるのは、銀髪に紅い瞳の美少女、口元には八重歯の様な牙があるが、見た人にとっては一番目を引くのは、豊満な胸であろう。
「…カイルとローベルには…いろいろとキツイかな…」
と、何処か揶揄う様な笑みを浮かべ、サクラはシャワーを浴びる事にした。
※ ※
「なあローベル」
その頃、カイルが銃の点検整備の手を止めて、ベッドに腰を掛けてライフル銃・バルバレスコを調整しているローベルに話しかけた。
「何?」
ローベルも手を止めて、カイルの方を向いた。
「サクラの事だけどよ…」
「カイル、随分サクラが気になるんだね。あのギルマスにも興味も抱かないのに」
ローベルはカイルがサクラを気にしている事に、随分気になっていた。
「ギルマスは目のやり場が困るくらいの格好をしているのに、私達の中ではただ一人無関心じゃないか。ボスや他のメンバーは下心剥き出しで、私やハンスはまともに直視出来ないけど、カイルだけ平気だし」
「ボスや他の連中は、スケベなだけで、お前やハンスは意識し過ぎなんだよ…ってかそうじゃなくてよ、さっき俺が指を切った時、アイツ俺の事を見てただろ?」
「そうだけど…」
「そん時、アイツの紅い瞳が妙に熱を帯びていてな…まるで俺の指から流れる血を見て、性的に興奮している様だったぞ?」
「そう? カイルが指を切った事に驚いていたんじゃ?」
「…それにアイツ…口元に八重歯があるよな…あれって…牙なんじゃないか?」
「…それって…」
「アイツ…吸血鬼なんじゃ…ないか?」
カイルの言葉に、ローベルは戸惑う。
「まさか…だって吸血鬼は何百年も前に滅びたんじゃ…確かギルドの資料で見た気が…」
「そうだけどよ…その資料の特徴と一致しているし…まあ只の俺の想像だ…」
そう言いながらカイルは、再び銃の調整を続ける。
「そうだとしても、アイツは俺達の仲間に違わねぇ…気にする事じゃ無い!」
「…そうだね。気にしないでおこう」
ローベルのそう結論付けた。
カイルの考えは間違っていなかった。
サクラは吸血鬼…それも最強の吸血鬼である、ヴァンパイア・ロードであった。
薄々ながら、サクラの正体に気付いたカイル。
しかし目のやり場が気になるギルマスにすら無関心のカイルは、何故かサクラを気にしておるなぁ…。
感想・ブックマーク登録・レビュー・ポイント評価・質問等ありましたら、是非皆さんどうぞ♪