32・これは夕暮れから夜明けなのか? それとも命知らずか? 2
ちょっと短いですが、区切りが良い為に投稿しましたわ!
「えっ? !!!」
ローベルはカイルの叫びで振り返り、手斧が飛んでくるのが見えて、咄嗟に椅子から跳び退いて避けた。カイルもローベルとは反対側に跳び退いた。
「えっ? 何?」
パスタを食べていたサクラは、突然の大声に振り返ると、自分めがけて手斧が飛んでくるのが見えた。
「ひぇ!?」
サクラも咄嗟に、身を低くして避けた。手斧はサクラの真上を飛んでいく。
ドガァ!
「ガァ!?」
手斧はサクラの前方に居た、冒険者風の男の胸に突き刺さった。
「あっ…」
顔を上げたサクラは、自分が避けた為に、別の人の胸部に突き刺さってしまった事に、動揺してしまった。
『僕は不死身だから…避ける必要性は無かったのに…』
『マスター。これは反射的に行った末に起きた事であり、そもそもの原因は、斧を投げた集団の責任です。マスターには責任はありません。それより今は、それ処ではないです』
ルーチェの励ましと忠告で、その考えは後回しにして、斧が飛んできた方を見た。
一方最初に投げ付けられたローベルは、突然の事に動揺していた。するとカイルが、投げた大男を睨み付けながら叫んだ。
「ボスや皆だけじゃなく…ローベル迄殺そうとするなんてな!」
そう叫ぶと同時に、カイルは両腰に手を伸ばした。そして抜かれた両手には、大型自動拳銃のバハムートとリヴァイアサンが握られていた。
「会いたかったぜ、クソッタレ!!!」
そう叫ぶと同時に、カイルは二丁の拳銃の引き金を引いた。
ダァン! ダァン! ダァン! ダァン!
引き金が引かれると同時に銃声が鳴り、バハムートとリヴァイアサンから弾丸が放たれる。
大男達は素早い動きで避けてしまい、弾は外れて扉へと被弾する。
大男達の仲間は避ける際に、客達を無差別に攻撃していった。
「アイツ等! 私達と関係の無い人達にも攻撃を!?」
「無差別攻撃なんだろ!?」
悲鳴の様なローベルの言葉に、素早くリロードして答えるカイル。
「テメェ! 店ン中で変な武器使ってんじゃねぇよ!!!」
と、他の冒険者がカイルに掴みかかってくるが…
「馬鹿野郎! 俺に構う暇があったら、アイツ等攻撃しろよ!」
そう怒鳴りながら、カイルが大男達を示すと、大男達は持っていた斧や槍で、次々と客を殺していっていた。
それを見た他の冒険者や客は、其々武器を持ち、武器が無い者は酒瓶や椅子壊して武器にして、大男達へと挑んでいった。
かくして飲食店の中は、九十年代のアメリカ映画並みの大乱戦へと発展していった。
この店の中の戦闘は、サブタイトルの元ネタから来ていますわ。何方も九十年代のアメリカ映画で、同じ監督の作品ですわ。
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