27・なろう流テンプレ式対人戦 IN 宿屋 1
パソコンゲームにハマってましたわ。ホンマにすいません。
間が空いてしまった為に、予定を変更して二回に分けましたわ。ホンマにすみません。
「予想通り、あんまり値が付かなかったなぁ…」
査定を終えて、手数料引いた魔石の売り上げを受け取ったサクラは、街へ入る事を認められ、番兵に教えて貰った宿へと向かっていた。
サクラが売った魔石は、持っていたゴブリンとフォレストウルフのだけであり、大した金額にならずに、手数料を引いた状態では、少量の食料を買って安宿に泊まるのが精一杯であった。
『マスターは、この事が予想出来ていたのですか?』
ルーチェが尋ねてくる。
「まあね。ラノベではゴブリンの素材ってのは、大体は最低額だから。まあ次の街に行くまでに、もっと稼げば良いさ…それより今日の寝床を探そうか…まあ最悪、野宿でも良いんだけどね。棺桶もあるし」
『……』
サクラはそう言うが、今のサクラの様な、見た目は銀髪吸血鬼美少女が野宿などをしていたら、あっという間に襲われるのがオチである事が、ルーチェには想像出来たが、事実上の無自覚美少女のサクラに言っても分からないだろう判断し、必要な時になったら伝えようと決めた。
「あっ、此処だね」
そうしている内に、番兵から教えられた宿へと着いた。
「此処がギルドであったら、大体はテンプレがあるけど…まあ、宿屋なら大丈夫でしょ」
そう判断し、サクラは入る事を決めた。
世の中にはフラグというモノがあるが、幸か不幸かサクラはそれに気付かなかった。
宿屋の中に入ると、一階はフロント兼酒場という感じであった。酒場に居た客達は、反射的に来客‐サクラ‐に目線を向ける。すると其処に居た男達は、全員目を見開いた。
無理もない。銀髪紅い瞳の絶世の美少女が現れたのだから。黒のベストに覆われた豊乳と真っ白な魅力的な足も惹き付ける条件になっている。
「何だ…やけに視線を感じるけど…やっぱり銀髪なんて目立つのかな…?」
聞こえない程度の大きさで呟くサクラ。視線を感じながらも、受付に足を進める。
「すみません。一番安い部屋で良いので、一泊だけ空いてないですか?」
受付に居た女性に声を掛けるが、サクラを見ながら反応が無い。
「?」
サクラはシカトでもしているのかと思っているが、実際にはサクラの美貌に見惚れているのであった。
「あの?」
少し大きめの声で、再度話しかける。女性はハッとして答える。
「! あっ、すみません。今日はどの部屋も満室なので…」
「えっ…そうですか…じゃあ仕方ないか…」
サクラは諦めて、何処かで野宿でもしようかと考える。
『まあ棺桶あるし…野宿で良いか…』
サクラは踵を返して、出口に向かおうとしたが、その前に大きな男が立ち塞がった。
「…何ですか?」
嫌な予感を感じながらも、サクラは大男に話しかける。
「いやなお嬢ちゃん。俺はこの宿に泊まっているんだが、俺の部屋で良ければ泊まらないか?」
と、下卑た笑みを浮かべながら、サクラの体を舐め回す様に見ながら言う。
「……」
サクラは無言で、大男の顔を見る。大男はサクラが怯えていると考えているが、実際は違った。
『うわぁ…今は僕は女の子だから、絡まれたのか…ってか『なろう』のテンプレでは、ギルドで絡まれるのが相場なのに…此処で来たか…』
予想よりも早いテンプレに、少々嘆くサクラであった。
『まっ…前世でも絡まれる事は多かったけど…意味は違うけど…』
何らかの場慣れをしているらしく、サクラは冷静であった。
「悪いですけど、僕は野宿をするので、遠慮させていただきます!」
笑顔を浮かべながら、サクラが辞退をすると、大男は表情を歪める。
因みにサクラの胸の大きさは、FかGのイメージですわ。
この大男は、カイル達を襲撃した大男とは別人ですわ。
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