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TSの銀髪美少女は、最強の吸血鬼(ヴァンパイア)!  作者: 黒猫キッド
第3章・出会う吸血少女と黒猫少年
25/52

25・初めての街

 ようやく最初の街ですわ。ゲームやってましたわ。すみません。

「んっ? あれは…」

 飛行するサクラの目先に、中規模の街が見えてきた。

「街だ…あの規模なら、冒険者ギルド的な物はあるかな?」

『余程小さな村や街でなければ、ギルドは存在します』

 サクラの疑問に、ルーチェが答える。

「ならあそこで、手に入れた魔石を換金するかな…そうだ、街に近づいたら、着陸しないと…僕がヴァンパイアだってバレてしまう…」

 ルーチェの話では、この世界のヴァンパイアは六百年前に滅びたらしいが、現在でも退治方法は一部に伝わっているらしく、それを聞いたサクラはハンターやスレイヤーに注意する為に、ヴァンパイア・ロードである事を隠す事に決めた。

「まあ、まさかヴァンパイアが真っ昼間に白昼堂々と歩いているなんて、ラノベやゲームの吸血鬼を知らないと、誰も想像出来ないから、バレないと思うけど…」

 そう思いながらも、サクラは注意に越した事はないと考えた。

 やがて街から二百m程離れた所まで行くと、サクラは地上に着陸し、翼を消した。

「此処からは歩くか…ルーチェ、僕はこの世界の事が良く分からないから、サポートをお願いね!」

『了解しました』

 サクラはルーチェにサポートを頼むと、街へと歩き出した。

 少し歩くと街の入り口が見えてきた。入り口は小さな城壁の様になっており、その手前には小さな詰所の様な小屋と、番兵らしき姿が見えた。

「…この世界に於いての、初めてのコンタクト…」

 サクラは深呼吸し、足を進めた。

 番兵は別の方角を見ていたので、サクラがやって来た事に気付いていない。

「あの…」

 仕方が無いので声を掛ける。

「んっ? 何…」

 気付いて振り向いた番兵が、サクラに答えようとした時、番兵が目を見開いて言葉を詰まらせる。

「?」

 不自然な番兵に、サクラは首を傾げる。

「……」

 番兵は顔を赤らめながら、サクラから目を逸らした。

『何だ…? この番兵…僕の顔に何か付いているのかな?』

 銀色の長い髪に透き通るような白い肌、それに合っている紅い瞳と口元から見える八重歯(牙)、真っ黒なベストを押し上げる豊満な胸、魅了する様なニーハイブーツを履いた美脚と太股…そして何より整った顔の絶世の美少女…サクラの容姿に番兵は戸惑ってしまったのだ。

 サクラがそれに気づかないのは、自分が美少女という考えは、あくまで地球…強いて言えば、サクラの美感覚の判断であった為に、この世界でも同一とは考えていなかったのである。

「あの、すみません?」

「んっ!? ああ、何だ?」

 不審に思いながらも再度尋ねると、今度は応じてくれた。

「僕は旅の者なんですけど、この街に冒険者ギルドみたいなものは、ありますか?」

「ギルド? いや、この街には無いな…もう少し大きな街ならあるが」

「そうですか…」

 番兵に言われて、サクラは考える。

『どうするかな? 魔石とかってラノベでは、冒険者ギルドみたいなのしか買い取ってくれないよね…』

『番兵なら相場より低いですが、買い取ってもらえます』

 ルーチェの助言に、サクラは決めた。

「『…背に腹は代えられない…なんせこの世界では僕は、無一文なんだから…』すみませんが、此処に来るまでの間に、魔物を何体か倒したので、魔石を買い取って欲しいんですが?」

「魔石を?」

「駄目…ですか?」

「!!!」

 意図した訳ではないが、サクラは番兵の顔を覗き込む様な仕草をし、番兵を誘惑する様にする。

「い、いや…大丈夫だ! じゃあ査定をするから、詰所に来てくれ」

「! ありがとうございます!」

 サクラは喜んで、礼を述べる。

「じゃあ此方へ…それから、ようこそ『ファルマ』へ」

 街の名前は、『ファルマ』というらしく、サクラは番兵に案内されて、詰所へと向かった。



 ある意味無自覚美少女のサクラ。

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