02・古城からスタート…何だこの姿!?
第二話目ですわ。
とある古城にて…
「何だこの姿ぁぁぁ!!!」
少女の悲鳴が上がった。
数分前…
「んっ…? 転生…したのかな…」
光球により、強制的に意識を落とされた桜は、何故か暗闇で目を覚ました。
「…? 何だこれ? 何か狭い空間に居るな…」
何やら分からないが、長方形の箱に入っている事が、桜には理解出来た。
「此処が何処だか知らないけど…とりあえず、脱出しないと…」
そう思い桜は、ダメ元で目の前の壁を押してみた。すると壁は簡単に動き出した。
「此れは…壁と言うより蓋? でも此れで出られるぞ!」
桜は思いっきり蓋を押し開けた。
バァン!!!
蓋は音を立てて落ちた。そして桜が出た先で最初に見た光景は…何処かの廃墟の様な場所であった。
「箱から出ても、此処は何処…? ! ってかコレ…」
桜は今まで自分が入っていた、箱の正体に気付いた。
「これ…棺桶じゃん」
それは死体を入れる、棺桶であった。
「…まあ僕は死んだ身だから、棺桶からスタートって訳か…って!」
その時桜は、廃墟に吹き込む風で、もう一つ気付いた事があった。
「僕…裸じゃん」
今現在、桜は一糸身に纏わない姿であった。
「服くらい一緒に送ってよ…あの光球…とりあえず、何か布でも探さないと…」
光球に文句を言いながら、桜は棺桶から出て布を探しだす。
「廃墟だから、ボロ切れみたいなカーテンでもあるでしょ…ってかこのままじゃ、誰かに見つかったら、完全に変質者だよ…」
急いで探す桜…その時、何かの視線を感じた。
「……」
嫌な予感を感じながら、思い切って振り返る桜…其処には…赤い瞳をした、銀髪のロングヘアーの美少女が居た。
「うわぁぁぁ!!! ご、ごめんなさい!!!」
桜はその美少女に謝罪をした。それもその筈、美少女の目の前に突然、全裸の男が現れたからだ。ところが何故か…目の前の少女も、桜と同じリアクションをしていた。
「…えっ?」
桜はある事に気付いた。それは目の前の銀髪美少女が、ある縁に覆われている個所に居る事であった。そして縁の内側…即ち少女の周りの風景は、自分の居る場所と酷似していた。
「……」
桜はゆっくりと手を振った…少女も同じ様に手を振る。
「まさか…僕?」
桜は自分の顔を指差しながら、縁の中の少女に話しかける…少女も同じ動きをする。つまり目の前の縁は鏡であった。
「何だこの姿ぁぁぁ!!!」
廃墟に桜の悲鳴が上がった。
妹を庇って死んだ天倉 桜は、どうやら銀髪美少女に転生してしまった様だ。
某ドララー竜騎士同様のTSですわ。
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