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TSの銀髪美少女は、最強の吸血鬼(ヴァンパイア)!  作者: 黒猫キッド
第2章・黒猫の銃戦士・ブラックキャット・ガンナー
16/52

16・打ち上げの宴

 今回も1998年のヴァンパイア映画の影響を受けていますわ。

 尚、この世界は十五歳で成人の為に、十五歳で飲酒可能ですわ。『転生したドララー』と同じですわ。

 ある程度の大きさのある街の二階建ての宿屋で、バカ騒ぎが鳴り響いていた。

 その宿屋ではカイル達のチームが、大勢の娼婦を招いて騒いでた。皆仕事を終えた事からか、帽子もコートも脱いで娼婦の腰を抱いたりしながら酒を飲んで笑っている。

 そんな中カイルは、女と絡んだりはせずに、帽子もコートも外さずに、机に座って瓶を机の傍らに置いて、自分の拳銃を弄っている。

「なんだよぉカイル~、お前女も抱かずに、酒飲みながら銃弄ってんのかよ~」

 酒瓶を持ったデニスが、カイルに絡んでくる。カイルはデニスから漂う酒の匂いに、顔を顰めながら返す。

「ここの所、『バハムート』も『リヴァイアサン』も、オーバーホールしていなかったからな。忘れない内にしているんだよ。『フェンリル』と『ガルム』もやっておくつもりだ」

『バハムート』と『リヴァイアサン』とは、カイルが使っている二丁の大型拳銃の名前であり、『フェンリル』と『ガルム』は、リボルバーの名称である。これ等の四丁の銃はカイルの自作である。

「その割には、酒飲んでるんじゃねぇか」

 そう言いながらデニスは、カイルの瓶を手に取る。

「んぁ? 何だよ果汁水じゃねぇか。やっぱりお前はガキだな」

「うっせぇよ! 酒飲みながら点検が出来るか! ってかあっち行けよ!」

 カイルが怒鳴ると、デニスは笑いながら娼婦達が居る所に行った。カイルは溜息を吐くと、バハムートを組み立てていく。すると近づく気配を感じ、デニスがまた来たのだと感じた。

「しつけぇな! 何だよ今度は!?」

 勢いよく振り返ると、其処に居たのはデニスではなく、ボスだった。

「何だボスかよ」

「何だは無いだろ。お前は女は抱かないのか?」

「俺は年上の女には興味は無いよ」

「ああ、雌猫か」

 ボスが言うとカイルは、ジト目で睨む。

「そういえば、ローベルはどうした? 何時の間にか見当たらないが?」

 ボスが見回すと、他のメンバーは娼婦と戯れているが、ローベルの姿が無い。

「ローベルは先に休んだよ。アイツはこういう騒ぎは好きじゃないからな」

「そうか…」

「…?」

 その時カイルは、ボスが浮かない顔をしている事に気付いた。

「どうしたボス?」

「ああいやな…こんな時に話す内容じゃないが…三日前の仕事の事だ…」

「三日前? 確か強盗団を始末した仕事だったな…それがどうした?」

「あの時俺は、アジトの洞窟の大きさから、五十人は居ると推測したが、実際には二十人足らずだった…」

「そりゃ読み間違える事もあるだろ?」

「…残党が何処かに残っているんじゃないかと考えてな」

「居たら俺達で倒せば良いだろ?」

 フェンリルを見ながら答えるカイル。

「…まあそうだな…お前も少しは楽しめよ」

 そう言うとボスは、他のメンバー達の所に行った。


※       ※


 その頃賑やかな声が響いている宿屋の外では、武装した集団の姿があった。その数はおよそ三十名程である。

「……」

 先頭に立っている大男は、大きな槍を携えていた。


※       ※


 用意してあるピザの様な食べ物を食べている時、カイルの肩を叩く者がいた。カイルが振り向くと其処には、酔った様な顔をした新入りが立っていた。

「やあカイル!」

「何だハンス。お前酔っているのか?」

 新入り‐ハンス‐は、あからさまに酔った様子を見せており、その姿は昼間とは別人である。

「まさか! 僕は酔ってませんよ!」

「…それは酔っている奴の、決まり文句だぞ! オイってか誰だ! コイツに酒を飲ましたのは?」

「ああ、俺だ!」

 そう答えたのは、ハリーであった。

「ハリー。コイツは十五歳だが、コイツにジープとトラックのガソリンを入れさせるのを、あとでやらせる予定だっただろうが、これじゃ出来ねぇだろ。」

 カイルは文句を言うが、ハリーは何も答えずに、抱いていた女に顔を向ける。

「おい、ビールがもう無いぞ!」

「何だよ! じゃあ酒屋に買いに行くか?」

「キャハハ!!!」

 仲間達の声に娼婦達もテンションが上がっている様に笑う。

「いや、確かトラックに積んである筈だ。俺が取って来よう」

 そう言って立ち上がったのは、ミゲルであった。

「俺が取って来るか?」

 カイルが尋ねる。

「いや良いさ…俺はサブリーダーだからな、メンバーを気に掛けないとな」

「いやミゲル…お前も酔っているだろ…ボスはどうしたんだよ?」

「ああ、奥でグースカ寝ているさ! まあ気にするな」

 そう言いながらミゲルは、フラフラの足取りで外への扉に向かう。カイルはそんなミゲルを気にしつつも、ボスが寝ている奥の部屋へと向かう。

「やれやれ、明日でこの国ともお別れか」

 そう言いながらミゲルは、ドアノブに手を伸ばした。


 ドスゥン!!!


「?」

 突然腹部に衝撃が走り、何かと思い腹部に目を向けるミゲル…腹には扉から突き出た、大きな槍が刺さっていた…。

 最初の犠牲者が…。

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