01・何かによる転生
色々見ていて、考えた作品ですわ。
この作品は、様々な映画やゲームから影響を受けていますわ。
『転生したドララー』、『蒼の瞳の騎士 紅の瞳の姫君』もよろしくお願いしますわ。
「…?」
彼は、謎の白い空間で目を覚ました。
「何処…ここ…? どうして僕は…此処に居るんだ?」
彼は、此処に来る前の事を思い出した。
「確か…妹と登校していたら、前日の嵐の影響を受けた木が倒れてきて…そうだ…確か僕は、妹を庇って木の下敷きに…」
『そう…』
「!?」
突如頭の中に、何者かの声が飛び込んできた。ふと前を見ると、何時の間にか先程は無かった、光球が浮かんでいた。
「えっ? 何この球?」
彼は目の前の光球が気になった。
『今は貴方も、光球ですが?』
「えっ?」
その光球に言われて、彼も自分の体を見る。すると言われたとおり、自分の体も光球になっている事に気付いた。
『今の貴方の体に気付いた所で、説明をします。貴方は死にました』
あまりにもその光球は、落ち着いた口調で述べるが、彼は何故か動揺しなかった。
『落ち着いているんですね?』
「いや…木に潰されて、こんな何処とも知らない所に居て、自分の体が光球になっていたら、何となく理解出来るから…妹はどうなったんですか?」
彼が気になったのは、此処に来る以前に一緒に居た、妹の事であった。
『貴方の妹は無事です。貴方が命を捨ててまで、護り抜きました』
「そっか…なら良かった…」
『…貴方は、自分が死んでしまった事に、悲しみも悔しさも無いのですか?』
光球が聞いてきた。
「…妹を護れたのなら、僕は構わない…それで光球さん。僕はどうなるの? 天国に行くの? それとも地獄?」
光球の存在が何なのか分からないが、此処が死後の世界である事は理解でき、彼は光球にそう尋ねる。
『それなのですが…貴方を転生させる事にしました?』
「転生…って、『なろう』系のラノベとかにあるやつ?」
光球がラノベなど知らないだろうが、そう聞き返す。
『貴方を此処に呼ぶ際に、貴方の記憶はトレースしましたから、大体は分かります』
そう答える光球。
「えっ? 今僕の心の中読んだ?」
『はい。今の貴方の考えは、私には筒抜けですから』
光球の言葉に、彼は言い返そうとするが、その前に光球が続けてしまう。
「…まあ良いけど…それで僕は、何処に転生になるの? 地球に? それとも異世界?」
ラノベの知識がある彼は、何となく理解出来たが、念の為に尋ねる。
『貴方の予想どおり、異世界への転生となります』
「…そういえば、何で僕を転生させようとするの? まさか、僕の死は貴方が関係しているとか?」
良くあるパターンとしての可能性として尋ねる。
『…貴方が妹を庇って死んだ為、その妹想いの性格に敬意を払って、転生させる事にしました』
そう光球は答える。彼は納得出来なかったが、とりあえずそういう事にしておく事にした。
「分かった…それでこういう場合、転生には『特典』が付くけど…僕にも付くの?」
『貴方には幾つかの特典が付きますが、それは転生後に分かると思います…それから転生後の姿…というより種族ですが…それも転生後に確認して下さい』
「えっ? 何で教えてくれないの!? 今教えてよ!」
彼はそう叫ぶが、それと同時に意識が遠のくのを感じた。
『それでは転生して下さい…天倉 桜さん』
彼…桜が光球から告げられた自分の名前を聞くと同時に、桜は意識を手放した。
当初は死亡シーンから書こうと考えたのですが、ありきたり過ぎると考えて、転生させる存在からスタートさせましたわ。この作品もお願いしますわ。
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