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愛する君に花束を。  作者: 咲ヶ丘ゆづき
プロローグ
4/4

崩壊


 <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<


 人生に分岐点があるとするのならば僕は過去に戻るだろうか。


過去があるから今があって、今があるから未来がある。それは当然のこと。


過去の後悔にその行動に、自分の過去に嘘はなかったと思う。


例え、未来から過去に戻り過去を変えても、何か変わるのだろうか。


それまでの努力と、悲しみと喜び。何よりも思い出が消えてしまうのが嫌だ。


 そんなことを考えていた僕は、まだこの先を知らなかった。


 現実は、思っているよりも残酷なことを。



>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

 

 電車を降り、改札口を出る。外は変わらず暑くて日差しが強かった。


 ここから少し歩くと学校が見える。ちあは他の女子生徒と話してるので、


 僕は早歩きになりながら学校に向かった。


 2-4 僕達のクラス。教室の扉を開き、自分の席に向かった。


 まだ生徒はあまりいないようだ。みんな始業前にコンビニに行ったり、廊下で会話している。僕は群れるのが嫌いだから一人でいた。たまに笑ってくるやつもいるけどもう気にしていない。


 学校のチャイムが鳴り響き生徒達はクラスに集まってきた。


 先生が来るまで本当は自習していないといけないのだがクラスメイト達は話をしていた。


 「今日、転校生来るらしいよ。しかも女子って噂」


 「まじかよ。かわいい子だといいなー」


 「さっき職員室で少し見えたけど、かなりかわいかったぞ」


 「えーまじかよ!俺告ろうかな」


 「お前じゃ無理」


 男子たちは談笑。それを見ている女子は冷ややかな目で見ていた。


 いつもの何気ない日常。今日も何も変わらない一日が始まった。


 そう思っていた。



>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>



 教室の前の扉が開く。と同時に先生が入ってきた。


 「みんな、知っていると思うが今日はこのクラスに転校生が来たので紹介します。入ってきてください」


 先生にそう言われると一人の女子生徒が入ってきた。


 カツン。カツン。時が止まっていた。足音と時計の針だけが時間が動いていると証明していた。静けさが苦しい。重い空気の中紹介された女子生徒は


 「風野梨乃(かざのりの)」です。よろしくお願いします」


 か細い声で自己紹介する彼女を


 僕は無意識に見つめていた。彼女はその視線に気づいたのか目が合う。


その瞬間。心臓がつかまれたような苦しさが襲ってきた。


 「女子だあああああああああああああああああああああああ」


 「かわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」


 「すきだあああああああああああああああああああああああああ」


 クラスメイトの歓声がクラス中に響き、止まっていた時は動き出した。


 息が苦しい。今のは何だったんだろうか。


 もう一度彼女を見ると、笑顔でこちらに手を振っていた。


 さっきまでの違和感はなく、でも、鼓動は早かった。


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


 放課後。ちあとの約束の為、校門で待っていた僕に風野梨乃が話しかけてきた。


 「あの……。さっき私の事見てました?」


 「え、あ、あーまぁ」


  急な質問に僕は答えられずにいた。


 「私は、魔女です。何度も輪廻転生しています。あなたに会うために」


 「え?」


 突然、意味が分からないことを言われて面食らう。


 「もう少しで、この世界も終わります。それは避けられない運命なんです」


 「どういうこと???」


 そうですよねと、てへと舌を出して彼女は笑った。


 「伝えたいことがたくさんあるの。あなたに会いたかった――――」


 そういうと彼女は抱きついてきた。


 「お待たせ、優―――― 何してるの……――――」


 抱きついているところを見たちあが泣きそうになりながらか細い声で言った。


 「もうすぐ世界が終わるのよ。だから最愛の人に抱きついてるだけ」


 さっきから世界が終わるだの魔女だのなんなんだこの女は。本当に意味が分からない。


 「意味が分からない。説明してくれ」


 「すぐに分かるわ。……今は、その体を返してあげる。もう一度もらうから。その時まで楽しみなさい」

 そう言うと梨乃は僕から体を離し鞄を持って去っていった。


 「なんなのよ。あの女」


 「僕にも意味が分からない」


 「優君もなんですぐに離さないのよ!」


 そういえばなんでだろう。不思議と嫌な感じはなかった。初対面なはずなのに、懐かしい感じがした。


 「意味は分からなかったけど、懐かしい気がしたんだ。なんだったんだろう」


 「知らないわよバカ……」


 彼女との出会いは再び終わりの始まりでしかなかった。


 そんなことも知らないまま僕達はもう戻れない今を生きていく運命になった。

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