鬼だってギリギリまでサボりたいと思っている。
「いーやーじゃぁー。家にいたいのじゃぁー」
「駄目です。教団の人はお金を受け取ったって言うし、私に対しては、依頼人さんの家にある中古の桐箪笥もらえることになっていますしー?」
「おかしいじゃろ!!!なんで出資者がおるのに依頼人からお金取るのじゃ!!!」
「さぁ?そのへんは教団の方に聞いてもらわないと」
まあ、実際出資者だけじゃやっていけないっていうのもあるのだろうし、そのへんは私も理解はできる。
まあ、筒抜けてる人にはあまりわからないのだろうけれど
「あっ!私をおバカだと思っておるな!?いいのじゃよ!変身して奈緒をびっくりさせるぐらい頭いい発言したって!」
「今のままでもそれは出来るのでは?」
「…………む?いや、今の私でやったらギャップで奈緒が死ぬじゃろ?」
「いや、それぐらいじゃしなないです」
「ほんとかあ?」
「…まあ、ちょっとかっこいい姿で言われたい感じもありますけれどね」
「じゃろ?ふふーん、ちょっとまっとれ」
そう言うと少しサシャが物陰にかくれるのを見て一瞬、目を閉じるほどの眩しさを感じ目を閉じて、目をゆっくり開くと、物陰からかっこいいロングヘアー美女が現れた。これがそう、任務先へ行くときの格好をしているサシャである。
「ふふっ、どうじゃ。さて、何を言おうかの」
「じゃ、行きますか」
「そうじゃな、行きながら……あれ?ちょ、ちょっとまつのじゃ」
「何がです?」
「かっこよく頭がいいセリフを聞かなくて良いのじゃ!?」
「行きながらいえばいいじゃないですか」
「………あれぇ……?」
首をかしげるサシャ。そして、その背中を押す私。そのまま家を出ていきました。
「うーん…大人の姿になっても日はいたいいたいじゃからやめんか?」
「日傘さしてあげますから」
「この姿なら私が持ってたほうがいいじゃろ」
「そうですね、持っててくれますか?」
「…むぅ……」
なんだかんだ文句を言いながら言ってくれるサシャはえらくかっこよくみえるんだよなあ。