最終回!田中の召喚(中編)
思ったより長かったので、後編を分けました。
チカチカと痛む目を、ゆっくりと開く。
そこはーーーー校庭だった。
「んだよ!ちくしょう!!!!!!」
膝をつき、宙へ投げ出していた手を握り込んでそのまま地面を叩きつけた。痛い。痛いけど、こうでもしないとやってられない。
俺のワクワクを返せ!!!
地面に打ちつけた手と同じくらい心が痛い。
スズキに光魔法乱発されているほうがマシだった!怒りのやり場があるから!一体、俺はこの悔しさをどこにぶつければいいんだ!?むきぃ!!
悔しさのあまり、ずんと地面にのめり込みそうな田中。しかし、ふと異変に気づく。
ざわざわと、騒がしい校庭。
いまはまだ早朝。校庭で筋トレしているのなんて、田中か陸上部くらいなものなのに。
はて?と振り向いて、硬直する。
校庭にごった返す、ひと、ヒト、人。
なかには先日召喚されていった高橋さんの姿もある。いままで異世界に召喚されていた生徒が、一気に戻ってきたように見受けられる。
「んな!??」
なんじゃこりゃ!!!?
田中の驚愕をよそに、どこからか声があがる。
「聞け!諸君よ!」
高らかに響く声。ざわざわとひしめきあう生徒たちがしんと静まりかえる。
はて、この声どこかで聞いたような……。
「戦いは終わった!私たちの勝利だ!そして、王は約束した!もう召喚の儀は行わないと!」
なっっっ
なんやてええええ??!!!!
わっと歓声があがり、早朝だというのに勝鬨をあげる生徒たち。こら、ご近所さんの迷惑も考えなさい!そして、どういうことか詳しく説明しなさい!!!?
カミシロ!カミシロ!
勝鬨は、しばらくして一人の名前になる。ワールドカップ優勝並みの熱気を放ち、校庭が湧く。
生徒たちが熱のこもった視線を向けている先にいるらしい人物。その名前にはとても聞き覚えがある。
ふだんまったく呼ばないから忘れがちだけど……カミシロって……神城先生だよね?
頭の中で、ほんわかした担任を思い浮かべる。メガネで冴えない印象だけど、優しい担任だよね?スローライフ送りながらハーレム築く予定の担任だよね?!?
動揺のあまり妄想と現実が交錯する田中。
田中の混乱をよそに、わっ!と盛り上がる生徒たち。
群衆の声を受けて、ふわりと一人の人間が宙へ浮かび上がった。
ーーーやっぱり、担任の先生だった。
もはや、田中の召喚じゃなくなってきた……。
サブタイ詐欺。




