〜皆の馬鹿っ!!〜
私は息を切らしながら森の方へ一人で来ていました。
もうすっかり日が暮れ、真っ暗になった森は不気味でしたが、今はそんなことよりも皆から離れたかった私は無心で走り続けます。
(にーにの馬鹿!、エルシーさんの馬鹿!、母さんの馬鹿!、たまには皆で遊んだっていいじゃん!皆の分からず屋!)
幼い思考をする彼女にとっては、皆が遊んでくれない理由が、ただただ面倒なだけだと考えていたのでした。
タルトの仕事が忙しくなり、遊んでくれなくなってもう2週間以上程経ったのにまだ遊んでくれません。
それが嫌になり、思わず家を飛び出してしまったのでした。
(皆私の事が嫌いなのかな...)
そう思うと涙が溢れてきます。
(私の事が嫌いだから遊んでくれないし、畑仕事の時のはほっとかれ、母さんも村内の人たちとのおしゃべりを楽しんでいるんだ...)
どんどん嫌な気分になってきて、負の感情が溢れ出てきました。
(なんで私は皆と遊んじゃいけないの?...、一人じゃ楽しくないよ...)
そういった思いは少しずつですが、私の心を確実に蝕んでいきます。
苦しい...、まるで息ができないような感覚に襲われたので、切り株に腰掛けて少し休む事にしました。
落ち込みながらも、ふと顔を上げると夜空に浮かぶ星々が私を歓迎してくれます。
沢山のお星様が私を照らして慰めてくれているように感じられ、少し落ち着きを取り戻した私は家に戻る事にしました。
お星様があんなに沢山あるのは、一人ぼっちにならないように皆が集まっているように感じたからです。
「皆きっと私を心配してくれてるよね...」
その時です、私は帰り道がわからないことに気がつきその場に制止していました。