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〜反撃開始〜

(なんかさっき話してたみたいだけど、子供の考えそうな事なんてお見通しだね)


 私は剣を片手に彼らの動きをしっかりと視界に捉える。

 一直線に2人が走ってくるのだが、突然左右に分かれた。

 私の意識を削ぐつもりなのだろうが、そうはいかない。


「だったらこうするよね!」


 私の方から反撃をしに行く。

 どちらかと言えば筋力の弱いツバキに狙いを定め剣を振る。

 勿論加減はするがこれでも子供相手なら十分な火力が出るので、簡単に剣を弾き飛ばした。


「さ〜て...、あとはタルトを...」


 そう思って後ろに振り向こうとして気がついた。

 私の足に土が絡みついていて、身動きが非常に取り辛くなっていたのである。


「これは...タルトの魔法!?」


 私が叫んだ時に、彼は木の上から飛び降りながら剣を振るってきた。

 子供とは言え、重力が乗った剣撃は非常に重く感じる。

 それに土に足を取られているので踏ん張りがきかず、態勢を大きく崩されてしまった。


(まずい!)


 そう思った時にはもう遅かった。

 彼は振り向きざまに剣を構え第二撃を打ち込む瞬間だったのである。


(まさか...一本取られる?この私がこんな子供に?)


 そう思うと悔しくなったので、思わずアイテム欄から槍を展開し防いだ。

 風の魔法で武器を浮かすことにより自由自在に操るこの魔法は、とても便利なのだが武器の数に応じて制御が難しくなるため、私は最高でも7本くらいまでとしてある。


「そんなのありかよ...」


 へんな笑い声を上げる彼の喉元に、槍を突きつけた。

 少しひやっとしたので息を調整する。

 本当に危なかった、子供の割に良い動きをする彼は、将来いい冒険者になれるかもしれないとさえ思う。


「まっ、ちょっとひやっとはしたけど余裕だね!」


 嘘だ。

 私にもしも魔法の心得が無ければ、あの攻撃を防ぐのは不可能だった。

 2体1で慢心しきっていたとは言え、冒険者の中でもプロクラスだと心得ている私が、子供との剣の撃ち合いで負けたのはショックである。

 表情は明るくしていたが、内心ではかなりおち込んでいるのを悟られないように笑う。

 そうしていると、ツバキの奴がタルトを指差して文句を言ってきた。


「タルト!、今エルシーさんから一本取れてたんじゃないの!?」


「ははっ...、俺も取れたと思ったけどね...、流石冒険者ですね...、俺じゃあこれが限界ですよ」


 これが限界...?、いや違う、この1週間くらい彼と過ごして分かったことがある。

 それは、彼の能力が明らかに子供のそれとは異質であるということだ。

 見た目は10歳になったばかりくらいの少年だが、仕事で扱う土魔法のレベルは明らかに高い。

 あんなすぐに植物を成長させ、実を実らせる事なんて、プロの農業師にも出来ないだろう。

 この子には何か秘密がありそうね...。

 そう考えていると、どうしても冒険者としての心が疼いてしまう。


「エルシーさん?なんで笑っているんですか?」


「ん?...、いやちょっと考え事をね...」


「教えてくださいよ〜...、気になるじゃないですか...」


 不満そうな顔で私の顔を見てくる彼の頭を、私は静かに撫でていた。

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