緊急速報
黒いマントを翻して高らかに、茶色の熊獣人は笑う。
「ふはははは、これで関東は脆く崩れさるだろう!」
「そうはさせない!」
「誰だっ!!」
物陰から、人影が飛び出してくる。
「我こそは、正義の使者、"レッドスター"だっ!」
ばさっと真っ赤なマントを翻して、赤色の竜人が叫ぶ。
「くっ、もう見つかったか!野郎ども、逃げるぞ!」
「待てっ!ハニィベア!」
「その名を呼ぶなっ!さらばだっ!!」
笑いながら、熊獣人は去っていく。
去る姿を追わずに、熊獣人が残した怪しい機械の解除を始めるレッドスター。
その間にも周辺は徐々に揺れ始め、怪しい機械の画面ではカウントダウンが始まる。
『3』
「よし、あとはこのプログラムを解除すれば……。」
『2』
「なにっ!解除コードをAとBから選べだと!?」
『1』
「……えぇい、こっちだっ!!」
一瞬の静寂の後。
機能を停止していく怪しい機械。
「……助かった……。」
ほっと胸を撫で下ろすレッドスター。
こうして関東の平和は、
密かに守られたのだった。
†
「え?なに?緊急速報が誤報?」
「みたいよ?今ニュースでやってた。」
「なんだそれ~。心配して損した!」
とある家庭での1コマ。




