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世界を繋ぐお仕事 〜世界征服編〜  作者: na-ho
しんらいとさいせい
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76 活用術

 ◯ 76 活用術


 僕はみかんの中間界で魔核の浄化をやっていた。ここに持ってこられる魔核は地獄型のダンジョンの物なだけあって、純度が高い。赤やら黄色、緑に透明と沢山ある。

 意外にも青いのに火の属性だったり、赤なのに雷だったりと出鱈目だ。個性豊かな魔石に感心しながら、浄化し終わった赤い闇の属性の魔石を眺めていた。ふむ、綺麗かな……。出来上がりに満足しつつ、管理組合の建てた魔石の交換所に持って行った。


「闇の魔石でした」


 僕が受付に持って行くとカウンター越しに受け取って、完了した石を丁寧に調べ始めた。


「了解〜。もう休憩時間だから良いよ、お疲れさまでーす」


 隣の人が僕の受け持ちの時間が終ったのを教えてくれた。


「はい。ありがとうございます」


「あ、お待たせしました。浄化が終りましたので支払いを致しますね」


 隣のカウンターでは取引が行われている。それを横目で観察しつつ僕は交換所を出た。あちこちの世界から闘神達がここのダンジョンに来てくれている。

 最近は宝箱に武器類も入れ始めているらしい。マリーさんの知り合いの手作りみたいで、使う方にもある程度のレベルを要求するので随分価値が高い物みたいだ。僕なんて触れも出来ない物ばかりだ。


 昨日から僕はスフォラから出て活動する事になった。実体化はほぼ出来ているけど、不安定感がまだ拭えていない。でもいつまでもこのままではいられないのでここの神界と中間界、アストリューではスフォラから出る事にした。

 マシュさんはスフォラとの繋がりを切らない為に体内には本体の一部が残るように設計してくれている。おかげで、スフォラ本体がカフェで働いていてもスフォラの便利機能が使えるようになっている。

 働き手は多い方が良い。分体は本体の肩の上にいる青いグラデーションの鳥だ。本体は長い銀髪を二つに纏めて可愛い店員さんの制服を着て働いている。うーん、美少女とぬいぐるみな構図は絵になる気がする。


「ただいま。忙しそうだから手伝うよ、ダラシィー、スフォラ」


 調度、お昼時だから忙しそうだ。


「お帰り、アキ。皿洗いは終ってるので軽食の方をお願いします」


「分かったよ」


 僕は注文票を見ながらサンドイッチにスープだの、ドリアとかキッシュだとかを用意していった。一段落着いた頃にお昼ご飯を食べて、そのまま隣でミシンと格闘しているマリーさんの隣でいつもの宝箱用のアクセサリー作りを始めた。


「地獄型のダンジョン用のが足りないの?」


 指輪用に銀の固まりを少し魔法で分離させると、融解させて癒しの力をたっぷり掛けながら型に流し込んだ。ちゃんと本職が作った方が良いんだけど、僕には無理だから錬金術の初心者キットでやっている。


「そうなのよ〜。大盛況なのもあるけど、やっぱり身に付ける物は丈夫じゃないとね……。ダンジョンに入る度に壊れ易くなるのよね、仕方ない事だけど修復機能を付けても劣化は免れないわ〜」


「そっか、目一杯の防護を付けてもそんななんだね」


 型から出した指輪を磨いていくと艶が出てきた。台座に治療魔法入りの魔石を嵌めて固定する。それをいくつも作っていく。


「そうね〜、仕方ないわ〜。この宝箱の装備ボーナスがあるから来てくれて経済が回ってるというのもあるのよ〜」


「そうだね。手作りだから何とかなってるけど、そうじゃなかったら利益が出ないよね」


 今度は水の魔法を入れた魔石を嵌めて水の属性の指輪を作っている。


「そうね〜。アキちゃんも頑張ってるおかげで普通のダンジョンの経営も楽になってるみたいじゃない。アンデッド協会の人達も薬作りは自主的にやってくれてるし」


 マリーさんは出来上がったセクシーなドレスタイプの防護服を満足げに見ている。ファンタジーゲームにありがちな感じだ。


「そうだね。ここで作ってる物はアンデッド協会でも重宝してて、この地獄型ダンジョンにチャレンジするアンデッドも増えてるみたいだし」


 確かスームブッドさんがそんな事を嬉しげに言っていた。


「そう言えば来てたわね、団体で。死神のアンデッドの教育とか言ってたわ〜。アンデッド用の薬が充実したせいね」


「へえ、もう始まってるんだ」


 スフォラの魔法の籠った雷の魔石と火の魔法の込められた魔石を箱から取り出して、魔力増幅の効果の指輪に嵌めて行く。


「魔力減退薬が意外と役に立ってるわよ〜。理性を失ってもそれを掛けると暴走を少し和らげれるの。それで出口まで転送してしまえば後は救護班に任せればあっという間に復活よ。あれは役に立ってるわ〜」


「そんな事になってたんだ」


 というか、そんな使い道があったんだね。何故か良く使われてると思った。教育には必須の薬ってことか。


「あれのおかげで挫折する者が減ってるのよ。今までだと一旦理性を失ったら取り押さえるまで時間が掛かってたけど、あれがあれば弱体化するから一気に返還が可能になったのよね。ついでに毒性もそのままにしておくと更に動きが止まっていい感じで捕獲出来るのよね〜」


 ……それで良くけけけけ笑いが聞こえるのか。謎が解けたよ。この薬の有効利用でここのダンジョンの訓練施設としての評価が高いみたいだ。状態異常を抑える薬もあるけど、使っていてもダメな時はダメなのだ。

 戦うアンデッドにとってこの地獄の気に打ち勝てるのが一番のステータスになるらしい。陰の気によって作られる事の多いアンデッドが正気を保つだけでも難しい事なのだ。

 どうしても引きずられやすい要素があるのだから……。逆に僕のように霊気を放って浄化をするのも難しいらしい。

 僕は霊気の特化だったし、アンデッドというよりは普通に覚醒者の幽体という方が正しい。確かに一香の瘴気に焼かれて死んだのでアンデッドと言えばそうなんだけど……。苦しみは最低限で済んでるのでお気楽にアンデッドになった類いだ。カジュラのように記憶をなくす程の何かがあったのでもない。

 でももう、幽体も卒業だ。実体化した僕は紫月達に近い存在かもしれない。生前とあまり変わらない姿だけど、これはこれで気に入っている。何故か髪は長いままになっているのは理解出来ない。まあ扱いには大分慣れたけど。


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