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世界を繋ぐお仕事 〜世界征服編〜  作者: na-ho
ふりょうなるいさん
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43 狩人

 ◯ 43 狩人


 次の日にタキから返事が来た。仕事が無いから頼むと……。何が出来るのか聞いてみたら、ウエイターならアルバイトをしてたと返ってきた。良いだろう、リーシャンにタキの仕込みをやって貰う事にした。びしばしと厳しくで良いよと言ってタキをみかんの中間界に連れてきた。


「は? ふざけてんのか? 店長がこれ(・・)は無いだろ!?」


 リーシャンを指さしている。む、これ呼ばわりしたなっ!


「ふざけていない。リーシャンはタキよりも百万倍は役に立つ!! 強い! 癒される! 最高の仲間だ!!」


 力説した。


「ああ? 寝ぼけてんのかっ! ぐあっ」


 横から伸びてきた手がタキの襟元を掴んで持ち上げた。


「貴様、リーシャン様に向かって変な口利いてんじゃねぇぞ、こらっ!!」


 顔に傷の付きまくった如何にもヤクザな見た目なおじさんが睨みをきかした。百八十センチあるタキがぶら下がるくらいの身長だ。しかも、本物の戦闘職のお方だ威圧が半端無い。タキがビビっている。


「はい!! 失礼しましたっ! もう言いません!」


 変わり身、早すぎ!


「分かれば良い。ここに通う連中は全員リーシャン様とチャーリー様の強さに引かれてだからな。覚えとけよ?」


 タキは壊れた人形のように首を縦に振った。それで解放してもらえたみたいだ。冥界に連れて行かれなくて良かったね。その後は素直にリーシャンの言う事を聞いていたので問題は無さげだ。しばらくタキは『みかんなカフェ』でアルバイトをする事になった。


「変な事してたらいつでも放り投げていいからね?」


「分かりました」


 ウサ耳を揺らして頷きながら返事をしている。


「はう、可愛い!」


 リーシャンを抱きしめてから僕はポースと出発した。


「いってらっしゃい。ポース、スフォラ、アキ!」


「いってきまーす」


「行ってくるぜ!」



 という訳で転移門の前に立っている。今日はシュウ達がいつも根城にしている第六フィールドではなく、隣の第五フィールドだ。鉱山というから山と思っていたけれどそんなものは見当たらない。森というか枯れ木の森が広がっている。所々に緑があるけれど、それも元気が無い感じだ。地下の瘴気が植物に影響を与えていてトレントとか言う魔物が多く跋扈しているらしい。他にもツタの魔物化した植物やら毒を吹き付けてくる花やら色々と気をつけるべき事を聞きながら、早速付いて来た事に後悔した僕だった。


「何処に鉱山があるの?」


「ああ。ここを三日程行った所に鉱山の入口が見える。そこから丸一日進んだ場所に鉱山のダンジョンがあるんだ」


「十日の予定にしちゃ、随分じゃないか?」


「誰?」


「あ、言ってたポースだよ」


「もう一人援軍を呼んでるとは聞いたけど、何処にもいないじゃないか。ピクシーでもいるのか?」


 怪訝な表情でシュウが聞いてきた。


「ポケットに入ってるんだ。紹介するよ、偉大なる魔導書のポカレスこと、ポースだよ」


 ミニサイズだから、威厳を出すべきだと思っていつものポースの台詞を引っ張り出して紹介した。


「おう、シュウってのはお前か? よろしくなポカレス様と呼んでくれて良いぞ!!」


 リーシャン達が様付きで呼ばれているのに対抗しているんだなと、密かにポースも可愛いと笑ってしまった。


「あー、シュウだ。本田 周成(ほんだ しゅうせい)でシュウだ。周成様でも良いぞ?」


 シュウも対抗したらしい。笑っている。


「へえ、本が喋ってるよ? そっちの世界はこっちよりもファンタジーなんだ? あたしは倉沢 樹里乃(きりの)。樹里乃様で良いわよ〜」


「樹里乃までそんな事言って、私は西本 毬雅。マリカで良いわよ」


「おう、べっぴんさんだな」


「ちゃんと見えるんだ」


 パッと明るい笑顔になった西本さんは嬉しそうだ。


「勿論だ!」


「坂本 祐志だ。よろしくー」


「永井 峯本みなもと。よろしく! 峯本様で良いぜ!」


「それでどうやって行くの?」


 自己紹介も終ったので聞いてみた。


「ここの町から商隊の護衛で一緒に行くんだ。もうパーティーで受けているから問題ない。他に三パーティーが参加するって聞いてるし、帰りも同じメンバーだ。まあ、大体二、三日伸びる事があるからそれは良いよな?」


「おいおい、そんな後出しは困るぜ? 俺様、これでもファンを抱える偉大なる魔導書だからな」


 ポースも予定が変わるのは困るだろう。アストリューの宴会の盛り上げ役だし。


「面白いねー、その魔導書」


 倉沢さんは興味を示している。


「ポカレス様だ!」


「はいはい。ポカレス様ね」


「俺様の偉大さが分かってないぞ?」


 溜息が聞こえたので、


「まあ、その内分かってくれるよ。ポースの良さは一目じゃ分かりにくいだけだよ」


 僕はポースを元気づけた。


「そうだな。能ある鷹は何だったかな?」


「爪隠す? 日本的な事を知ってるのね」


 西本さんが聞いてきた。


「おうよ、家の日本庭園は立派だぞ! いつも宴会があるからな!」


「日本にいるの?」


「アストリューだ!」


「なんだ、違うのか」


 倉沢さんががっかりしていた。まあね。


「良い所だぞ? 俺様の故郷と言っても良いくらいだ。居心地が良すぎていかんが、たまにこうやって爪の手入れもしないとな!」


「そうだね、良い出会いがあると良いけど」


「心配してるのか? そんなの杞憂だ!」


「そうかな?」


「俺達は今回はハンターだ! 狙った獲物はいただくぜっ!」


「お、その通りだ! がっつり儲けるぞ!」


 ポースの気合いが移ったのか坂本がガッツポーズをした。そのまま街の外れに移動して商隊の荷物を積んでいる場所まで着いた。まあ、予定は十五日くらいで見た方が良いみたいだ。予定変更を伝えて僕達は護衛の任務に就いた。


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