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世界を繋ぐお仕事 〜世界征服編〜  作者: na-ho
しんせかいへのみち
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21 秘匿

 ◯ 21 秘匿


 正式に死神の組合のバックアップが出来たので、他人に言っても良いかというとそうでもなかった。緊急の戦闘員の増員もガーディアンも世間一般には有名でないし、言っても誤解されるだけだ。ガーディアンの存在は得に神以外には秘匿されているので、結局いつもと同じだ。スフォラに死神の組合の情報が見れるようになったのが唯一変わった所だろうか? 


「結局、ホングとヴァリーにも言っちゃダメなんだ」


 最近では珍しく、家で一緒に朝食を食べながら、レイと少し話をした。


「そうだね。彼らを危険に晒す事にもなるからね。バレるまでは黙ってた方が良いよ」


 確かに危険な仕事だと思う。


「うん。分かったよ」


「もし、見つかっても、見習いだって言えば良いよ」


「うん。実際見習いだよね?」


「そうだね。所属は普段は癒し担当だし、そのまま言えば良いよ。ガーディアンの仕事も厳選してるしね。まだ時間も短いし」


 レイはちょっと苦々しそうに言った。


「そうだね。あんまり激しい戦闘は困るよ」


「……耐えれなくなったら、全員眠らせちゃっていいんだから。無理しちゃダメだよ?」


 そこはレイも心配なのかそんなことを言ってくる。確かに、水軍と殆ど何の武器もない従者と使用人の戦いは不毛すぎた事もあったし、見てられなかったので全員眠らせた。眠りの魔法も眠りに入るまでの時間が短くなっているので眠らせ放題だ。

 ジューダッド水将は自分では神々には敵わないと捕まって目を覚ました早々に降伏宣言をしたらしい。まあ、あの皆の無茶な戦いを間直で見れば、仕方ないと思うよ。僕だって遠慮したいよ。出来れば自分からあんな所に行くなんて遠慮したい。


「悪神に効くかな?」


「今度捕まえた時に試したら?」


「うん。そうしてみるよ」


 今日は自分の命日だ。街はクリスマス一色というのに、今日だけは対外的には黒い服を来て喪に服している。いや、本人がやっても意味無いけどまあ、気分的に。適当に周りには暗示をかけてなんかやったぞとのアピールだ。まあ、家はごちそうが出て、家族皆でゴースト一歳を祝った。

 明日は神界で年末パーティーだ。去年、出そびれたパーティーは紫月とマリーさんとレイ、蒼史と紅芭さんと地球にいるうちの組合員全員が参加予定だ。マシュさんも呼ばれているので珍しくドレスを新調していた。メレディーナさんも少し顔をのぞかせに行くみたいで、日本のマナーをレイに聞いていた。


 当日、立食式なのでまたしてもスフォラ頼りのマナーで切り抜けつつ、料理と会話を楽しんだ。


「やあ、去年のあのとき以来かな?」


 黒のスーツの人に話し掛けられた。知らない顔だ。スフォラも分からないと言ってる。


「えーと? すいません」


「ああ、あの時は一香の冥界送りで一瞬だったから、覚えてないと思うよ。あの時にいたものだよ。日本の冥界担当の死神になる。よろしくな。名前は志朗だ、(あざな)になる」


 成る程。黒スーツもお洒落に着こなしてると思ったら、死神だったのか。


「あ、はい。僕はアイスです。死神の組合所属です。あの時はお世話になりました」


「いや、良いんだ仕事だし。そうか、そっちに行ったのか。マントを付けてたから一人増えると思ったが、見かけなかったからな」


 ちょっと残念そうに言われた。


「あ、そうなんです。異世界間管理組合とも掛け持ちというか、そっちがメインで、冥界では癒しを担当してます」


「そうか。私は冥界門の担当だ。あのとき見たあれ(・・)をやっている」


 床に空いたあの黒い穴を思い出した。


「はい。何かすごかったですね」


「異界でも似た感じだろう?」


「あ、僕は最近組合の見習いになった所なんです」


「なんだそうか、じゃあ、良く分からないよな」


「はい。正式に通った事はあるんですけど、あの術で繋げるのはまた違ってますよね?」


「ああ。魂に刻むからな。三人揃わないと開かないし、キーは董佳様持ちだからな」


 複雑にされてるんだ。


「厳重に管理されてますね。アストリューはそこまで厳重にはなってなかった気がします」


 冥界への門はアストリューの場合は神殿の祈りの間の神域から転移門で白い霧の世界に飛んで、更に転移門で紺色の世界に付いたら、そこにある門を開く感じだ。門の警護の人もいるけど、殆ど戦えそうには見えない。それとも強いんだろうか、メレディーナさんのように……。僕には判断出来ない。


「組合所属なら異世界にも向かうからな……。色々な方法をとっているはずだ。また機会があったら話を聞かせてくれ。見習いならまだ分かっていない仕掛もあるだろうからな。その内聞かせてくれ。参考にしたい。相談があったらいつでも乗るぞ。じゃあな」


 どうやら、知り合いに呼ばれているみたいだ。こういったパーティーも知り合いが多いと大変だ。


「はい、志朗さん。またお願いします」


 連絡先を交換して別れた。その後は雨森姉妹と少し話したり、伊東さんや加藤さんにも会い、レイとデザートの味を言い合ったりしてパーティーを楽しんだ。


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