114 人望
◯ 114 人望
僕がダラシィーとチャーリーとマリーさんとで、五芒星の見つかったダンジョンに五日程籠っていたら、銀行の利用人数が増えていた。意外にも貴族も多かった。自分達の国を信用してないのね……。
大量の気持ち悪い魔物と魔核を持って、僕とマリーさんとで第二フィールドに向かった。
「あら〜、久しぶりね」
「これは良くいらっしゃいました。それで売りに出したいというのは?」
ヴォレシタンさんが世界樹の教会で嬉しそうに待っていた。マリーさんの友人が作った白銀の鎧を着けている。
「これなんだけど……」
と、言いながら大量の魔物の死体を祈りの間に並べ始めた。商人らしき人は五人いたけど、顔が引きつっていた。そりゃそうだね、見たこと無いのもあるだろうし、魔核も出してる瘴気が桁違いだ。
二、三百個個程、練習用にと神官達に渡しておいた。メリラーナさんは神官の仕事を手伝う為に、魔核の浄化を覚えようとしているみたいだ。魔核を受け取って気合いを入れていた。
「これで死体は四分の一くらいかな?」
祈りの間が一杯になったので一旦止めた。
「魔核は全部で五千個はあるし、どうかな?」
「この魔物は一体……」
六本もある腕が昆虫の様だけど、熊だ。
「さあ〜、結構奥で取れたわよ〜」
「多分何かに使えると思うけど、分からないなら研究用に譲るよ」
「そっちの虫は硬かったから鎧に使えるわよ〜」
「本当ですか!」
商人さんはその死体を手に持ってた棒で少し叩いていた。いい音がしている。
「楽器でも良いね」
「そうね〜、意外といい音かも」
五人の商人さんは真剣に魔物の死体を見ながら、リストを作って値段を決めてくれた。僕は魔核の浄化をその話の合間にやっていた。
「後、魔核ですが、そのままでは街の教会でぼったくられますし、魔石にされてからの方が……」
少し心配そうにこっちを見てからそう切り出した。こっちで浄化が出来るのを知っているのだろう。
「あ、一応三十個は出来たから渡しとくよ」
僕はテーブルの上に魔石を並べた。火、水、風、土、飛行、空間、混ざっているのも三つあった。
「これはかなりの等級ですな。高値で引き取らせて頂きます!」
「でも、出来上がりが高くなるから程々にしてね?」
「勿論でございます! このくらいが妥当かと思います。値崩れし過ぎも我々には脅威ですからね」
商人さんは嬉しそうだ。出して来た金額にマリーさんは頷いた。
「まあ良いわ〜。それで頼んだわ、残ってる魔物はどうする? 見る〜?」
「これ以上は我々には荷が重いので、また時期を改めてでよろしいでしょうか?」
申し訳なさそうに商人代表の人は頭を下げた。
「分かったわ〜。後はドワーフ達にでも売りさばきにいきましょ〜」
「うん、そうだね」
「はい。新しい魔物は研究し、成果を出してみせますのでまたご贔屓に」
「分かってるわ〜。頑張ってね?」
「ありがとうございます」
深々と頭を下げて商人さんは魔物を回収していった。同様にドワーフ達の街に売りに向かった。ドワーフ達はさすがに鎧に良さそうな魔物を一目で見抜いていた。半分程引き取ってもらえたので良しとする。
さて、同じ材料でも出来上がるものは随分変わりそうだと僕はチョッピリ期待した。魔核は出来上がった神殿に持って行って魔石に浄化してもらい、適正価格で買ってもらった。アンデッドの神殿にも持ち込んだし、アンデッド達にも魔物を大量に引き取ってもらった。
神罰中のエルフの里には今回は持ち込みは止めた。次の機会に行くからと言ってある。それにまだ里は人が殆どいない。ルルさんとキポロームさんに人望が無いの? と口が滑って怒られたのは最近だ。




