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世界を繋ぐお仕事 〜世界征服編〜  作者: na-ho
くろいばら
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113 移行

 ◯ 113 移行


 この騒動はその後三日は続いた。帰ってきた元奴隷は大体三分の二だった。

 人質は大体は家族だった。既に人質を殺されていた人もいたようで、そんな人達はここには殆ど戻ってこなかった。なんだか本当に使い捨てなんだと知ると悲しい。

 神界での会議で話し合った。


「つまり、暗殺部隊は同じ系統なのね〜?」


 僕の受けた印象も彼らの言っていることもそんな感じだ。


「各国共通なんて変だね。普通は全く違って腹の探り合いだよね?」


 レイもちょっと興味があるみたいだ。


「暗部が繋がってるって事ね〜?」


「珍しいな、どういう経緯だ?」


 マシュさんも不思議がっている。


「さあ? 悪神が牛耳ってるとか?」


「全部の国をですよね」


 浅井さんも首を傾げた。そんなことがあり得るのかな。


「あり得るな。知能型の悪神か、なりそこないか……悪魔が残っている可能性もある」


 マシュさんが何やら考えている。


「それは考え出したら切りがないよ。悪魔ってことは無いかな。あの時の状態では崩れることは知っているはずだから、さっさっと出て行くはずだよ?」


 レイは悪魔の可能性は否定的だ。


「ブランダ商会の手が入っていた可能性もある。暗部を握って貴族を洗脳させてたなら、話は分かる」


 マシュさんは更に分析したみたいだ。


「それの遺物ってこと? それなら分かるかな」


 レイはそっちの方がしっくり来たみたいだ。


「彼らの考えは分かったし、まあこの騒動でまた追い詰められたんじゃない〜?」


 マリーさんが笑っていた。確かにその通りだ。同じ奴隷という存在で彼らの結束は硬く、今はしっかりと世界樹の各教会の警護をやってくれている。

 田舎の、ここの場合は天門から遠い場所にいる冒険者達が捕まって、貴族達に売られているみたいだ。ギルドのお金を凍結されて身動き取れずにいるところを、今度は人質を取られて少し訓練された後、ここに襲撃に来たらしい。

 元が冒険者達なので戦闘の経験はある訳だ。連携も多少は訓練されている。あの冒険者ギルドは暗殺部隊の育成所として機能している部分もあったんだ。

 独自にやる必要が出て来た。熟練者になるとそのことは分かっている人も多くて、独自ルートを開拓している人も多い。


「銀行システム付きの端末を付ける? 生体端末もアップグレードしていけるし、一石二鳥だよね?」


「ガリルの体はもう出来上がったの?」


「もう少しで移行が終る。調度いいし、世界樹の教会にそんな施設を作っても良いな」


 マシュさんは頷いている。


「またゲームらしくなるね」


「ギルドではなく世界樹の教会でのシステムだね。権力の移行も済ましてしまおうか」


 レイが悪戯っぽく笑った。


「教会の施設は作る必要があるわね。スタッフもいるし。募集は掛けないとね〜」


「最初は管理組合の方で用意して、順次現地の人に移すよ」


「そうね〜、資金は潤滑だし、大丈夫ね〜」


 神樹のお告げがなされた。僕は教会の新しいデザインをスフォラと一緒に考えた。アイリージュデットさんは僕の決めたものに微笑んでいた。今回の建物はみかんの中間界で皆の力を合わせて作ったので、ラークさんの作った宮殿の様に設置したら終わりだ。一晩で全部完成した建物にシュウ達は驚いていた。


「教会は神界が建て直すって言うから、どのくらい宿無しになるのかと思ったら、とんでもない施設になってて、ビックリだよ。しかもスタッフがもう入っていて、業務が始まっているし、世界樹の教会が銀行を始めたって言うのも驚きだよ」


 第六フィールドで会ったら、シュウが呆れていた。驚きを通り越したらしい。奴隷達も安心出来るだろう。


「うん、中央は祈りの間で、左右に広げてみたよ。右が銀行、左が訓練施設。これまでのシュウ達の部屋はは別棟にしたよ」


 それに、管理組合のスタッフ用に神界行きの特別な転移装置が奥に付けられている。今までよりも大分行き来が楽になった。シュウ達も教会間と天門なら使えるので行き来している。


「ああ、立派な教会になってる。やっぱりギルドとも縁を切るのか?」


「預金の保護だけかな。その他はやらないよ」


「そうか。助かる」


「お金の交換も生体端末で出来るからカード払いと同じだよ。ローンは無いけどね」


「そうか。早速預けたよ。それはどうやるんだ?」


「メニュー欄が出来たって聞いてるよね?」


「ああ、やれる人がまだいないからな」


「そっか、新しいシステムを使ってくれる人はまだ少ないんだね」


「元奴隷だから金も殆ど持ってないしな」


 確かに。スフォラに頼んでみた。百ガリュを渡しますかと出た。はいと選択すると、僕の所持金が減った。目の前には受け渡し中と出ている。


「おお。受け取りますかと来たぜ。受け取ったぞ」


「相手は受け取りましたって出たよ。画面は取引終了って出て消えたよ。一回銀行でこの練習をして貰った方が良いね」


「確かにな。でも元奴隷達は文字が読める奴が少ない。どうするんだ」


「そうなの? じゃあ、音声にする必要があるね」


「出来るのか?」


「切替は出来るから大丈夫だよ。それに直接手に出すことも出来るし」


「それはいいな。財布が要らないなら冒険者達は喜ぶ」


 シュウは早速さっきの百ガリュを手の中に出していた。それを僕の手に渡した。それで所持金が増えた。


「うん。死亡したら、家族に残せるよ。今まではギルドのお金は全部、税金と一緒に貴族達に持っていかれてたらしいし、良いと思うんだ。最初に聞かれたよね?」


「ああ。誰に残しますかって聞かれた。でも、家族はいないから他のメンバーに残すことにした」


「そっか、そうだね」


 でも、シュウが説明を聞いても分かってないってことは他の人も絶対分からないよね? これは実際にやる講習が必要だ。僕はそのことをレイに伝えて改善策を取ってもらうことにした。


「じゃあ、カジュラ達はもうやってるの?」


 僕はシュウからの情報を聞いて驚いた。大丈夫だろうか?


「あそこの世界樹の教会は木がないのにやってるんだな。銀行のスタッフにアンデッドがいたから驚いていたぞ?」


 あそこだけは少しだけ建物が違っている。光と闇の祈りの間を入れたから。アンデッド教会も表で働ける働き口が出来て嬉しそうだった。


「喜んでたなら良いよ。肩身の狭い想いはしなくていいからね」


「確かにな。神界は種族差別は無いって分かったよ」


「そう? 世界樹の銀行は取り敢えず、宣伝しといてよ」


 シュウは任せろと言って帰って行った。個人のは資産の預かりって感じだけど、商業用の窓口もある。金額と相手の名前とかの取引内容の控えを発行するので、その手数料を貰う形だ。

 多人数で登録して一つの財布として使うことも出来る。僕とマリーさんとぬいぐるみ達で登録して、買い出しに行ったりしている。生体端末にそれらの記録が溜まっていく形だ。浅井さんは楽になると嬉しそうだった。

 銀行の隣はまだやってないけど、裁判所も作る予定だ。真偽の審判を雇って行う。今はまだそこまでは出来ないけど、いつか実現すると良いなと思う。


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