表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/22

崩壊編 第13話【Day.2】


『無反応で殺せるって線は、消していいかもな。殺したのは今のとこ2人、てことは犯人も殺人には慣れてないだろ』

『じゃあ、やっぱりあの時居なかった人?確か、宮君、本村君、渡辺君……』

『全員、あの『主催者』とは大違いの奴等ばっかだな』

引きこもり、遊び人、不良だしな。

『声とか喋り方は、放送だったし演技と薬でどうにかなるんじゃない?殺す瞬間に動揺して素が出ないように黙ってれば―――』

「ちょっと待ってくれ。そういや、あの放送どうなってんだ?……って、教室密室にできるような力もあるんだから、放送乗っ取りくらい楽勝かもな」

『多分、そうだと思う』

「あ、あと犯人はかなり残酷な奴だな。殺し方からして。白骨死体と破裂だろ?」

置いていかれそうな気がして、必死でついて行く。頭を使った話は、この2人には敵わない。

「となると、犯人のイメージに一番近いのは―――」

『―――渡辺だな』

非常に言いにくそうに言われる。そりゃあな。

でもあの3人で3択したら、多分渡辺だと思う。

『でも渡辺君、多午君と井沢君と何かあったの?あんまり交流なかったよね……』

「井沢と交流あるのは、寧ろ渡辺の友達の下村だな。しょっちゅう井沢パシってただろ。つかあいつの方が性格は残酷だ」

『それだったら、井沢が殺す側だろ』

うむ、正論だ。

『―――俺、クラスの交流とかは詳しい方だけど、やっぱ渡辺は二人と関係無さそうだよな。まあ、人間関係なんて何があるか分からんが……』

犯行動機に個人的な恨みはありがちだが、これでその線も薄まったか。

『そんな深い所までは、知りようがないね』


「つかさ、容疑者絞りの前にさ、1ついいか?」

『何だ?』

「―――そもそも、どうやってやめさせるんだ?ゲーム」

人殺しが相手なんだ、下手したらこっちが死んでしまう。

『う~ん、やっぱそこが問題なんだよね。せめて人殺しのカラクリが分かったら、止めようがあるんだけど』

『多分人殺しは、前からできたわけじゃないよな。そうだったらこんな時期にやらねーよ、こんな事』

確かに受験の迫った受験生には、これはメンタルに悪すぎる。

『だから、人を殺せるようになった理由とか、殺し方とかが分かれば―――』

「その前に明日、俺達、生きてるよな……?」

『えっ………』

『………』

「………」

一瞬にしてシーンとしてしまい、ちょっとまずい事を言ってしまったと後悔する。そして無言の間が続く。2人の事だ、虚を突かれて返しに困ってるんじゃなくて、無意識に目を逸らしていた現実と向き合ってるんだろう。2人がこんな事を想定していないとは思えない。

『は、萩原君、確かに、昨日と今日と、人、死んでるけど、だからって明日もなんて………』

喋り出しが明らかに動揺してる。やばい、これは地雷を踏んだ。

『……いや、でも確かに重要かもな。これでもし俺達の誰かが明日死んだら、犯人は俺達の会話を傍受できる可能性が高い。傍受なんて最悪の状況だけどな』

戸田の回答は比較的冷静だったので、俺は少し安心した。

「そうなったら、口封じって事で……が犯人ってのも確定だな」

渡辺と言いかけたが、傍受の線を考えて言い淀んだ。

そして明らかに動揺してる堂本を気遣い、とにかく渡辺が今のとこ怪しいって事で、どことなく気まずい雰囲気のまま通話は終了した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ