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崩壊編 第12話【Day.2】

堂本から着信があった時、午後8時をまわっていた。

『こんな時間にごめんね、萩原君、戸田君』

それでこの電話が、戸田にも繋がっていると知る。3人で話したいとは、一体何の用だろうか。

そしてまず第一に相手を気遣う堂本の普段通りの対応に、安堵した。異常が続いた今日、こういう普通が心の拠り所だ。

『ちょっと休んでたら、こんな時間になっちゃった』

休んでたって、帰ってからずっとか?あ、てことはメール転送頼んだ時に叩き起こしたかもしれん。

「もしかして―――メール転送の時、起こしちゃったか?」

『あれくらいなら平気だよ』

ま、堂本が「迷惑だった」とか言うはずないな。

『で、何の用なんだ?』

戸田が早く本題に入って貰おうとする。まだ機嫌悪いなこいつ。

『あっ、ごめんね。実は、今日の事なんだけど』

「今日の事―――」

『うん。やっぱり、あの『ゲーム』っての止めなきゃ駄目だよ。その事について話したいんだ』

『止めなきゃ、つっても、どうやって?誰がこんな事してるか分からんのに』

うん、そこなんだよな。全く犯人の目処が立たない。確かなのはあの子供みたいな声と、人を簡単に殺せるって事だけ。そんなやつうちのクラスにはいない。

声だけなら石津と似てないこともないが、やっぱ違う声だし、何より石津は今日現場にいた。

「顔も名前も分からない犯人なんて、探しようが―――」

『いや、多分顔も名前も分かってると思うの。多分、犯人はクラスにいる』

え。俺は拍子が抜ける。

『俺も堂本に賛成だな。このクラスをあのゲーム?のターゲットにした時点で、犯人はクラスにいるって言ってるようなもんだ。信じたくないけどな……』

『うん……クラスに、そんな人がいるなんて……』

さっぱり分からん―――と思ったが、確かに言われてみればそうだ。

多午も井沢もうちのクラスだし、ゲームの舞台もそこ。となるとよっぽど3の4にこだわりのある奴、ならうちのクラスの奴の可能性大、って事か。

『率直に聞く。誰が怪しい?』

ストレートだな!俺は戸田に心の中で突っ込んだ。

「そりゃ……現場に居なかったやつとか?」

あの時現場に居なかったのは、引きこもりの宮、遊び人の本村、不良の渡辺。それ以外はいたはずだ。しかしこうして見るとうちのクラスは、受験生の癖に学校来てない奴が多い。

「普通に考えて、俺達の目の前で人を殺すわけにはいかないだろ?

そもそも手を触れずに殺せる事は井沢の一件で明らかだけど、殺す時何のモーションも無いってのも変だし」

『やっぱり優君もそう思う?私も、簡単にあんな風に殺せるわけないって思ったんだ。……だって、人を、殺してるんだよ?動揺しないはずがないよ……吐いた子だっていたんだよ……?』

『無反応で殺せる奴だったら、手の打ちようがないけどな』

俺は動揺云々じゃなくて、アクション云々って意味で言ったんだが……2人とも、やっぱ俺の一歩先で議論してる。

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