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小さな小さな異変 〜封印されし白鞘の鬼〜 1

この回から、風神録へ向けて命蓮が参加出来るようにします。いわばレベル上げ回。

今のところ命蓮、弾幕も空飛ぶ事も出来ませんからw



幻想郷には沢山の山がある。

だが、皆から名前を付けられた山は妖怪の山等人里に近い山で、奥深い山には名も付けず、誰も近付こうとしなかった。


そんな幾つもの山の一つ…その奥に、何重にも注連縄を巻いた大きな岩がある。


その岩はどれほどの年月を経ているのか、風化し、縄は今にも千切れそうな程ボロボロになっていた。


――不意に、岩が震える。


次第に震えは大きくなっていく。


まるでこの時を待っていたと言わんばかりに。


岩にひびが入り、縄が次々と千切れていく。


そして遂に岩が粉々に砕け散る。


その岩があった中心に、一人の男が佇んでいた。


筋肉質な身体に袴を着た、背が高い、そして額には二本の角を持つ。


その男は鬼だった。


いつの間にそこにあったのか、地面に刺さった一振りの刀を抜く。


刀を見つめる鬼の眼が刀身に写る。


その眼に理性は無い。

あるのは、怨嗟と狂気。


「変な音はこっちから聞こえたよな?」


その時、鬼の後ろに先程の岩が割れる音を聞いた妖怪達が集まってくる。


「あん?誰だテメェ」

「………」


――無言。


妖怪達はこの男が鬼であることに気付かない。


そしてもう一つ、妖怪達は気付かない。


この無言が何を意味するのかを。


「おい、誰だって聞いてんだよ!」

「いいじゃん、めんどくせー」

「…そうだな。おい!とっととこの山から出て行きな!さもねぇと…ッ!?」


鬼が振り返って妖怪達を見据える。


妖怪達は鬼の顔を見てようやく危機を覚える。


「お、鬼ぃ!?」

「何で?!奴らは地底にしかいないんじゃ…!?」


「――――」


鬼が口を開いて何かを話すが、声が小さすぎてうまく聞き取れない。


「な、何だよ…」

「―――■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!」


突然鬼が声にならない叫びをあげる。


「ヒィ!?」


妖怪達は悟る。さっきの沈黙は暗に近付くなと言う意味だったのだ、と。


妖怪達が最後に見たのは、怨嗟と狂気に満ち満ちている鬼の顔だった。





「え、僕の能力ですか?」


今日は寺子屋は休みなので、朝から明日の授業の内容を纏めていると不意に慧音さんから聞かれた。


「ああ。一体どんな能力なのか聞いてなかったからな」


慧音さんから聞いた話によると、どうやら幻想郷に住む人間、妖怪問わず必ず能力を持っているとか。

思い返してみると確かに子ども達も様々な能力を持っていた。


だけど僕は自分が能力を持っているとは思ってない。

炎や氷を生み出せないし、空も飛べないし。

もし持っていたとしても余り役には立たないのかもしれない。

……そう思うと少し悄げる。


「しだいに自分の能力も解ってくるさ」


その後は何でもない世間話をしながら教材を纏める。

外を見ると日は真上になっていた。


「もうお昼ですか」

「そうだな。今日は蕎麦屋で昼飯を食べようか」


纏めた教材を片付けて、蕎麦屋へ着く。


「いらっしゃい!慧音先生、命蓮さん。ご注文は?」


店に入ると最近店を継いだ若旦那が元気な声で出迎えてくれた。


「こんにちは。私はいつものざるそばを」

「じゃあ僕もざるそばをお願いします」


数分後、注文したそばが置かれる。


「いただきます!」


蕎麦をつゆに浸けて一口食べる。


「………美味しい!!」


僕が今まで食べたどの蕎麦よりも美味しかった。

まさかここまで美味しい蕎麦が食べられるとは…!!

と一人感激していると


「おい、聞いたか?山菜採りの爺さんと息子さんが行方不明になったらしいぞ…」

「ホントか!?たしかあの爺さん達、博麗神社の魔除けの札を持ってたんじゃなかったか?」


後ろの席から物騒な噂を聞いてしまった。

そんな事を聞いたら放っておけず、自然と後ろの席の村人に聞いていた。


「何かあったのですか?」


村人二人は少々驚きながらも先程の噂を教えてくれた。


「何でも、里の端に住んでいた山菜採りの爺さんとその息子さんが、山菜を採りに行った後から帰ってこないらしいんだ」

「俺達とは住んでる場所が離れてるから良く分からんが、もう山に行ってから三日経ってるとか…」


ふむ、これは初耳だ。

慧音さんも顔を見るに、どうやらこの話は初めてのようだ。


「ちなみにドコの山に行ったかわかるか?」


慧音さんも村人に質問する。


「さぁ?そこまでは…」

「なんならこの蕎麦屋を出て左にずっと行くと、その爺さん達が住んでた周辺になるから…そこの人達の方が詳しいかもな」

「そうか…。二人共ありがとう。御主人、勘定を」


慧音さんは蕎麦を食べ終わるとすぐに先程聞いた場所へと向かった。


「け、慧音さん!待って下さい!」


僕も一気に蕎麦をかき込むと慧音さんの後を追った。

さて、この小説。何とPV5,500アクセス ユニーク961人!!

そしてお気に入り登録して下さった方が12人となりました!!!


本当に嬉しい限りです!

感想まで書いて下さった方もいました!

嬉しすぎて涙が…(T^T)


これからも頑張って書かせて頂くので、生暖かい目で見てやって下さい!

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