歩みは人里へ 弐
命蓮は早速二人にここが何処なのかを人里に向かう道中で聞かせて貰っていた。
二人とも(特にチルノ)かなりあやふやな説明だったが分かり易くまとめると…
ここは、外の世界で忘れ去られたモノが流れ着く世界…『幻想郷』というらしい。他にも結界で外の世界と分け隔てている等…。ともかく命蓮は、自分がいた所とは全く別の場所、というのは理解できた。
「それで、君たちは妖精なんだよね」
二人とも頷く。
「はい。私が大妖精でチルノちゃんが氷の妖精です」
「へぇ…でも氷の妖精って何だか時期はずれに聞こえるけど…?」
肌で感じる気温は明らかに夏の気温だ。
溶けたりしないのか?と疑問が浮かぶ。
「あたいはレティと違って季節で変わったりしないんだ!あ、レティはね…」
その後も何気ないことを話していると、遠くに建造物が見えてきた。
「あれが人里かな?」
遠くの建造物を指差す。大ちゃんが頷く。
「はい。あれが幻想郷の中で一番大きい人里ですよ」
「寺子屋もあるよ!」
さっき話に出てきた『けーね先生』という人もいるらしい。
何でも、半人半獣だが里の人達の信頼は厚いらしい。二人もその人が大好きなのが話を聴いてて分かった。
「優しい人なんだね」
大ちゃんは頷いたがチルノは少し口を尖らして文句を言う。
「でも宿題忘れると頭突きされるんだよ」
「チルノちゃん、それは自業自得だよ…」