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東方風神録 〜命蓮紀行〜 stage 6

東方風神録 stage 6になります。

明王に助けてもらった命蓮は今、守矢神社の境内に立っていた。

いや、“境内だった”場所に立っていたといった方が正しいだろう。


「………うわぁ……」


思わずそう口ずさんでしまう程の惨状だ。

神社こそまだ無傷だが、石畳の道と石灯籠だったと思われる瓦礫が辺りの惨状を更に物語っている。


「一体何があったんだ…?」


只でさえ広い神社の境内のほぼ全てが瓦礫の山になっているのだ。よほどの事があったに違いない。

と辺りを見回していると目の前に弾幕の光弾が一つ落ちてきた。

何だ?と上を見上げると上空で赤い巫女服を着た少女と緑色の髪の毛の少女が弾幕ごっこを繰り広げていた。

かなり上空なので流れ弾が落ちてくる事は殆ど無いが、無駄に強力な弾が消えずに落ちてきていた。


「うわっと!と、とりあえず終わるまで待つか……」


すぐそばの林に入って弾幕ごっこを眺める。

二人とも独特で、それでいて複雑な弾幕を展開していて、見ているこちらが目を回しそうだ。

あそこまで複雑だともう美しさなどを測っている暇など無いぐらいだ。


少しすると二人とも地面に降りてきた。


「弾幕じゃあ勝負つかないからこっからは何でもアリよ!」


赤い巫女服の少女…恐らく博麗の巫女だと思う…はそう言うと一枚の札を取り出して宣言した。


「神技『天覇風神脚』!」


鋭い蹴りが緑色の少女に入る。痛そうだ…。


「まだまだです!奇跡『ミラクルフルーツ』!!」


緑色の巫女…こちらが恐らく守矢の巫女だろう…が宣言すると何やら赤い果実のような物が辺りに散らばっていく。


「あんた!食べ物粗末にするとかマジでかなぐり捨てんぞコラ!!!」


博麗の巫女が弾幕を見てそう叫ぶ。確か博麗神社は参拝客がいないから賽銭が全く無いとか。

……色々苦労してるんだな………あ、食べた。


「ちょ、あなた!?いくら果物だからって弾幕食べるなんて…!?」

「かじれる物なら雑草だろうと石だろうと食べるわ」


なぜたろう。彼女が妖怪に見えてくるのは僕だけだろうか…?


そんなこんなで格闘も交えた弾幕ごっこは更にヒートアップしていった。

僕が林の所に居るのも気付いてないようだ。

というかここもそろそろ危なくなってきたな…。

本当なら止めるのが一番良いんだろうけど……


「ホワタタタタタタタタタタタタタタホワタァ!!」

「ハアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


……あの中に入っていく勇気は残念ながら今の僕には無い。

何かキッカケがあればすぐに終わるのだろうけど………。


「ああ、早く来てくれないかな…明王様」





―――守矢神社 湖


湖に高くそびえていた柱は全て斬り捨てられて湖の底へ沈んでいた。

時折響く斬撃の音はまだ戦いが続いている事を知らせる。だが、そこに観戦する者が居れば勝負はもうついていると錯覚するかもしれない。

それほど一方的な戦いだった。


「……グ……クソがぁ!!」


斬られた柱の上に神奈子は片膝をついていた。

見た目は殆ど傷で埋められていて、無事な箇所を見つけるほうが難しい。


「この程度なのか?俺が知り合いの軍神はもっと強いんだが」


落胆を隠しもせずに言う。

実際血が騒ぐというまででは無いが、昔の性か“楽しめる”と思っていた。

でも戦ってみるとそこらの仏敵より弱かった。

帽子の少女は一撃で沈み、今も地面に倒れている。


「はぁーー……」


予想より早く終わってしまったからまだ暴れたりない。とっとと命蓮の所に行こうと背を向ける。


「ま、待ちやがれ……!!」


不意に声をかけられる。振り返ると傷だらけの身体でも立ち上がる神奈子が見える。

ほう、と感心する。

力は無いが最後まで立ち上がる根性に失いかけていた興味が少し蘇った。


「はっ!来るといい!!」


再び刀を構えて応える。


「…ウアアアアアアアア!!!」


柱を出して渾身の力を込めて投げられる。

だが既に焦点があわない目なのか全く当たらない軌道を描いて落ちていった。


その瞬間、柱が何かにぶつかって崩れる音が聞こえたと思ったら……。


「キャアアアアア!!わ、私の神社がーー!!!」


心の底から出てきた悲鳴が聞こえてきた。


「な、なんだ?」

「……柱が落ちた所ってもしかしたら…!?」


神奈子の顔が真っ青になる。一体何があるというのだろうか?

構えを解くと柱が落ちた場所まで飛んで行った。




守矢神社 拝殿…跡


「わ、私の神社が……」


さっきまで鬼気迫る顔で弾幕を放っていた娘だとは到底思えないほど落ち込んでいた。


「あーあ。ま、自業自得じゃない?じゃあとっとと食らいなさい。夢想封印!」


最後まで容赦がない博麗の巫女だった。


「さてと。ところであなたは誰かしら?見たこと無いけれど…」


守矢の巫女をボコボコにしたあとこちらに向き直った。


「初めまして。僕は人里で寺を開いている命蓮といいます。

あなたは博麗…霊夢さんで良いですか?」

「ええ、そうよ。ところで命蓮さんは何でここに?私と同じ?」


「まぁ大体一緒ですが…」


そう言いよどんでいると明王が飛んできた。


「命蓮、大丈夫か?」

「ええ。僕は無傷ですよ。明王様は……まぁ無事ですね」


一通り明王の体を見て応える。

全く神二柱を相手にして無傷というのもどうかと思うが……。


「つまらんかったな。ま、どうせ六桁程度生きてたぐらいで神様面されても困るものだ」

「いや、六桁も生きてたら十分神様ですって…」


全くこの人は…とため息を吐くと、今度は傷だらけのあの神二柱が飛んできた。


「あちゃー…やっちまったよ………」

「神奈子〜……何やっちゃってるの〜」

「そうですよ〜神奈子様…ってどうしたんですかお二人とも!?」


向こうは向こうでかなり騒がしかった。というかあの巫女、さっき吹き飛ばされたのに……。

そんな風に感心していると霊夢は大きな欠伸をして


「じゃあ私は帰るわ。また会いましょう。命蓮さん」


といって帰ってしまった。


「…………」

「明王様?どうしたのですか?霊夢さんをずっと見てますけど……」


すると明王は悪童の笑みを浮かべる。


「あの巫女…かなり“出来る”な……一度殺り合いたいもんだ…なぁ命蓮!」

「いや、なに物騒な事言ってるんですか。あなた明王様でしょう」

「いやぁ…なんていうか「昔に戻りたいぜ!」みたいな感じで(笑)」

「(笑)とかつけないで下さい…さてと」


沈みきっている三人の方へ歩いていく。


「あなた方が守矢神社の巫女と神様…で良いですよね?」


三人ともこちらへ向く。どうやら何も分かってないようだ…。


「僕は聖 命蓮といいます。さて、僕がここに来た理由は……まぁこの神様二柱は分かっておられるでしょう…」


巫女の方は首を傾げるばかりだが、神奈子と諏訪子はどうやら分かったようで……


「早苗!逃げるよ!!」


巫女の腕を掴んで逃げようとするが……


「逃がすと思うか?」


すでに明王が逃げ道を塞いでいた。

流石こういう事には聡い。


「さぁ…あなた達には教える事が沢っ山ありますので…とりあえずそこに座りなさい」

「えっ!?でも石畳…」

「座りなさい」

「だから石畳…」

「座りなさい」

「石畳…」

「座りなさい」

「「「………はい」」」


それから守矢勢が何時間も説教されたのは言うまでもなく、夜の妖怪の山に悲鳴とすすり泣きが響き渡った。



「ふわぁ……眠たいですね」


守矢勢の説教も終わり命蓮寺に帰ると、既に日が顔を現していた。


「そうだな。命蓮、お前はもう寝ろ。寺の作業は俺がやっとく」


嬉しい言葉だ。今回はその言葉に甘えさせてもらおう。


「ありがとうございます。ではお休みなさい、明王様」

「お休み、命蓮」


こうして守矢神社の異変は終わりを告げた。


ちなみに守矢勢はこの命蓮の説教が原因で命蓮を畏れて慕うようになったらしい……。

風神録終わりました!


無事?終わって良かったですホント。

というのもこの風神録回は自分の今の限界と改善点がてんこ盛りになった回でもありますので、かなり打ちのめされました……。

でもまだまだこれからです!!

もっと練習していつか皆さんにも読みやすい小説を書きたい…!←今の密かな夢


さて、次回予告です。

次回はキャラも登場してきたり宝具っぽいのも出てきたりしているので、その説明をしようかと思います。

では、次回をお楽しみに!


追伸

近々新しいオリキャラを出そうと考えています。

無論少女です!

狼の妖怪にしようと決めたのですが、何分自分のネーミングセンスはレミリアと張り合えるぐらいなので……orz

もしよろしければ皆さんに名前の案を出して欲しいです!

こういうの良いんじゃないか?と言ってくれると大変嬉しいです。どれくらい嬉しいかというとベッドの上で飛び跳ねて壊すぐらいですw

名前はどんな感じでも良いです。西洋風でも和風でも、案は全部候補に入れます!異論は認めない!www

よろしくお願いします!

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